『顧客のDTP内制化とサポートの実際』

1999年4月19日


 以下は,新聞,定期刊行物の内制化,DTPシステムへの移行に関する,全国保険医団体連合会・久留島郷平氏(発注サイド)と東海共同印刷・浅井豊彦氏(受注サイド)の対談内容を要約したものである。
(詳細はプリンターズサークル3月号を参照)

● コンペで発注先を決めたポイント

 組版上の理由から,レイアウトソフトにEDICOLORを採用し,入稿に通信を使用して通信体制の構築を進めることを提案したこと。発注サイドはEDICOLORに消極的だったが,結果的にはその採用が成功要因となった。

●デジタルパブリッシングの中で考える

 発注サイドはコンペの際に,各社へDTPを従来の制作体制の延長線上で考えるのではなく,デジタルプロセッシングのプロセスで欲しいと望んだ。これまで作ってきたLAN環境,イントラネット環境を積極的に活用する提案を期待したが,コンペで採用されなかった各社は,そのような発想がなく,自社に都合がよい専用システムを提案してきたり,ピントが外れていた。

●営業が決定的な役割を果たした

 システム構築の仲介に入った営業が,発注サイドと受注サイドのつなぎを切り盛りして,システムを構築するディレクターに対してプロデューサーの役割を決定的に務めてくれた。顧客がDTPを導入すれば,その負荷は上がるので,そのことを営業が理解している必要がある。

●品質維持と編集担当に負荷をかけないシステムを提案

 受注サイドから提案したポイントは「組版品質を落とさないこと」と「編集者になるべく負担をかけないこと,最大限の軽減を図れるシステムの構築」だった。

●システム環境が構築されてトラブルの発生なし

通常いちばん問題になるのはフォントだが,アプリケーション上で使用するフォントの制限ができるので,違ったフォントを使用することはあり得ず,また発注サイドで作成した環境なので,ほとんどトラブルは生じなかった。。

●発注サイドのメリット

 発注サイドでは,95年以来社内LANを導入して,業務そのものがLANで動いている。この中にDTPを組み込むことで,目に見えないメリットがある。

●受注サイドのメリット

 印刷会社とすれば,得意先が内制化すれば目先の売上が落ちること,あるいは納期が短くなることがデメリットだろうう。メリットとしては,発注先から情報発信のパートナーとして認められ,発注サイドからこれまでの印刷会社にない発想を求められ,これに応えることで知識やノウハウを蓄積して成長できることが挙げられる。それとデータベースを構築すれば,1〜2年は発注サイドが受注した印刷会社から離れられなくなるうまみもある。

●印刷業ほど他社情報を知り得る立場はない

 印刷営業はその活動を通して,様々な情報を知り得る立場にある。顧客をネットワークと考えると,発想も変わってくるだろう。

(プリンターズサークル 1999年3月号特集より要約)

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