1998年度JAGAT事業コンセプト

JAGATは,会員の皆様が,デジタル技術を中心としたビジネスで継続的な成果を得ていただくために何が必要かを考え,1998年度の重点事業を計画,実行いたします。下図は,その計画のベースになる基本認識を表わしたものです。

ネットワークを経営戦略に!

印刷の世界が拠って立つ土壌は大きく変化しました。右肩上がりの成長時代は終わりました。情報に対するニーズは,如何に効率的,効果的に情報を活用していくかに移りつつあり,そこには,映像メディア革命によって新しいメディアの世界を築き始めたパソコンとネットワークがあります。


印刷産業はデジタル化を進めて新しい土壌の上で伸びていくための幹を強化してきました。デジタル技術に拠らない印刷ビジネスも当然継続しますが,業界全体の成長を支えるのはデジタル化です。しかし,フルデジタル化は到達点ではなく,新しい事業の果実を得るための準備に過ぎません。

FA化,サービス化のために

印刷産業がこれから向かうべき方向はFA化かサービス化です。中ロット以上の印刷の世界では,商業印刷物でも新聞並みのスケジュールで作ることが目指されます。また,供給過剰が常態化するので価格もぎりぎりのところでの勝負になります。したがって,物的生産性を徹底的に追求するために,装置産業化,資本集約の道を進むことになります。
具体的には,プリプレスの業務フロー改善,CTP(ComputertoPlate)化,LANをベースとした生産管理情報システムを構築した上で,CIP3のようなシステムも組み込んだ品目別専用ラインシステムが目指されます。ネットワークはこれら技術要素をつなぐインフラとして不可欠になります。
サービス化は,顧客のニーズに深く応えていくことによって,価値的生産性を高めていく方向です。設備力ではなく,マーケティング力や専門知識,外部の協力者をまとめる力などが利益を生む知識集約化の道です。
サービス化の道は多様です。データベースマネージメントやワンソース・マルチユースの機能提供は,プロとしての技術を磨いてニーズに応えていく分野です。この場合,SGML,CMSのマスターは最低限の条件になります。オンデマンド印刷市場は,ジャストインタイムでの印刷物提供をはじめ,非常に多様なニッチ市場の集合体です。マーケティングやそれぞれのニッチ市場に合ったビジネスモデルの最適化が事業成否のカギになります。電子媒体のコンテンツ制作や情報処理・加工ビジネスでは,効果的な媒体利用のノウハウや,音声,映像などの専門家と組んで仕事を仕上げていくコーディネート能力がポイントになるでしょう。
いずれにしても,受発注から外部協力者とのデータのやり取り,あるいは顧客のシステムからソフトをダウンロードして使うなど,イントラネット,エクストラネット上で仕事を進めることができなければ,仕事の輪に入れない世界になります。

スピードを上げるために

印刷業界は,生産設備面のデジタル化には努力してきましたが,多くの企業で管理面のコンピュータ化やコミュニケーションのシステム化は遅れました。技術変化が現在のように速い中では,技術の導入,習得は1〜2年で終えないと,いつも対応が後手に回って利益を出す期間がなくなり,デジタル化はかえって疲弊をもたらすことにもなります。
したがって,社内にトータルにネットワーク化した管理システムを作り上げ,日常業務はもとより,プロジェクトの進行,経営の意志決定をより迅速,的確にすることが急務になっています。
そのうえで,右上がりの成長環境の中でおろそかになりがちであった経営の原点(マーケティング,利益管理,組織の最適化など)を再点検することが,変化が早く先が見通しにくい環境のなかで,企業を継続的に発展させるために取り組むべき課題ではないでしょうか。
以上のような認識をもとに,JAGATは,98年度も多彩な事業を計画,実施いたします。

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