DTP豆知識(1998/06)
第10期DTPエキスパート認証試験は,1998年8月23日に行われます。本コーナーは,エキスパートを目指すうえで理解しておきたいDTPの技術体系をテーマ別に,DTPエキスパート 馬場幹彦氏に解説していただいています。試験勉強の参考にご活用ください。
問1 CTP
オフセット印刷機で使う版材を,イメージセッタや刷版用のレコーダのような大型[1:(1)ラスターデバイス (2)ベクターデバイス]にセットして,RIPから直接刷版をつくる方法をCTP(コンピュータ・トゥ・プレート)と呼んでいる。
従来は大貼りフィルムから[2:(1)DDCP (2)校正刷り (3)CTP]を行ってから刷版製版をしていた。ここで誤りが発見されると,直接フィルムに対して[3:(1)ストリップ (2)再露光 (3)マスク]で修正することもあった。フィルムの流用や大貼りは,CTPでは不可能になるので,事前に校正を済ませてから,製本の仕様に合わせてページを再配置する[4:(1)殖版 (2)面付け (3)トラッピング]や,色版のズレを見込んだ補正である[5:(1)殖版 (2)面付け (3)トラッピング]を行う。
CTPでは中間工程がなくなるため,画質の劣化が最低限にとどまり,高品質が得られるが,刷版製版で行っていた[6:(1)現像 (2)トラッピング (3)焼き度]調整はできないので,前行程で[7:(1)ワークフロー (2)カラーマネジメント (3)コラボレーション]などを行っておく必要がある。
このようにワークフローが従来の製版と異なるので,部分的な工程変更としてCTPを導入することは難しい。
解答と解説
1.(1) 2.(2) 3.(1) 4.(2) 5.(3) 6.(3) 7.(2)
CTPで使われる刷版の材料には大きく分けて,熱で表面を変化させる方法(サーマルタイプ)と,光に感光させる方法をとるものがある。サーマルタイプの刷版は,明室での扱いが可能で取り扱いが容易であることなどから,現在では主流となっている。
プリプレス工程とプレス工程の境目は,いままでは,フィルムを出力するところであったが,CTPではフィルムを出力せずに,いきなり刷版を出力する。フィルムから製版する際の網点の再現性の問題がなくなるため,FMスクリーンなどには都合がよく,6色や7色といった多色刷りにも対応できる。
しかしながら,フィルムを使う校正刷りやケミカルプルーフは使えないし,フィルムで行っていた各種処理もできなくなるので,プリプレスでの完全な処理が前提になる。
色校正ができなければ,カラーマネジメントを行わざるを得ない。色校に関するワークフローさえはっきりすれば,製版時の露光時間や現像時間などの要因が省かれ,熟練技術者でなくても安定した製版ができるようになるため,コストの削減につながる。
問2 オンデマンド印刷
「デジタル印刷」あるいは「オンデマンド印刷」とは,品質や速度は伝統的印刷機に近いが,刷版を毎回取りつけるのではなく,主に[8:(1)インクジェット (2)電子写真 (3)熱転写 (4)ドットインパクト]方式のプリンタのような仕組みの印刷システムを言う。
一般に言うオフセット印刷とは平網印刷方式の一方式で,[9:(1)亜鉛版 (2)PS版 (3)フレキソ版]などを使う。伝統的な印刷は,印刷速度は高速だが[10:(1)版下 (2)フィルム (3)刷版 (4)原稿]をつくるまでの工程で時間と費用がかかる。これに対し,オンデマンド印刷は紙面データさえ用意してあれば,刷版をつくらずに必要なときに必要な枚数だけ印刷物ができるようにしたものである。
単に小ロット印刷が可能であるだけでなく,頻繁に改訂される印刷物の需要を満たしたり,ページごとに内容を入れ換えて出力する[11:(1)固定データ (2)可変データ (3)大ロット](パーソナライズ)印刷機能など,いままでにない応用が可能である。
まだ開発途上の技術分野であるが,従来の印刷と異なり,なるべくデスクトップでコントロールする方向で進んでいる。
解答と解説
8.(2) 9.(2) 10.(3) 11.(2)
