DTP豆知識(1998/04)


第9期DTPエキスパート認証試験は,1998年3月15日に実施されました。次回は8月に行われます。本コーナーは,エキスパートを目指すうえで理解しておきたいDTPの技術体系を12テーマに分け,1年間にわたってDTPエキスパート 馬場幹彦氏に解説していただきます。試験勉強の参考にご活用ください。

問1 出力処理

 DTPソフトは画面表示処理などをパソコンの[1:(1)GUI (2)FEP (3)CUI (4)GDI]に頼っており,実作業をしている段階でPostScript(PS)データが作られていない場合が多い。通常のPSの出力は,DTPソフトが出力処理をする段階でPSのファイルを生成するか,あるいは[2:(1)GDI (2)GUI (3)ラスタライザ (4)プリンタドライバ]がPSデータに変換して出力機に送る。
 PSファイルは,文字オブジェクト・図形オブジェクト・ビットマップのオブジェクトの位置を[3:(1)自由に記述 (2)ページ上の出現順に整列]する。そのため出力側の[4:(1)ドライバ (2)ラスタライザ (3)RIP (4)FEP]がページ内のオブジェクトの最終配置処理を行う。この処理のために時間がかかったり,出力不能になることがある。
 フォーマットの異なるデータが混在した紙面は出力トラブルの元になりやすいので,使用するフォーマットをあらかじめ決めておいたり,出力前に[5:(1)画面確認 (2)プレフライトチェック (3)ラスタライズ (4)GUIによる確認]を行ってデータを検査する。

    ●解答と解説

    1.(1) 2.(4) 3.(1) 4.(3) 5.(2)
     Macのなかでどのようなことが起きているか,PSデータはどのように作られ,処理されるのかを,DTPの過程全体を通して,イメージしておくことが望ましい。流れる方向はMac内部,プリンタドライバ,転送データ,PSプリンタ部(前処理,レンダリング部,出力部)である。この流れにしたがって処理内容を把握し,要素としての文字,線画,写真が各段階でどのような扱いを受けているかを理解していただきたい。
     プレフライトチェックとは,飛んでいく(イメージセッタに送出される)前に,出力するデータをチェックすることである。ファイルのリンク状態や,フォント状況などが確認できる。
     PSファイル内のランダムに配置された各オブジェクトは,RIPの最初の部分で位置関係,上下関係を整理される。

問2 バンディング処理

 イメージセッタへの出力は,まずPSなどの[6:(1)タグ (2)機械語 (3)アセンブリ言語 (4)PDL]で記述された出力データをRIPが受け取り,RIPの[7:(1)コンパイラ (2)インタープリタ (3)ラスタライザ (4)コントローラ]部がページ単位に描画オブジェクトを解析する。メモリ上でオブジェクトを[8:(1)レンダリング (2)コンパイラ (3)アセンブル (4)インタプリット]してビットイメージデータにする。1ページが終わって表示命令が来たら,イメージセッタの出力エンジンに送る。
 レーザプリンタなど,小型で低解像度のエンジンのための[8]処理は,すべてRIPのメインメモリの[9:(1)バンド (2)フレーム (3)ページ (4)イメージ]バッファで行える。しかし,イメージセッタのような大型高解像度のエンジンのためには,巨大なメモリが必要で,この方法は実用的ではない。
 この制約を乗り切るためには,1ページを水平にいくつかの[10:(1)バンド (2)フレーム (3)ページ (4)イメージ]に分割し,その単位で描画を行う。この場合,前処理として[7]部が描画すべきオブジェクトとその順序を表した[11:(1)バッファリスト (2)フレームリスト (3)ディスプレイリスト (4)イメージリスト]を作成する。これを参照しながら[10]単位でビットマップデータを作成するのが[10]バッファである。

    ●解答と解説

    6.(4) 7.(2) 8.(1) 9.(2) 10.(1) 11.(3)  11.(2)
     イメージセッタもPS出力機である。非常に高解像度なので,PSデータをビットマップの画像にしたときにメモリが足りなくなる。そこで,1ページを帯(バンド)状に分割してビットマップ化していくのが,バンディング処理である。

問3 トラッピング方法

 DTPでカラーの紙面を制作するときに,WYSIWYGではできないことがいくつかある。PSの図形処理モデルは,下に不透明な「インキ」を敷き,上の[12:(1)パス (2)レイヤー (3)オブジェクト (4)マスク]を通して見ることを繰り返すもので,色は上に乗ったものが生きるようになっている。2つの[13:(1)透過する (2)不透明の]オブジェクトを重ねる演算子はない。
 カラー印刷に使うプロセスインキは光を[14:(1)透過させ (2)透過させず],異なる色版は透かして重ねて印刷される。この状態は画面では表示されないことがある。たとえば赤い背景に青い色のオブジェクトを重ねて,重なった部分を紫に指定することを[15:(1)トラッピング (2)オーバープリント (3)マスキング (4)チント]と言うが,DTPソフトでは画面上では重なった部分も青のままで表示されて,確認できない場合がある。 
    ●解答と解説

    12.(4) 13.(1) 14.(1) 15.(2)
     インキは色がついているが,透き通っているから下の色と混ざりあい,多様な色彩が実現できる。
     オブジェクトが重なったときの処理はPSでは後ろが隠れるのが前提である。色を重ねるときはオーバープリント指定をするが,画面やプリンタで再現されないために,特色2色での制作などでWYSIWYG環境がくずれる場合がある。

(プリンターズ・サークル 1998年4月号「新・DTPエキスパート認証試験対策講座 」より)

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