第12期DTPエキスパート認証試験は8月22日に行われます。本コーナーでは試験に向けての対策講座として,DTPエキスパート 岸本正治氏に問題を解くうえでのポイントなどを解説していただきます。試験勉強の参考にご活用ください。
問1 インキと色
次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
2色以上のインキを刷り重ねて色を出すことを掛け合わせという。一般にカラー印刷におけるプロセスインキ4色の掛け合わせでは,例えば[Y30+M80]のように各色の[1.(1)インキの顔料 (2)濃度 (3)網パーセント (4)CIExyz値]を指定する。
従来の製版では文字や線画や地色などの色指定に対して,製版工程で平網(ひらあみ)を切って貼り込んでいた。平網とは[2.(1)網点印刷物 (2)ガラス上の格子縞 (3)均一な網点のあるフィルム (4)濃淡を持つフィルム]で,平網をかけることを網伏せと呼んだ。平網は一般に[3.(1)1% (2)5% (3)7% (4)10%]単位で用意され,その組み合わせを色見本として印刷していた。手作業による平網の貼り込みでは[4.(1)この組み合わせの色しか出せない (2)レタッチによって色を変えていた]。しかし,イメージセッタから直接分色フィルムを出力する際には,[5.(1)任意の網パーセントの指定ができる (2)従来と同じ単位の平網のみ使える]。
製版の網が印刷される時にはドットゲインが起こる。その結果,各インキメーカーの色見本の印刷物に示されている網の掛け合わせの値は,実際に印刷される網点サイズ[6.(1)より小さい (2)と同じ (3)より大きい]ので,色見本どおりにはならない。しかし,網の掛け合わせの色見本の添付がない場合は,[7.(1)画面のRGB指定で色が合う (2)印刷した時の発色の目安が存在しない]。
プロセスカラーの掛け合わせによる色表現には限界があるので,より鮮やかな色や正確な発色を求める場合は,「特色」や「補色」の版を作って印刷する。印刷分野でいう特色は[8.(1)特別にインキを調合して作る (2)プロセスインキを薄める]。用途は標準の4色にさらに色を加える場合,特定の色が必要な場合,あるいは3色以下の印刷などがある。
また印刷での補色は,[9.(1)プロセスカラーにはない色 (2)標準プロセスカラーの色調を補う色]の意味があり,色彩理論でいう補色とは違う。一般にプロセスインキの濃度を落として使う。
【出題の分析】
DTPにおいても,網点でフィルムを出力し,そこから刷版を作って印刷することには変わりない。つまり,DTPは従来の製版を,デスクトップ上のコンピュータを使って制作する工程であると理解できる。この辺りの理解が不十分だと,意味のない色指定をアプリケーション上でしてしまい,現場を混乱させることにもなりかねない。
【解法のポイント】
平網が重なった掛け合わせについては,カラーチャートを見ることで,掛け合わせ色を想定することができる。さらに実際にルーペで網点をのぞく習慣が理解の助けになり,実務的にも必要なことである。
【問題解説】
1〜7. インキの掛け合わせは網のパーセントで表すことになっている。これはセルの中の網点の大小のことである。従来の製版の工程においては,10%ごとの網(フィルム)があらかじめ用意されており,製版者はそれらの網から必要なパーセントのフィルムを出してきて貼り込んでいた。このため,用意されていないパーセントの網については製版できなかった。
しかし,現在のDTPにおいてはアプリケーション上で細かいパーセント指定ができる。ただし,それが印刷物に反映されるかは,また別の問題である。通常5%内の差は印刷に再現されないと考えたほうがよい。それゆえ,通常は10%単位,細かい場合でも5%ごとで制作を行う。
印刷物には常にドットゲインの問題がつきまとう。インキメーカーの色見本帳は,正しい網パーセントででき上がっている。つまり,それは既にドットゲインの補正がされたものである。この点をよく認識しておく必要がある。色見本の添付があれば,大きな目安となり,作業性は良くなる。
