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営業活動のデジタル化を進めるうえで,社内LANの整備,活用は欠かせない。以下は,利根川印刷株式会社(東京)の専務取締役利根川英二氏に,同社の社内LANと営業活動のデジタル化についてうかがったものである。
(詳細はプリンターズサークル9月号特集を参照)
急速な勢いで一般企業が社内LANを使い始め,社内報のテキストデータのやりとりもにも影響が現れ始めた。お客様からデータができ上がるとすぐに送りたい,夕方取りに行くのでは遅すぎると言われてしまう。印刷業は作りたてのデータをすぐ送りたいというお客様の「今すぐ願望」を理解して対処しなくてはならない。そのため,早期に社内LANを導入する必要性を感じた。
年配の営業マンに,「きょうは何けん訪問してきたか」とたずね,営業日報に書くように指示すると,「件」ではなく「軒」という字を書くことがある。この意識の違いは大きい。軒を書いている限りはご用聞きで,顧客1軒,あるいは1部署となってしまう。 件であれば1社あるいは1部署へ行って無数の受注案件を発掘できる。「件のプロセス管理」を進めることが,これからの営業活動のポイントと考えられる。こうしたことから,営業系重視の社内LANを昨年11月にスタートさせることにした。
1サーバー,3ロケーション,5クライアントの, NTTのWINEキット135というシステムを採用した。理由は,「デファクトスタンダード(事実上の業界標準)に飲み込まれたほうがいいと考えたからである。費用は月4万円。総費用で1000万円(ハードもすべて含む)。これにOCNを入れておよそ1100万円のローコストに抑えた。
営業全員,部門長――課長以上全員,総務,生産管理などの業務に携わる人にすべて社内アドレスを持たせ,そのうち20名くらいにはグローバルアドレスを持たせた。 専務,社長は自宅からISDNの回線で会社のサーバを見られるようにした。
当社の2階が無線LANで結ばれているので,20代から60代の営業全員を2階へ集合させ,NTTのインストラクターを講師に,土曜日2回,2日間にわたり会社の環境を使って勉強会を行った。 その結果,電子メールの活用によりコミュニケーション効果,生産性が上がり,仕事の質も高めることができた。情報の共有化によって仕事のフォーマット化,効率化を図り,情報加工業としてのインフラとスキルを確立することができた。
社内LANが確立されたことで,営業日報をメールに入れる方式と従来通りの紙の営業日報を提出することと並行させている。メールで提出のものは掲示板にあげ,プレクレーム情報とか,クレームになりそうだった情報,なった情報を投稿してもらう。 またトップから直接営業マンに指示を出した場合,必ず直属の上司にもカーボンコピーを送っておく。部下が上司に報告する時は,専務や社長にもカーボンコピーをつけるように指示した。そうすれば社長,専務が部下に何を命じたかが部長に分るし,中間管理者がなにを指示して部下とやりとりしているかが分る。
今夏から最低限の勉強として,DTPエキスパートを取得させるようにした。その他月に1回の勉強会,社外研修を実施している。 21世紀に印刷業は2極化すると言われるが,中小の場合,自社しかできないオンリーワンの技術と,高提案力を持ったアウトソーシング型企業をめざさなくてはならない。そのため営業もデジタルの情報武装をして,仕事の仕組みを変えていかなければならない。
(出典:プリンターズサークル 1998年9月号より)
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