クロスメディアエキスパートへの道 part1

掲載日:2013年8月16日
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クロスメディアエキスパート認証試験の受験に向け、その攻略手段を考える。

クロスメディアエキスパート認証の条件

クロスメディアエキスパート認証試験は、マークシートによる択一式の第1部試験と、記述による第2部試験で、共に70%以上の正答率を求められる。第1部試験では、150問のうち105問以上の正答数が必要であることを指す。
第1部試験の合格基準を満たすためには、クロスメディアエキスパート認証試験カリ キュラムに記載されている、コミュニケーション概論、経営概論、情報技術概論の3つのカテゴリーに掲載されているキーワードについて、基本的な内容を理解しているか否かにかかっている。さらに、新聞や雑誌、インターネットにより、最新の技術動向や情報システムを活用したサービス内容等を把握することが合格基準を越える鍵となる。

第2部試験は、第1部試験の合格が前提条件となるが、合格基準である70点以上の点を獲得するために、与件を効率よく分析し、迅速かつ正確に5つの設問の解答をし、さらに提案書を作成する能力が求められる。
与えられる時間は、わずか120分である。時間内に、解答用紙を埋めていかなければならない。普通に解答をすすめるには、与件を読み、設問を読み、第1 問から順番に解答しいく。しかしながら、これでは効率が悪い。以下のような手順に従えば、制限時間を有効に活用することができる。

1.解答用紙を確認する

試験が開始されたら、はじめに答案用紙を見て、答案の分量がどの程度であるかを確認する。特に解答欄のスペースにより必要とされる総文字数を概算し、120分をどのように使うか検討する。
具体的な時間の使い方(タイムマネジメント)については後述する。

2.設問を読む

時間配分が決まったら、設問に目を移し、出題者がどのような内容をポイントとしているかを考える。解答欄のスペースを見れば、どの問題が重要なのかも同時に確認が出来る。
解答スペースの大きい設問は、題意を取り違えると得点が狙い辛くなるので、正確に把握しなければならない。

3.設問構造を分析する

続いて、設問構造を分析する。「第1問は与件企業の現状分析の問題だ」、「第2問は第1問解答の課題解決の問題だ」、「第3問は第2問解答の課題解決を提案概要を記述する問題だ」と見極めを行う。これによって、設問ごとの解答の重複を未然に防止できる。

4.与件を読む

設問構造分析の結果を頭にインプットした上で、与件を読む。与件のどこが重要か、ある程度、判断しながら、読み進めることができる。あまり設問とは関係な いところは速読し、設問に関係する重要な個所は精読するといった強弱をつけた読み方を心がける。これにより、頭から与件のすべての個所を精読する習慣をなくすことから、時間的に優位に解答がすすめられる。

与件を読み進める際には、与件企業の強み・弱み・機会・脅威に着目する。SWOT分析である。
試験会場にはマーカーの持ち込みが許可されている。与件を色分けしながら読んでいくと、後で判断がつきやすくなる。マーカーの色分け作業を煩雑に感じる場合は、鉛筆で与件に破線や点線、二重線、太線等を引いて区別しても構わない。自分にあう方法を選択することをすすめる。

5.与件を分析する

与件を読み終えたら、与件企業の経営 状況を簡単に分析する。
色分けしたSWOT分析の各情報をもとに①与件企業の経営上の問題点を集約し、これをもとに②与件企業の経営課題を抽出する。
経営課題を克服することにより実現する、与件企業の将来のドメインについての仮説を立て、これを設問攻略のための根拠として備える。

6.解答を書く

原則として下書きの時間はない。いきなり、解答用紙に答えを書かなくてはならない。慎重さと大胆さのバランス感覚が要求されるが、頼みの綱は、前述した設問構造の分析結果である。設問で与えられた解答スペースを完全に埋めるのは難しいものがあるが、トレーニングを積めば必ず対応できるようになる。
さらに各設問で解答していく内容が、「経営戦略レベル」や、「マーケティング戦略レベル」なのか、単に「プロモーション戦術」なのか、バランスを考えて解答をすすめることで、内容に一貫性のある解答となっていく。

7.時間管理(タイムマネジメントの方法)

答案の作成には、120分間という制限時間の中で行われる。希少な時間資源をどのように配分する時間管理(タイムマネジメント)は合否を分ける重要なテクニックである。

8.重要な設問には時間をかける

分析が終われば、原則として第1問から答えていけばよい。設問構造が頭に入っているので、解答の重複といった心配がない。ただし、各設問にかける時間には緩急をつけたい。
特に設問 1~2は、提案書を作成する上で重要なポイントとなる設問であることから、ある程度時間をかけていただきたい。得点源となる設問4にかける時間が最も重要であることはいうまでもないが、設問の関連性を捉えつつ時間配分を考慮することを心がけていただきたい。

公益社団法人 日本印刷技術協会
教育コンサルティング部
チーフコンサルタント
小林 祐一

 

※本ページの内容は掲載当時のものです。

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