8.9.プロセスインキは2色,3色と混合していくと,色が濁り,鮮やかさに欠ける。そのため忠実な色を再現しなければならないものは,特別にインキを調合して色を作る。この特色のインキは,「プロセスカラー+特色」という使われ方をする場合もあるが,1色刷りや2色刷りの印刷物に使われる場合も多い。
DTPにおいて特色版はアカ版で代用したりするが,デザイン段階においてCMYKで色のシミュレーションをしておくことも,トラブルを防ぐ方法である。
通常カラー印刷に使うインキはプロセスインキといわれ,おなじみのCMYKであるが,さらにウスアカ,ウスアイというインキを加えて,カラー写真などの仕上がりを良くすることが行われている。これは標準プロセスカラーを補う意味から,補色といわれる。
【解答】
1.(3) 2.(3) 3.(4) 4.(1) 5.(1) 6.(1) 7.(2) 8.(1)9.(2)
【重要用語】
掛け合わせ,平網,ドットゲイン,プロセスインキ,特色,補色
問2 インタフェイス
次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
コンピュータの処理データ単位(8ビットなど)ごとに信号線を束ねてデータを並行送信するものを[1.(1)リニア (2)ノンリニア (3)パラレル (4)シリアル]伝送といい,一般に高速伝送に向いている。これに対し1本の信号線でデータを1ビットずつ送るものを[2.(1)リニア (2)ノンリニア (3)パラレル (4)シリアル]伝送という。
機器間を接続するためにはインタフェイスをとることが必要である。[1]インタフェイスには,最も汎用性が高い[3.(1)SCSI (2)IDE (3)セントロニクス (4)GP-IB]や,もとはプロッタなど専門的な装置に使われていた[4.(1)SCSI (2)IDE (3)セントロニクス (4)GP-IB],PC系プリンタに多い[5.(1)SCSI (2)IDE (3)セントロニクス (4)GP-IB]などがあり,[2]インタフェイスには代表的な[6.(1)RS-232C (2)RS-422 (3)SCSI (4)GP-IB],MacintoshのLocalTalkと切り替えて使える[7.(1)RS-232C (2)RS-422 (3)SCSI (4)GP-IB]などがある。Ethernetも1本の信号線のものは[8.(1)リニア (2)ノンリニア (3)パラレル (4)シリアル]にみえるが,バス接続された専用のインタフェイスにより高速に使える。
【出題の分析】
インタフェイスという言葉は,違う装置間,違うプログラム間,あるいは人間とコンピュータとの間,それらの「接点」を指す。昨今,コンピュータの進歩の一つにこのインタフェイスがある。より便利で使いやすいコンピュータ環境は,インタフェイスの出来具合にかかっているともいえる。
ここでの「インタフェイス」は,コンピュータと各種装置間のことである。
最近はIEEE1394やUSBが普及しつつあり,大きく環境が変わろうとしている。
【解法のポイント】
こういった問題を解くためには,コンピュータの裏側の接続を見たり,さらに自分でやってみるのが早い。
インタフェイスについては,パラレルとシリアルの2つに分けてから,個別のインタフェイスの特徴をとらえるようにする。
【問題解説】
1. パラレルを選択する。ただし最近はシリアルでもIEEE1394のように高速伝送できるものもある。
2. シリアルを選択する。問題にあるように1ビットずつ送る。
3〜8. 各種パラレルインタフェイスの中で,一般的なものにSCSIがある。SCSIにも各種規格があり,最近のもの(SCSI3規格)は高速伝送ができる。
【解答】
1.(3) 2.(4) 3.(1) 4.(4) 5.(3) 6.(1) 7.(2) 8.(4)
【重要用語】
インタフェイス,パラレル,シリアル,SCSI,
セントロニクス,GP-IB,RS-232C,RS-422
問3 ISO10646とユニコード
次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
