モバイルクロスメディアマーケティング

ビートレンド株式会社 代表取締役社長 井上 英昭 氏

これまでは,ネットショッピングの会社はネットだけで完結した。バナー広告からの誘導が優勢だったが,クロスメディアの方向に変わってきている。
携帯とのクロスメディアという意味では,QRコードは認知率が83%に達している。一番上が全体で,上のほうが男性で年代別,下のほうが女性で年代別となっている。男性のほうが知っている人が多い。以前は空メールで申込み,返信メールがきて,メールに表示されたURLをクリックすると,サイトにたどり着いた。QRコードの認知率が83%ということは,世の中の人はQRコードをカメラで撮ればサイトにアクセスできるということを知っているわけである。
買いかえサイクルが3キャリアは平均で1年半から2年ということなので,1年後には8割ぐらいはみんな持っているという状態になると思う。「利用したことがある」という人がまたその半分ぐらいなのだが,利用した人は必ずこれは便利だと思っている。思っているというものは,日本のこの狭い国内市場では知っている人の数が増えてくるので,90%の人が便利だと思っているということは,8割の保有率になった状態のときにはみんなが当たり前にやるようになると見ていいのではないかと思う。

マメライズコード

ビートレンドでは,「マメライズコード」というものを出した。QRコードの現状問題を全部解決するようなもので,第1のポイントはサイズである。これまでのQRコードはサイズを小さくできなかった。読み取れるか,紙質は大丈夫かなど,問題が出る。ビートレンドでは全部違う機種として380何台を保有しており,検証済みのコードに保証をつけて1万円という安い価格で提供している。7.5ミリ×7.5ミリを最新版では6.5ミリ×6.5ミリまで小さくできるようになった。
QRコードでサイトに接続すると,どこの媒体からどのぐらい見に来ているのかが分からないのだが,マメライズコードを使えば可能になる。図1の2番で,いったんビートレンドのデータセンターにアクセスログがとられて,サイトに飛んでいくという仕組みにしている(図1)。同時に不正アクセス防止もできるようになる。例えばQRコードで読んだときに,サイトに1回,ダミーサイトのようなページが出る。パスワードを打ち込んでサイトに接続する。紙にURLをそのまま載せたとき,One to Oneのクロスメディアでは見てほしい人だけに見てほしいというケースも出てくると思うのだが,見てほしくない人からのアクセスは全部はじくということがマメライズコードではできるようになった。
さらに今後ショッピングができるQRコードがたくさん出てくると思う。カタログ雑誌なども代表URLがQRコードになって,結局ネット上でもメディアをつくり,ディレクトリーでジャンル別に掘り下げていって商品にたどり着いて決済をするという流れである。マメライズコードによりサイズが小さくなったことで,商品ごとにつけていくと,商品決済ページにダイレクトに飛んでいき,より衝動買いをあおり立てやすくできるということもあると思う。
またモールに行かなくても,いろいろなところをモールにできるということにもなる。店舗を持っていれば,店舗のテーブルの上をショッピングサイトにすることもできる。あるいはお土産物屋で売っている焼酎などにお買い物用のQRコードを印刷したり,印刷物を折り込んでパッケージングしたりしておけば,お土産をもらった人が自分で携帯サイトから同じお店で買うことができる。しかし,携帯電話によるショッピングは86.1%の人がまだ利用したことがないという統計がある。

モバイルECの今後の期待

1997年は,通販が出てきてしばらくたち,無店舗販売ということで楽天がインターネットでのショッピングを考えた。当時インターネットで物を買うわけがないと言われていた。爆発させた要因のひとつは,料金の定額制と回線スピードのアップだった。
この状況は携帯電話でのショッピングに似ていると思っており,携帯で物を買ったことのない人が9割いるという状態の中で,カラーでない,スピードが遅い,パケット代が高いという3つが解消されようとしている。状況としては1997年と同じである。

PAGE2005クロスメディアトラックC5「クロスメディアプロモーション戦略」より(文責編集)

会報「VEHICLE」2005年月3月号 Vol.16 No.12通巻号
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