DTP豆知識(199812)
第11期DTPエキスパート認証試験は1999年3月14日に行われます。本コーナーでは試験に向けての対策講座として,DTPエキスパート 岸本正治氏に問題を解くうえでのポイントなどを解説していただきます。試験勉強の参考にご活用ください。
問1 SGML
次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
・一般的なワープロやDTPソフトが作る文書は,その実体としての[1:(1)文書構造 (2)テキスト (3)Post Scriptファイル]と,属性としてのレイアウトやスタイルなどとが一体になったデータである。そのため,文書を部品化したり再利用したりするためには,それらを分離して改めて[2:(1)言語 (2)段落 (3)属性]を指定しなおさなければならない。これに対して,属性と実体を別々に用意し
ておき,必要に応じて編集できるものとしてSGMLがある。
・SGMLはコンピュータの[3:(1)文書型定義 (2)言語仕様 (3)出力情報 (4)入力情報]であり,この形式で表現された文書データをSGML文書と呼ぶ。コンピュータの解析/処理の対象として厳密な構造化を行い,かつヒューマンリーダブルであるために構造をテキストに[4:(1)認識コード (2)符号 (3)タグ (4)コマンド]でマーク付けして表現する。SGMLは,利用環境に関する[5:(1)HTML (2)SGML宣言 (3)環境設定],DTDと言われる[6:(1)文書型定義 (2)言語仕様 (3)出力情報 (4)入力情報],およびSGML文書実体の3つの部分から構成される。SGMLは直接レイアウトを指定するものではない。DTDで文書の[7:(1)使用環境 (2)論理構造 (3)アウトライン (4)コマンド]を定義する一方,DTDの定義にしたがってタグ付けした文書実体を作成しなければならない。SGML文書をレイアウトして出力するにはフォーマッティングを行う必要がある。
・DTDを作るには,対象となる文書を分析し,要素や属性を把握して構造化することが必要である。具体的な文書の様式や使用するシステム,また利用形態などが分からないとDTDを作ることはできない。
【出題の分析】
SGML(Standard Generalized Markup Lunguage)は,ひところほど話題になることは少なくなり,代わりに最近はXML(eXtensible Markup Language)が台頭してきたが,このSGMLを充分理解し,参考にする必要がある。
【解法のポイント】
私達はDTPレイアウトに慣れてしまっているので,このSGMLついて学習するときは,一度頭を白紙にして,文書交換の意味を考えるとよい。
【問題解説】
1. DTPの場合,テキストとスタイル,レイアウトは不可分になっている。できあがったデータを二次利用するときには,それらの属性はかえって邪魔になる。
2. 文書を再利用するためには,一度テキスト形式に戻して,それから改めて属性を決めなければならない。
3. これに対し,SGMLは文書の意味を伝えることにポイントをおき,文書交換が容易にできるようにしたものである。
4. このため,テキストにタグをつけて構造化していく。
5. SGMLは3つの部分からなる。まず利用環境を示す「SGML宣言」がある。
6. 7. そして「DTD(Document Type Definition)」と言われる文書型定義で,要素名や文書構造を決める。このDTDは要素宣言,属性宣言,実体宣言で構成され,要素宣言はタグ名,要素の関係(親子関係,出現順序,出現回数)を決め,文書構造を規定する。このため,要素が枝分かれしていく「木構造」で綿密な設計を行わなければならない。
このDTDの定義にしたがって作っていく実際の文書を「文書実体(インスタンス)」と言う。SGML文書を組版出力するためにはDSSSL(Document Style Semantics and Specification Language)を使って,SGML文書にスタイル情報を追加し,フォーマッティング処理を行う必要がある。
このようにSGMLは文書情報の新しい記述方法として登場したが,インターネットが普及する前の仕様となっているため,現在ではよりインターネットでの文書交換が容易で,かつ定義付けがシンプルであるXMLへ移行する方向にあるようだ。
【解答】
1.(2) 2.(3) 3.(2) 4.(3) 5.(2) 6.(1) 7(2)
【重要用語】
SGML,属性,実体,ヒューマンリーダブル,
SGML宣言,文書型定義,文書実体
問2 光ディスク
次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
・光磁気ディスクはハードディスクのように使うことができ,特定の使い方をする場合はOSに依存する面がある。Windows95で自動認識される3.5インチ230MBのMOの論理フォーマットは[1:(1)ハイシエラ (2)IBMフォーマット]あるいはスーパーフロッピーなどと通称され,FDと同様に[2:(1)パーティションが作れない (2)パーティションが作れる]。
・CD-Rは[3:(1)書き換え自由な (2)ライトワンスの]CD-ROMの総称であり,まだ記録していない部分に新しいデータを追記することができる[4:(1)消去 (2)マルチセッション]方式はPhotoCD以降使われるようになった。CD-Extraはマルチセッションの[5:(1)ROM (2)CD-R]である。
・CO-RWは[6:(1)書き換え自由な (2)ライトワンスの]CD-ROMであり,[7:(1)CD-RのようにどのCD装置でも読める (2)一般のCD装置では読めない]。
