フレックスタイムは有効か

第24回テーマ(2001年3月号)

現在本格的にはやっていません。しかし,将来に向けてデザイナーでテスト的に実行していきます。
導入していない理由は,実効性が期待できない,採用部門と他部門間の調整が不安だからです。
導入によって,業務の効率化が図れたらと思います。
問題となるのは,労働時間管理の手続きが煩雑,各社員の時間管理(時間のけじめ)です。

(東京・サトー 伊藤昭博)


フレックスタイムを採用するのはいいが,背景にある労働時間に対する考え方をはっきりさせないとダメ!
経営コンサルタントをしているが,一時は財界団体に勤務していた。基本的に定時があったが,定時の前の2時間は非常に静かで,朝早く出勤し,資料の検討などはもっぱら電話などのない早朝に行った。いわゆるビジネスアワーは電話や問い合わせが多く,込み入った資料を読むには適さない。名ばかりではあったが,主任研究員である。内外の経済問題についての資料を研究できないまでも,目を通していた。しかし,上司は定時の9時半ジャストに出勤してくる。日中は,くわえタバコで長電話を好み,悠長に郵便物に目を通す。1mも離れていないので,電話の声がうるさく,タバコの煙も鬱陶しかった。はっきりいってルーチン業務の少ない団体で急ぎの仕事はほとんどない。結局,夜はさっさと帰り,自宅で本を読むことにした。ところが,残業代も払わないのに,早く帰るので勤務意欲を疑うと上司は言い出してきた。なぜかタイムレコーダーはあったのだ。
こんな話に共鳴する人は少なくないのではなかろうか。フレックスは確かに耳障りがよい言葉だが,日本では何となく遅くまで会社に滞在している人を真面目だと評価し,仕事の成果なり,むしろ必要な自己啓発活動を阻害している。40歳近くなって思うが,若い頃,もっと英語をやっておけば,資料を読むにもメール交換するにも楽だろうと思う。仕事で読む資料の大半は英語なので,だんだん読めるようになるが,社会人をやっていると,職場における気働き,気配りには長けてくるが,長時間気遣いする毎日で,疲れてしまい,ビール飲んで寝て終わり,家では横になってテレビでも観るという生活になってしまう。そんな毎日を送るうちに,英語力も錆びつき,最新事情にも疎くなる。専門知識も高まらない。
最近は女性に優秀な人が多い。企画系業務で顕著だ。この一因は,女性はこの辺の啓発にバランスよく取り組めているからではないだろうか。
上司に取り入り,付き合い残業を送る日々,一緒に帰り,話弾んでそのまま酒場へ吸い込まれていく。そんな日々の先には,ポータブルなスキル資産もなければ,付加価値の高い仕事もなし得ない。最近多い万が一の際は,一緒に上司・同僚と悲嘆の酒盛りをするだけに終わってしまう。
(大阪・永井隆雄)


営業,企画部門に導入。創造性・柔軟な発想の促進,自主制・労働意欲の向上,業務の効率化を期待してのこと。
顧客サービスの低下・対外的問題(外部からの問い合わせ時不在など)と,社員間のコミュニケーションが問題である。
(浜松・杉山印刷 大高社長)


現在進行中(実施中)。内容は,工程の過程で朝一番に出てきたほうが良い部門は早めに,そして遅く出てきたほうが良い部門(どうしても後工程部分=印刷,製本部門)は30分遅れで始業,終業を実施している。
導入効果は,残業減少・時短これにつきる!!!! 業務の効率化も。
会議などの開催に若干問題が生じるが,月1回程度だから目をつぶる。
(祥文社印刷 古賀社長)


フレックスタイム制度を語る前に,労働制度と給与制度の連動,職能の評価制度について,もっと改善する必要がある。個人個人に,目標や,数字を期待値として明確にしていないと,名ばかりのフレックスになることは明らかです。また,期待値に答えた場合に,見返りがどれだけあるかも明確にしておかなければなりません。終身雇用や,年功序列の賃金制度の名残りがまだまだ残っているうちは,かなりのリスクがあると考えるべきです。
導入に際しては,さまざまな問題が考えられます。フレックスより,当社に関してはSOHOのほうが,受け入れやすいと感じています。
(福岡・福博印刷 原健三)


現在,当社ではフレックス勤務制度は導入していないが,改訂を進めている人事賃金制度見直しの一環で,検討の俎上にのせる予定である。
過去に,同制度を実施していた企業に所属していた経験からの判断では,適用対象部門・対象者を精査し,成果の判断基準を明確化できるならば,労働時間効率の改善,従業員の自律的な労働意欲を促す点で有用な制度と思う。
ただし,反面,管理監督者の管理手法の転換が必須となり,社員間・お客様との連絡上の支障が生じがちになるという,解決すべき課題を伴うことも事実であり,適用対象の選択については十分な検討を要する。
同制度が有効に機能するか否かは,対象者の業務がかなりの程度自己完結性をもっていること,また,特にお客様との関係でフォロー体制ができていることにかかっている。別な視点からいえば,業務フローおよびこれからの管理監督者のあり方を見直す契機という意味で,社内議論を起こしていく価値があるとも考えている。
(東京・JTB印刷 竹浪 譲)


フレックスタイムは有効な人と,あまり意味がない人がいる。わが社では営業に企画の能力をつけることが課題であったので,時間管理を厳密に必要としない営業をフレックスにした。
目的ははっきりしていて,営業がそれぞれの担当得意先をよく分析して,また同僚や同業者が提供しているサービスをよく調べて,自分で気の効いたことが提案できるようになってほしいからである。
こういうことは自分で納得がいくまでつきつめないと中途半端なものに終わる。ほっておいてもそうする人もいるが,職場全体の雰囲気として底上げしたいので,その支援的な意味で制度化した。
これで,だらだら残業というのはないのだが,成果が出るかどうかは人それぞれで,別の面での工夫をしないとフレックス化の意味もわからなくなってしまう。
(匿名希望)


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