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「2050年の印刷を考える」
かつて,21世紀は未来への入口のように思われていたが,いざ21世紀になってみると,デジタル化やネットワーク化の環境は周りに出来上がってきたものの,従来の印刷ビジネスは予想以上に困難な課題が多くなり,とても未来など考えられず廃業する印刷会社も増えてきた。
1990年代になってバブルが弾け,拡印刷やソフト化・サービス化の位置付けは印刷会社にとって柱である印刷ビジネスに非価格競争をつけて棲み分けるため,という考え方になった。しかし昨今は馴染みの得意先であっても非価格競争力は通用しないほど印刷業界を支える基盤は変わってしまった。
日本の社会の変化や技術の普遍化の必然として印刷産業の業態は変化するものである。今は先が見えないように感じても,将来から今を見たならば,今もまた一貫した大きな時代の流れの中にあるのだろう。それは誰かが教えてくれるものではなく,各人がそれぞれ論理的に仮説を立てて,自分で実行して検証し,修正を加えてさらに進む中で歴史が明らかにする。
まずは,自分の頭の中にある「20世紀」から脱却し,目前の障害の遥か向こうに,今後の必然的な姿を直観できるようにならなければならない。JAGAT技術フォーラムでは我々の想像力のトレーニングとして,またグラフィックアーツ業界のビジョンを考えるために,「2050年の印刷を考える」ワーキンググループを作り,研究会活動を行った。この提言を元に印刷産業界の中でさらなる議論が広まることを願っている。
■プロジェクト報告書目次(2001年2月〜12月活動) ■2002年度活動はこちら
「2050年に紙はどうなる?」2050年シリーズ第1弾(2001年7月25日開催)
「2050年に印刷はどうなる?」2050年シリーズ第2弾(2001年9月18日開催)
PAGE2002基調講演「印刷への挑戦」
2050年シリーズ第3弾(2002年2月6日開催)
シンポジウム「2050年に紙はどうなる?」より
シンポジウム
2001年9月18日開催
開催要領
【報告記事】
50年後は紙の媒介がなくなる?
(出典:TechnoFocus 2001.10.22号)
意外に本質がわからない紙媒体を攻めるのは難しい
【関連記事】
ITの失速でメディアのシフトは小休止?
未来は今のため,今は未来のため
(出典:TechnoFocus 2001.9.3号)
印刷物を介したコミュニケーションはいつまで続く?
印刷技術は出尽くしたか?どこに向かう,将来の印刷
トレンドは顧客のコミュニケーション支援だが…
2001年7月25日開催
開催要領
現在,紙の消費料がアメリカ,中国に次いで世界第3位の日本では,紙の使いすぎ,ゴミ問題が懸念され,リサイクルが注目されている。世界に目を向けると,人口の多い中国やインドなどの国々では,今後右肩上がりに紙の消費量が増えてくることは確実だ。
紙の将来については,オンライン化によりペーパーレス社会になると言われ続けてきた。今再び,eBookが紙の本にとって変わる動きや,電子ペーパーなど紙と競合する媒体の登場により,リアリティをもってペーパーレスが語られることが多くなってきた。
今後さらに,電子デバイスは家庭や教育現場にも広がっていき,携帯電話がそうであるようにオフィスから家庭へ,そして移動中も常に手元にあるものとして位置付けられるようになるだろう。手帳を持ち歩くように,だれもが電子デバイスを持ち歩いて,それで十分な情報が得られる時代はすぐそこに来ているのかもしれない。
そうなったとき,紙はなくなってしまうのか,マイナーな存在になってしまうのか。それとも,今と同じように需要があるのだろうか。
一方,40%を超える書籍返品率という深刻な問題を抱える本の流通,新古書店やマンガ喫茶の登場などで悲観視されている出版界…。紙や出版の問題は,今,ターニングポイントにあるといえる。
今日の文明・文化を支えてきた紙,出版物の役割はどのように変化を遂げていくのだろう。おそらく,5年,10年と年月を経て,紙と電子デバイスの役割は紆余曲折をしていくと思われる。目の前のことだけを見るのではなく,遠い将来を見つめて今後をどう乗りきるか,考える機会を持ちたい。
そこで,今回のシンポジウムを開催することとなった。みなさんのビジネスや生活の上で,紙の役割を考えるきっかけにしていただきたい。
【報告記事】
紙の将来 プラマイゼロか、若干マイナス?
当面は穏やかで10年後大変化がくる紙媒体?
【各氏の講演より】
「リサイクル素材としての紙の将来の展望」(東京農工大学助教授・岡山隆之氏)
「再び紙に出会う」(グラフィックデザイナー・原研哉氏)(出典:TechnoFocus 2001.8.6号)
「紙メディアをめぐる問題」(日本製紙・種田秀孝氏)
電子メディアとともに紙は進化する(第一部パネルディスカッション「環境・社会・文化の視点から」)
紙の文化・産業のピークは10年後?(「2050年紙はどうなる?−印刷の立場から−」大日本印刷・北山拓夫氏)
出版ビジネスにおける「紙」(新潮社・村瀬拓男氏)
50年後,紙の新聞は残っているのか(「2050年に紙はどうなる?−新聞メディアの場合」共同通信社・北嶋孝氏)
情報用紙の未来は電子機器とともに…(「2050年に紙はどうなる?−情報用紙」王子製紙・林 滋雄氏)
【関連記事】
紙の消費は善か悪か
それでもあえて,紙を使う? (TechnoFocus 2001.7.9号より)
21世紀に、印刷を問う
【豆知識】
紙の豆知識(日本製紙サイトより)
紙のエトセトラ(王子製紙サイトより)
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