・CD-ROMは国際的な論理フォーマットとして[8:(1)ハイシエラ (2)HFS (3)lSO9660 (4)lSO 10646]が決められている。Macintoshは特殊な[9:(1)ハイシエラ (2)HFS (3)IS0 9660 (4)1SO l0646]を用いているため,それ以外のCO-ROMはドライバソフトで対応することになる。
【出題の分析】
光ディスクの種類と特徴を問うもの。
【解法のポイント】
ディスクとそのフォーマットは常にセットにして覚えておくとよい。
【問題解説】
1. Windows95で認識される3.5インチMOはIBMフォーマットが使われている。MacはOSレベルではサポートせず,別にフォーマットソフトが必要になる。ハイシエラというのは,CD-ROM用の論理フォーマットの規格であるISO 9660のもとになったもので,数社の企業が集まって策定したときの名称。
2. MOはFDと同様に仕切り(パーティション)を作ることができない。
3. CDの種類にCD-R(Compact Disk Recordable)がある。CD-ROMがデータの書き込みができないのに対し,1度だけ書き込みが可能(ライトワンス方式)で,追記式である。
4. マルチセッションといい,何回かに分けて追記することができる。これにはトラック単位で書き込むトラックアトワンスと,さらに小さな単位で書き込むパケットライティングがある。
5. CD-Extraは音楽のCDとCD-ROMを兼ねる規格のこと。これはマルチセッションのROMである。
6. CD-RW(Compact Disk Rewritable)はデータをくり返し書き換えることができる。
9. HFS(Hierarchical File System)はMacOSでの階層的ファイル管理システムのこと。
【解答】
1.(2) 2.(1) 3.(2) 4.(2) 5.(1) 6.(1) 7.(2) 8.(3) 9.(2)
【重要用語】
MO,論理フォーマット,IBMフォーマット,
スーパーフロッピー,CD-R,CD-ROM,
マルチセッション方式,PhotoCD,CD-Extra,CD-RW,ISO9660,HFS
問3 コンピュータの基本機能
次の説明文に該当する用語および例を[ ]の中から選びなさい。
A. 処理対象のプログラムやデータを大量に貯えられるところで,電源を切っても内容は保持される。作業用の領域として使う場合は高速のものが求められるが,遅くても,大容量であったり,安価なものが求められる場合もあり,多様に発達している。内蔵,外付け,可搬型がある。
用語[1:(1)キャッシュメモリ (2)主記憶 (3)補助記憶装置 (4)CPU]
例[2:(1)ハードディスク (2)SRAM (3)SlMM (4)PowerPC]
B. CPUと密接に結びついて働く。処理途中のプログラムやデータがまとまって貯えられ,常時ダイナミックかつ高速にデータが読み書きされる。その容量は処理時間に大きく影響する。
用語[3:(1)キャッシュメモリ (2)主記憶 (3)補助記憶装置 (4)CPU]
例[4:(1)ハードディスク (2)SRAM (3)S1MM (4)PowerPC]
C. メモリからデータや命令を一語ずつ取り出して実行し,メモリに書き戻す。または出力する。基本となる一語の長さは多様であるが,一度に長いデータが扱えるほうが,一般には能力が高いとされる。
用語[5:(1)キャッシュメモリ (2)主記憶 (3)補助記憶装置 (4)CPU]
例[6:(1)ハードディスク (2)SRAM (3)SlMM (4)PowerPC]
D. CPUの処理速度に比べて,メモリアクセスは一般に非常に遅いので,大量のRAMに高速にアクセスするために,必要となるデータを予測してCPUの近くの高速メモリに置いておく。
用語[7:(1)キャッシュメモリ (2)主記憶 (3)補助記憶装置 (4)CPU]
例[8:(1)ハードディスク (2)SRAM (3)SIMM (4)PowerPC]
【出題の分析】
パソコンの基本機能を問うもの。
【解法のポイント】
コンピュータの機能の中枢部にあるCPUと各種記憶装置との関係をつかんでおく。
【問題解説】
コンピュータの基本機能は,(1)入力部 (2)記憶部 (3)演算部 (4)制御部 D出力部の5つに分けられるが,中心となるのが(2),(3),(4)の3つである。このうち(3),(4)はCPU(中央演算処理装置)の機能である。
記憶部は主記憶とも呼ばれ,ここからCPUへプログラムやデータが送られる。CPUで処理されたデータは再び主記憶に戻される。このようにCPUと主記憶は密接な関係にある。
記憶装置にはこれ以外に補助記憶がある。補助記憶にはいろいろな種類があるが,メインとなるのがHD(Hard Disk)である。これは,データやプログラムを長期保管する倉庫の役割を持ち,通常内蔵されているが,外付けのものや可搬型もある。主記憶は電源を切ると中のデータが消去されるのに対し,HDでは中のデータは消えない。
上記以外の記憶装置には,キャッシュメモリがある。これは,近年CPUの処理能力が大幅に高まってきたのに対し,主記憶からCPUへの転送に時間がかかるため,CPU上あるいはCPUの近くに記憶装置を置いて転送時間の短縮を図ったものである。
【解答】
1.(3) 2.(1) 3.(2) 4.(3) 5.(4) 6.(4) 7.(1) 8.(2)
【重要用語】
補助記憶装置,ハードディスク,主記憶,SIMM,
CPU,PowerPC,キャッシュメモリ,SRAM
(出典:プリンターズ・サークル 1998年12月号「新・DTPエキスパート認証試験対策講座」より)
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