オンデマンド印刷システムは,パソコン側から見ると大きな超高速カラープリンタである。作成されたデータから直接印刷物ができる。例えば,ワープロソフトに差し込み印刷という機能がある。住所録などと組み合わせて,相手の名前や肩書きを変えながら,手紙文書を印刷できる。そうした印刷物の作成もオンデマンド印刷機では可能である。
オンデマンド印刷機の方式,ワークフローの改善点,オンデマンドであることの特徴などが設問の対象になっている。また,可変データの部分を印刷しながらRIP処理を行うオンザフライと呼ばれる処理が可能なものもある。
問3 標準データ形式
PostScriptは一般に[12:(1)BASIC (2)PDL (3)アセンブラ (4)Java]と呼ばれる言語で,対応した出力装置であれば,異なる機種でも同等の紙面データを出力できる。これをデバイス[13:(1)依存 (2)共有 (3)インデペンデント]と言い,各工程間でのデータのやり取りがシームレスになった。
L*a*b*表色系ではL*で[14:(1)色度 (2)明度 (3)収差 (4)色差]を表し,色相と彩度を示す[15:(1)色度 (2)明度 (3)収差 (4)色差]をa*b*で表す。
L*a*b*はシステムやデバイスに依存しないこと,RGBやCMYKに比べて色再現領域が広いことなどから,カラーマネジメントシステムの標準色空間として用いられている。
JIS漢字コードと呼ばれる情報交換用漢字符号系は,漢字の情報交換のために1978年にJISの[16:(1)CIEabc (2)X 0208 (3)Base64](旧C6226)として制定されたもので,ワープロやパソコンはこれに準拠している。
万国共通に使える文字コードを目指して,アメリカのコンピュータ業界はUnicodeという[17:(1)マルチバイト (2)1バイト (3)2バイト]のコード体系を提案した。この中には1本,中国,台湾,韓国の漢字が合計[18:(1)1 (2)2 (3)5]万字強含まれ,一般にCJK漢字と呼ばれている。
Type1はAdobe社が開発したページ記述言語[19:(1)TrueType (2)ATM (3)PostScript (4)RIP]で標準として使われているフォントフォーマットであり,DTPの標準とされていて,互換性が高い。
CD-ROMは国際的な論理フォーマットとして[20:(1)ハイシエラ (2)HFS (3)ISO9660]が決められている。CD-Extraはマルチセッションの[21:(1)CD-ROM (2)CD-I (3)CD-DA]である。
SGMLでは,異なるコンピュータ間での情報交換をできるようにするために文書の構造化を行い,それを[22:(1)文書型定義 (2)言語仕様 (3)出力情報 (4)入力情報]として定義し,テキストに[23:(1)認識コード (2)符号 (3)タグ (4)コマンド]でマーク付けして表現する。
解答と解説
12.(2) 13.(3) 14.(2) 15.(1) 16.(2) 17.(3) 18.(2) 19.(3) 20.(3) 21.(1) 22.(1) 23.(3)
最後の問題は,「標準」に関するものをいろいろな問題から抜き出してみた。「標準」について,もう一度確認しておきたい。
ページ記述言語であるPSとその標準文字形式であるType1,標準画像形式のEPSがある。色について言えば,ICCによるプロファイルの標準化によってCIEのL*a*b*を基本としたカラーマネジメントが一気に進む状況となっている。テキストデータの基本となる文字コードでは,JISやUnicodeの標準化から目が離せない。
通信のやり取りの方式であるプロトコルにもTCP/IPという標準が確立した。記憶媒体も標準化の動きが著しい。データベースにおいてもSQL(データベース照会言語)をはじめとして,多くの標準化がなされている。
最後に,文書の標準形式としてのSGMLやXML,PDFが話題になっているのは,みなさんもご存知のことと思う。
(出典:プリンターズ・サークル 1998年6月号「新・DTPエキスパート認証試験対策講座
」より)
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