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第4回アジア印刷技術情報フォーラム
情報交流会/1999年
韓国レポート(要約)

韓国印刷産業のデジタル環境と
新技術導入による生産性の向上

2000年2月14日


大韓印刷情報産業協同組合連合会
会長 / 金 直 勝 氏

印刷分野におけるPDF / 印刷のために応用できるPDFの特徴
どの分野に応用できるか / 印刷のマルチメディア戦略
経営者の教育が重要

コンピュータ化によって競争力を付けるか,コストを下げるか厳しい状況である. IMF体制下で新技術導入が必ずしも上手くいっていない. しかし, 技術革新への対応, 経営者の教育, 人材育成は欠かせない.
21世紀目前の印刷技術としてはカラースキャナ, デジタルカメラ, イメージセッター, CTP(コンピュータ to プレートまたはプレス)などがある. これらのポイントは従来のアナログ工程がデジタル工程に変わったという意味ではなく, 印刷製作の材料がデジタル化したことである. 色校正がデジタル校正になったのはその良い例. アメリカのデジタル化に結びつけて印刷での例を上げるとデータフォマットの標準化, CMS技術の習得, コミュニケーション, CTP技術などである. 色管理には2種類が利用されている. その一つがRGBからCMYKへ, もう一つがCMYKからC'MY'K'へ. データフォーマットの変換についてはTIFF/ITとPostScriptの2つである. PDFに付いては次世代の新しいデータフォーマットとして開発された.

印刷分野におけるPDF

PDFとはPortable Document Formatのこと. Adobe社が開発した新しいタイプのデータフォーマットで,電子メッセージとしても印刷としても利用できる. アメリカや日本の行政機関や民間企業ですでに利用されている.
Acrobat ReaderによってPDFファイルを閲覧したり, 印刷したりできる. Acrobat Exchange (注・Acrobat3.0での名称)で編集, DistillerによってデータをPSファイルを経由してPDFに変換する. 作られたイメージをそのままイメージセッタやCTPへ出力することができる. また, Windows(95)であってもMacintoshであってもAcrobat Readerを使ってモニター上で閲覧できる.

印刷のために応用できるPDFの特徴

電子ドキュメントの配布には様々な問題があった. たとえば, ある一定のアプリケーションで作られたものは他でも同じタイプのものが求められた. また, E-mailやHTMLではレイアウト表現に多くの制約がある.

電子ドキュメントの配布には以下のような条件が求められる.

1) ファイルフォーマットがシンプルであること.
2) ファイルサイズはできるだけ小さく,ネットワーク, インターネットに対応すること.
3) ファイルはオープンに読み込むことができ,タイプの違いを問題にしない.
4) 複雑なレイアウトを表現でき,編集された文書を配布できること.

電子ドキュメントを配布には重要な条件がある. PDFは正規のドキュメントと同じものであり, それをオリジナルサイズの10分の1〜40分の1に圧縮して送ることができる. Acrobat Readerを使ってPDFファイルを見たり印刷したりでき, Acrobat DistillerでPSファイルを通してシンプルなPDFファイルに変換できる. 印刷分野ではDTPのPDFファイルを利用することで, 修正のないドキュメントを配布することができる. かねてから印刷業は電子情報産業へシフトしなければと考えていたが, PDFがそれを実現してくれる. 図はPostScript言語で作成されたDTPデータをPDFに変換した後に, 電子配布するネットワークを図解したもの. PDFでLANを通して社内に配布し, 印刷できるだけでなく, インターネットで遠隔地へ送ることもできる. 送られてきたPDFデータをモニター上に表示したり, Acrobat Readerでプリントアウトしたりできる.

PDFファイルの配布図

どの分野に応用できるか?

印刷分野におけるPDFの適用が増えている. 韓国ではまだ限られた市場であるが, 日本ではいろいろな例がある. NTTプリンティングもオンラインマガジンをPDFで配布. とくにマニュアルなどはコンピュータ化されており, PDFファイルをCD-ROMに焼き付けけ, ユーザーに配布するケースが増えている. 読売新聞社と大日本印刷が共同でアトランタ五輪での記事をPDFファイルに変換してインターネットのホームページ転送. 印刷にとってPDFの導入はデジタル化, マルチメディア化のよい機会であるが,「新技術の導入」を怠るとチャンスが活かせない. さらにこれまではコストの関係で少量の印刷物を生産できなかったが, PDFファイルを活用して低コストの印刷ができるようになった.
ドキュメントのデジタル化, 配布, イラスト&写真をネットワークで配布し, 編集やレイアウトの時と同楊の材料を保持できるので, PDFの利用はさらに広まるであろう.

印刷のマルチメディア戦略

マルチメディアは遠い将来のことだと思っていたが急速に身近なものとなった. 印刷業界は比較的早くから原稿のインプット, 加工, 編集を含むアウトプットのためにコンピュータを利用した. DTPは高度なコンピュータ技術を搭載したものだが, 印刷分野に限られ他の分野とは関係なかった. かつては印刷の制作で高い材料経費も受け入れられた. しかし80年代に入って, 高度に発達したコンピュータ技術とワープロとDTPシステムになって電子編集, レイアウトが普及.とくにマルチメディアは印刷業の生き残りを決定づけるキーワード. 印刷界はDTPによってコンピュータ化そのものより, 紙以外の新しいメディアからの挑戦を受けている. いままでのノウハウとコンピュータの力で印刷を変えることができる. 先進国において印刷会社はマルチメディアの窓口となっている. 印刷業界の将来を情報処理産業へと発展させるには, PDFファイルの効果的な利用がきわめて重要である.

経営者の教育が重要

高い質の人材を確保すると教育の重要性が低下する. 育てるには教育が必要だが, 特にコンピュータ関係はベースの知識をもった人を入れることで, 教育は個人が自己研鑚として行うことが基本になる. 教育を強制したり, 教育に投資をするよりも, 資質のある人を採用するほうが得策である.
一般に教育は従業員のためにあると思われているが, 今日の印刷界で教育が必要なのはトップマネージメント(経営者)である. なぜなら会社の運命はトップマネージメントで決まるからである. 経営者が優秀であれば企業も優秀である.トップは会社創業時の熱意と努力で発展させなければならない. しかし,トップの教育をするところは少ない. また教育を強制する人もいない. 一方従業員教育は, 各企業毎に別の教育が必要で, 企業の数だけ教育がある. 各企業は目的にあった教育をさせなければならない.
そこで印刷業が情報産業は移行するためには何が必要かを考えることが, 教育を考えることになると思う.

  1. 印刷材料保管の時代からデータベースへというトレンドに対応できる技術を持っているか?
  2. DTPで作られたドキュメントを単に印刷するだけでなく, CD-ROMやインターネットでのオンライン印刷ができるだけの技術をもっているか?
  3. マルチメディアのコンセプトを理解して,マルチメディアの情報や技術を利用する努力をしているか?
  4. 会社が必要としている新技術を導入する準備ができているか?
  5. コンピュータに関心がなかったり,コンピュータを使わない人は情報産業には不向きである.この点で効率的な従業員教育のプログラムが準備されているか?
  6. 経営者の企業家精神や創業精神を維持しているか?
  7. 経営者は重要な意思決定を迫られることが多いが,意思決定が早すぎたり,遅すぎたりしていないか?
今, 印刷業は大きく変化している. その中で大切なことはデジタル化と経営者の教育である. 私達もその変化を表すため, 大韓印刷工業協同組合連合会から大韓印刷情報産業協同組合連合会に変更した. これによって印刷業が目指しているものは情報産業であることを表明している.


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