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サポートできるか自治体広報のデジタル化
〜すさまじい勢いで導入される地方自治体のDTPシステム〜

この8月に日本広報協会から広報別冊として「E-support」という季刊誌が発刊された。官公庁・自治体のIT化、DTP化をサポートしながら推進をするための雑誌である。ワープロからやっとパソコンに変わった自治体も多く、急速なデジタル化、ネットワーク化(Web)で現場の担当者は、大変なプレシャーだという。デジタル化では一歩早苦労を重ねた民間の印刷業がそのノウハウをいかにビジネス化していくか、大きなチャンスではないだろうか。


約3200の自治体広報の支援、指導を行っている日本広報協会の最新の調査によると、自治体としてDTPシステムを導入したところは、790団体で全体の25%に達している。平成12年の603団体からみると1年間に187団体(31%増)が導入しており、驚くべき数字である。今年の平成14年度の推測(予算化されたところ)を見ると951団体、150を越える団体の導入が予定されている(半年が過ぎた今ではすでに導入されているところも多いであろう)。これは調査を始めた平成8年の79団体からみると12倍増となる。今後はさらに加速されそうだと言う。その大きな要因は、やはり「e-Japan構想」による電子政府、電子行政、電子自治体への動きであろう。同協会発行のE-supportでも「DTP導入の当初は、パソコンを使った新しい編集方法で制作したい、という担当者自身の意向が強かった」が最近は「財政面からのコスト削減」や「業務自体のデジタル化」といった動機に変わったという。

総体的な動向は、前述のとおりであるが、都道府県単位での進捗状況は、地域や自治体によってかなりの温度差があることがわかる(表)。DTP導入率が最も高いのが東京都の69%。50%を越える自治体は他にない。静岡県(49%)、大阪府(48%)、山口県(46%)、北海道(44%)が比較的高い。一方、神奈川県(19%)、千葉県(25%)、埼玉県(26%)、兵庫県(24%)、広島県(14%)といった大都市圏、都市型県の割には、導入率は思ったほど高くはない。10%以下の一桁県が石川県(5%)、徳島県(8%)、香川県(9%)、沖縄県(9%)の4県である。

これだけ地域・自治体によって差があるのはどうしてだろうか。首長の方針、あるいは財政面、施設整備や合併問題などさまざまな自治体事情があることはいたしかたないことだが、事情の中で、意外に大きな要因がサポート体制の有無ではないかと同協会担当者は分析している。機器導入は、メーカー、ディーラのリードのもと構築ができても、日々の運用(コンピュータ基本スキルの習得、アプリのスキルアップ教育、トラブル解決、製版・印刷知識、印刷会社との連携、・・・・云々)となると、メーカー、ディーラよりは、それをビジネスとして受け入れる印刷会社の協力なしには成功しないと断言する。協力体制のうまく取れない地域・自治体はやはりDTPの導入が遅れ気味であるという。

3200すべての団体でDTPシステムが導入されるかどうかは分からないが、これからの情報公開やオンラインサービスなどを考えると広報部門だけの問題ではなく、すべての部門で簡単なデザインや編集処理が増えるとともに、従来は外注していた印刷物やデータが印刷会社を経ないで庁舎内で完成させる機会が多くなることは明らかである。これは時代の流れであり逆戻りはありえない。

ところが同協会の担当者は「自治体のDTP導入は印刷会社の大きなビジネスチャンスではないか」という。それは前述したように、ここ数年の広報のDTP化でみれば、単独での導入・運用は無理で、定着までのパートナーが絶対に必要であるという。とくに市町村レベルでデジタルそのものに不慣れなところには強力なサポートが必要である。その最も身近なサポータが印刷会社ではないかという。

かつてのDTP化、デジタル化の試行錯誤がノウハウとして活かせないだろうか。DTPの先には、現在は紙の広報とWebの広報が分かれている自治体が多いが、今後は一緒になるだろうといわれている。またデータベースへのデータ入力や維持、更新などデジタルを支える日々の業務は、増えても減ることはない。印刷形体の出力は減っても情報開示、発信のための作業(XML、PDF)は新たなサービス形体を生むであろう。

当然ビジネスチャンスの前提はデジタル化対応を正面から受け留めることができる印刷会社でなければ門戸は開かれない。技術条件の変更や第三者機関の認証など従来とは違った入札条件が加わることもすでに起こっており、企業として情報(個人情報も含め)を扱うにふさわしい企業であるかどうかが総合的に問われる時代である。

内制化のレベルは問わなくてもこれだけ多く自治体がDTPシステムを導入をしつつある現状を見ると、印刷会社との受発注環境は急速に変わり始めることが予測される。官公庁・自治体をクライアントにもつ印刷会社も多く、デジタル化、DTP化の受け入れ体制(営業、企画デザイン、出力)を早めに考慮しておく必要があろう

すでにデジタル化、DTP化対応では十分なノウハウを蓄積している印刷会社であっても、その動向をしっかり押さえる必要がある。例えば、導入されるパソコンのOSといえば長い間、MacintoshがWindowsを大きく上回っていたが、平成13年にMacintosh 411団体対してWindows導入団体が366と差を縮め、平成14年ではWindowsがついに逆転をしたようだ。また、組半ソフトの定番であるQuarkXPressの伸びよりもEDICOLORや InDesignなどの伸びが大きいなど、印刷会社の環境とは必ずしも一致しない。また、データベースや各種申請のオンライン化などデジタルによって業務が大きく変わるものは多い。携帯電話での情報サービスを始めるところも出始めている。

広報誌の遅延や休刊は許されるはずはなく、業務継続の中でDTP化移行を実現しなければならない。どこの自治体でも地元企業優先の考えがあるが、DTPを上手く立ち上げ制作のスキルもワークフローもまったく新しい流の中で行うには、安心してゆだねられるサポーターがどうしても必要であり、それに見合う印刷会社を選択せざるを得ない。

末端のすべての広報担当者の意識がデジタル化の方向を向いているわけではないし、旧来からの資産を当面はできるだけ活用していきたいというところもあろう。ただ多かれ少なかれ、自治体全体のデジタル化は止めようがなく、かなりのスピードで進むであろう。窓口担当者がどういう対応であろうが、大きな流れをよく掴んだうえで、提案や相談にのる必要があろう。

【関連事業】
JAGATでは、クライアントの動きを探るため、毎年2〜3回「クライアント動向シリーズ」を実施しています。10月23日(水) 14:00〜17:00に「サポートできるか自治体広報のデジタル化 〜すさまじい勢いで導入されるDTPシステム〜 」セミナーを予定しております。3200の自治体での動きや実例などをお話していただきます。営業幹部、経営者の方には必見のセミナーです。詳しくは、ホームページ、またはマーケティング部までお問い合わせ下さい。

 

 



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