DTP豆知識(1998/08)
第11期DTPエキスパート認証試験は,1999年3月14日に行われます。本コーナーでは試験に向けての対策講座として,DTPエキスパート 岸本正治氏に問題を解くうえでのポイントなどを解説していただきます。試験勉強の参考にご活用ください。
問1 プリプレスの変化
次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
印刷はプレスとも言い,同一のイメージを高速に複製する技術のことである。印刷の前工程で,原稿が入稿してから製版工程を経て刷版が完成するまでを[1:(1)プリプレス (2)プレス (3)ポストプレス]工程と呼ぶ。この工程では,複製すべき情報を,人間の判断に基づいて編集/レイアウトしてひとつのイメージにまとめていくことがおもな作業となる。そのため,情報の加工が高速かつ柔軟にできなければならず,その処理にはコンピュータが役立つ。
しかし,コンピュータがグラフィックスの扱いが得意でなかった1970年代は,最終出力には専用のハードウェアが使われ,その出力ハードウェアの機能を生かすための前処理として,情報加工を行う部分が専用に開発されていた。例えば写植出力部は,ガラスのマスターを介した露光から始まって,電気的に文字を発生させる[2:(1)スキャナ (2)CRT (3)HOTMETAL (4)CCD]方式になり,さらに大型化が可能な[3:(1)HOTMETAL (2)CRT (3)レーザー (4)CCD]へと変化する中で,それぞれのハードウェアの制約のもとでフォントやソフトウェアを開発してきた。
ところが,出力機やコンピュータがビットマップグラフィックを扱う能力が向上して,製版用[4:(1)スキャナ (2)ステッパー (3)タイプセッタ (4)プロッタ]の出力装置や,写植のタイプセッタから発展した[5:(1)スキャナ (2)イメージセッタ (3)プリンタ (4)プロッタ]が同じ機構になり,それを対象にPDLやRIPが開発された。こうして印刷物制作は,DTPのデータにすることにより,出力機の制約から開放されて,どのコンピュータでも扱えるようになった。つまり,かつての出力データは出力機の解像度に合わせて[6:(1)テキスト (2)ビットマップ (3)アウトライン (4)オブジェクト]データを作っていたが,解像度から独立したアウトラインやPDLなど[7:(1)ビットマップ (2)TIFF (3)オブジェクト]形式のデータになった。
プリプレスのデータはPDL化によりシステムから独立したため,ハードウェアは,投資する金額による品質/速度の上下はあっても,全く同じデータを扱える[8:(1)クローズド (2)シームレス]な環境になった。つまり,アーチストが作ったグラフィックデータをそのままレイアウトして,カラー分解にまで使えるというワークフローが可能になった。
【出題の分析】
現在のDTPにいたった経過(歴史)も,これから先の展開を予想するうえで重要である。
【解法のポイント】
現在使われていないものはイメージしにくいが,問題を丁寧に読んでいけば,ある程度解答できる。
【問題解説】
1. プリプレス。Preは前工程をPressは印刷を表す。
2. 正解はCRTである。高精細のCRT上に文字を表示し,これを印画紙で出力するもの。
3. レーザー。コンピュータに入っている文字データを印画紙にレーザーで出力するもの。
4. スキャナ。スキャナも以前の分解網ネガ出力から,デジタルデータとして画像ファイル形式でMacintoshに入力できるようになった。
5.イメージセッタは,文字を印画紙出ししていたタイプセッタから発展した。
6.あらかじめ出力解像度に合わせたドットデータをコンピュータ側で作っておき,出力するもの。
7.アウトラインデータをオブジェクト形式と言う。
8.シームレスは「縫い目がない」という意味で,類似することばにボーダレスがある。
【解答】
1.(1) 2(2) 3(3) 4.(1) 5(2) 6(2) 7.(3) 8(2)
【重要用語】
プリプレス,スキャナ,タイプセッタ,
イメージセッタ,ビットマップデータ,PDL,
オブジェクト形式,シームレス
問2 色校正の方法
次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