UCS(あるいは10646)はISO(国際標準化機構)とIEC(国際電機標準会議)が定めた万国統一文字コード規格で,[ISO/IEC 10646-1 Universal Multiple-Octet Coded Character Set]が正式名称である。その全体構造は[1.(1)2オクテット (2)4バイト (3)8バイト (4)16ビット]コードだが,2バイトで1文字を表すUCS2だけが決まっている。全体では,上位から1バイトずつをそれぞれ群,面,区,点と分けて表すが,このうち群と面とがともに00hの面,すなわち区と点だけを使って表すものをUCS2という。これは[2.(1)ASCII (2)シフトJIS (3)EUC (4)Unicode]と同じもので,1面だけを基本多言語面([3.(1)BMP (2)CAE (3)CSG (4)GKS])ともいう。
基本多言語面は,アルファベットと記号類が約[4.(1)1000 (2)1万 (3)2万 (4)5万]字と,漢字は[5.(1)JIS (2)UCS統合 (3)CJK統合 (4)康煕字典]漢字が約2万字含まれており,この1つのコードで各国の文字を包含している。JIS X0208と異なり,制御文字のエリアにも漢字を割り当てている。
UCS2では1つの文字コードでユニークなグリフを表しているわけでなく,中国,台湾,日本,韓国のそれぞれの字体の「ゆれ」を許している。従って,実装面でどの文字を使うかを指定する仕組みが必要になる。例えば,Windowsでは[6.(1)GDI (2)ロケール (3)OLE (4)Wrold Script]という機能で,日本語や中国語という指定を切り替えて表示するようになる。
CJK漢字にはX0208とX0212(補助漢字)の文字が[7.(1)一部 (2)半分 (3)全部]含まれ,その並び方は[8.(1)同じである (2)シフトしている (3)全く異なる (4)逆順になっている]。
UnicodeのエンコーディングはJAVAや[9.(1)Windows (2)Macintosh (3)DOS]で採用されているが,アプリケーションが対応していないと使えない。
【出題の分析】
現状では,文字コードについては世界のそれぞれの国が独自のコード付けをしており,多くのコード表がある。ISOでは万国共通文字コードを作り,文字コードの統一を規定した。それがISO10646といわれるもので,アメリカの企業や団体が集まって定めたUnicodeをベースにしたものである。現状ではこのUnicodeとISO10646の2バイトコードは同一。ISO10646の日本バージョンがJISX0221である。
【解法のポイント】
まず1バイトコード,2バイトコード,4バイトコードでいくつのコード付けができるかを知っておく。次にCJK漢字についての理解が必要である。
【問題解説】
1. 4バイトを選択する。非常にスケールの大きい構想である。4バイトは約43億個をコード付けできるスペースをもつ。
2.3. 右図を見れば大体分かっていただけるだろう。このうち,現在決まっているのは基本多言語面である。
4. 2万字を選択する。5も約2万字である。
5. CJK統合漢字を選択する。CJKとはChinese,Japanese,Korean のことである。それらが,同じコードで管理されている。
6. ロケールを選択する。ロケールとはある特定の言語から他の言語へ切り変える時に必要なもので,ロケール属性よりなる。日付け形式や,時刻形式,通貨形式など,その国の文化的要素を付加し,実際の使用の便を計ったものである。
7.8. 「全部」を選択する。X0212はそれほど利用はされていないが,5801字の漢字と特殊文字,記号類を規定している。並び方はJISX0208とは異なる。
9. Windows,Macintoshが正解となる。
【解答】
1.(2) 2.(4) 3.(1) 4.(3) 5.(3) 6.(2) 7.(3) 8.(3)
【重要用語】
ISO 10646,UCS2,Unicode,基本多言語面,
BMP,ロケール,CJK漢字,X0208,X0212
(出典:プリンターズ・サークル 1999年5月号より)
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