色校正の方法を大きく分けると,何らかの印刷機を使う[1:(1)インキ校正 (2)ケミカルプルーフ (3)デジタルプルーフ (4)プリプレスプルーフ]と,分色フイルムを元に写真的な手法などを使う[2:(1)インキ校正 (2)ケミカルプルーフ (3)デジタルプルーフ (4)プリプレスプルーフ],およびフィルムを作る前にDDCPやプリンタを使うものがある。
インキ校正は,[3:(1)校正紙 (2)普通紙出力 (3)分色フイルム (4)カラーフイルム]から刷版を作成するもので,印刷用インキと紙による再現がトータルに確認できる。イニシャルコストは[4:(1)高 (2)安]い。校正枚数が多い場合は[5:(1)有利である (2)不利である]。さまざまな方式や呼び名があるケミカルプルーフは,プリプレスの現場でも広く普及している。印刷機と比べて[6:(1)安定した再現 (2)不安定な再現]であり,印刷用紙が使えるタイプのものはインキ校正に近い。ただし印刷方向や面付けなど印刷条件に依存する印刷再現の癖は発見できない。また校正枚数が多い場合は[7:(1)有利である (2)不利である]。コンピュータに直結したDDCPは,[8:(1)印刷と同じ顔料を使う (2)印刷と同じ速度で行う (3)印刷と同等の網点を作る]のが特微で,利点として[9:(1)フィルムや刷版を使わない (2)装置のコストが安い]点があげられる。色合わせは,本印刷時を想定して,[10:(1)見当精度 (2)インキ濃度やドットゲイン],その他の特性の調整をコンピュータでシミュレーションできる。操作は容易だが,カラーマネージメントが十分できていないと再現性はケミカルプルーフには及ばない。また校正枚数が多い楊合は[11:(1)有利である (2)不利である]。
DTPから直接プリンタですばやく色校正したい場合,写真などの階調再現を重視すると,一般的に[12:(1)溶融熱転写 (2)昇華型熱転写 (3)カラーPPC]方式が選ばれる。プリント時間を高速にするには,[13:(1)溶融熱転写 (2)昇華型熱転写 (3)カラーPPC]方式が一般的に選ばれる。しかし,ケミカルプルーフやDDCPに比べると,いずれも刷版サイズのものがないなど,印刷条件には合わせにくい。
【出題の分析】
DTPが普及するにつれ,従来の校正刷りに代わる簡易プルーフが次々と登場してきた。プルーフはクライアントの接点となる重要なものだけに,それらの特徴(長所,欠点)をつかんでおく必要がある。
【解法のポイント】
もともと校正刷り=プルーフのことであるが,校正刷りは校正機を使ったものを指し,プルーフはプリンタを含むすべての校正用出力物を指す使い方をされる場合が多いようだ。網点出力や本紙出力の可否がプルーフのポイントとなる。まず,フィルム(原版)出力以前での出力と,以後の出力で分けて,整理しておくとよい。
【問題解説】
1. 従来型製版で行われていたのがインキ校正である。これには校正機を使うものと,本機を使うものがある。
2. インキ校正以外には,ケミカルプルーフがあり,これは分色フィルムから作る。
3〜5. インキ校正は実際の印刷手順と同じで,フィルムから刷版を焼いて刷るため,手間がかかる。イニシャルコストは高くなるが,反面,校正枚数が多少増えても,コストに大きく響くことはない。
6〜7. ケミカルプルーフは念校や内校用にもよく用いられる。ただし,多枚数出力には適していない。
8〜11. DDCPはDirect Digital Color Proofingの略で,網点表現ができる。
12〜13. プリンタとしては,昇華型熱転写が色の再現がよいが,最近はインクジェットプリンタも色の再現がよいものが出てきている。プリンタの場合,本紙が使えないことが最大のネックになっているが,前者においては数種類の色の違う用紙が使えることでカバーしたり,後者は紙の色そのものをインクで再現して,仕上がりイメージを本紙と近似にする工夫が行われている。
【解答】
1.(1) 2(2) 3.(3) 4.(1) 5.(1) 6.(1).7(2).8.(3).
9.(1).10(2).11(2).12(2).13.(3)
【重要用語】
インキ校正,ケミカルプルーフ,印刷方向,面付け,分色フィルム,DDCP,昇華型熱転写,カラーPPC
(出典:プリンターズ・サークル 1998年8月号「新・DTPエキスパート認証試験対策講座」より)
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