DTP豆知識(199901)
第11期DTPエキスパート認証試験は1999年3月14日に行われます。本コーナーでは試験に向けての対策講座として,DTPエキスパート 岸本正治氏に問題を解くうえでのポイントなどを解説していただきます。試験勉強の参考にご活用ください。
問1 JISX0208の制定と改正の経緯
次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
情報交換用漢字符号JlSX0208は,1文字を2バイトのコードで表し,一般に使われる頻度の高い漢字を中心に,非漢字も含めて[1:(1)2965 (2)6879 (3)7500 (4)20902]字を規定している。そのうち,漢字数は[2:(1)3390 (2)6355 (3)7500 (4)20902]字である。JlSX0208の第1水準漢字は[3:(1)50音順 (2)部首順 (3)画数順]に並んでいるが,第2水準漢字は[4:(1)50音順 (2)部首順 (3)画数順]に並んでいる。
規格上の文字の並びは,第lバイトの並びを[5:(1)HEX (2)区 (3)点 (4)群],第2バイトを[6:(1)HEX (2)区 (3)点 (4)群]として,それぞれに1〜94までアドレスが振られた10進数字で表示する。
漢字の選定は,政令文字を基礎に,他の必要な文字を追加して作られた。ここでは,政令文字とは,[7:(1)通産省 (2)労働省 (3)文部省 (4)総務庁]管轄の「常用漢字」および法務省管轄の「人名用漢字」を合せたものを言う。
1946年に内閣告示として決まった1850字の「当用漢字」では人名用には足りないため,1951年に「人名漢字別表」が追加された。これらをベースとして[8:(1)1958 (2)1968 (3)1978 (4)1988]年に,JISC6226が制定された。いわゆる78JISである。
その後1981年に「当用漢字」が「常用漢字」となり,さらに法務省から「人名用漢字」166字が発表された。「人名用漢字」は,戸籍処理や住民情報処理を行うときの指針である。法律にかかわるため,同じ字でも字画の違いのような字体の「ゆれ」は基本的に認められない。一方「常用漢字」は字体の「ゆれ」に幅がある。X0208の第1水準漢字は政令文字をベースに,ほとんど[9:(1)正字 (2)旧字 (3)新字 (4)俗字]体で表現されている。ところが,第2水準漢字は旧字で,異体字あるいは字典体で例示されている。
これに対して,いわゆる83JlSでは,「常用漢字」に追随する形で文字の追加と例字の変更を行ったが,それにより[10:(1)字形 (2)字体 (3)書体 (4)字種]の混乱が大きくなった。そこで,いわゆる90JlSでは,規格票を平成明朝体で印刷して収拾を図った。1997年には「7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化漢字集合」と名称も変更された。
【出題の分析】
JISX0208は通称漢字コードと言われ,日本語のデータ交換には欠かせないものである。この問題の前半ではJISX0208にエンコーディングされている文字種と文字数,後半では現在の1997年規格にいたる経緯を問うている。
【解法のポイント】
この問題は知っているかどうかで得点できるかが決まってしまう部分が多い。しかし,今後のJISX0208の進展を図る意味からも,いまにいたった経緯について知っておくことは,決して無駄なことではない。
【問題解説】
1〜6までの問題はJISX0208の構造に関することである。
JISX0208の特徴として,コンピュータで認識するための2進数表記だけでなく,1バイトの並びと2バイトの並びをそれぞれ94個×94個のエリアとして10進数で表記しているということがあげられる。こうして文字を特定しているものを区点コードと言う。
全体で漢字,非漢字6879字を規定している。このうち漢字は第一水準2965字,第二水準3390字の計6355字となっている。
またJISX0208はラテン文字をおさめたJISX0201の拡張したスタイルをとっているため,和文と欧文のコードのバッティングが発生しない。
パソコンで使われることの多いシフトJISはJISX0208と同じ非漢字,漢字を使って,並び順も一緒であるが,JISX0201に規定されていない空いた部分を2バイトコードの1バイト目に使うやり方で,JISコードに切り替えることが容易である。
JISX0208は何度か改訂を経て現在にいたっているが,最新のものを使うように決められている。第一次規格にはじまって,現在は第四次規格となり,名称も「7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化漢字集合」と改められた。
変遷の内容については,設問中にくわしく記述されているのでよく読んでおくとよい。市販されている書籍に,『JIS漢字字典』(日本規格協会)があり,JISX0208が掲載されているので参考にしてほしい。
<【解答】
1.(2) 2.(2) 3.(1) 4.(2) 5.(2) 6.(3) 7.(3) 8.(3) 9.(3) 10.(2)
【重要用語】
JISX0208,第一水準漢字,第二水準漢字,
区点コード,JISC6226,ゆれ,新字,
78JIS,83JIS,
7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化漢字集合
問2 デジタルフォント
次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
デジタルフォントの種類は2つに大別できる。ひとつはドットの集まりである[1:(1)ベクトルフォント (2)ストロークフォント (3)ビットマップフォント (4)メタフォント]である。もうひとつは線分情報からなる[2:(1)ベクトルフォント (2)ストロークフォント (3)ビットマップフォント (4)メタフォント]である。後者は,CADのペンプロッタでよく用いられた文字の骨格線表現の[3:(1)ストロークフォント (2)ビットマップフォント (3)アウトラインフォント (4)メタフォント]と,形状のすべてをデータ化した[4:(1)ストロークフォント (2)ビットマップフォント (3)アウトラインフォント (4)メタフォント]に分かれる。
Type1や[5:(1)TrueType (2)FONT.SYS (3)ColdType]は[6:(1)ストロークフォント (2)ビットマップフォント (3)アウトラインフォント (4)メタフォント]である。アウトラインフォントで,表示や印字のときに必要な大きさの輪郭を数学的曲線で近似計算し,輪郭線の内側を塗りつぶして[1]と同等の文字を生成する処埋を[7:(1)ベクトル化 (2)スクリーニング (3)ペイント (4)ラスタライズ]と言う。
Type1はアドビ社が開発したページ記述言語[8:(1)TrueType (2)ATM (3)PostScript (4)RIP]で標準として採用しているフォントフォーマットであり,DTPの標準として互換性が高い。
Type1は解像度に合わせた字形補正をする[9:(1)ヒント情報 (2)アウトライン情報 (3)ビットマップ情報 (4)インデックス情報]を付加できるため,低解像度のプリンタでも,文字のつぶれを最小限におさえることができる。フォントフォーマットには,Type1のほかにAdobe Illustratorなどでも作成できる[10:(1)Type2 (2)Type3 (3)TrueType (4)ColdType]があり,これはユーザー定義フォントで[9]を持たず,ATMにも対応していない。
ATMは[11:(1)Asynchronous Transfer Mode (2)Adobe Type Manager]の略で,パソコンの本体上で動作するType1フォントの[12:(1)コンバータ (2)コンパイラ (3)ラスタライザ (4)インストーラ]である。文字のアウトラインデータをビットマップデータに変更してモニターやプリンタに出力するので,PostScriptに対応していないプリンタでもきれいな文字が出力できる。
ATMはOSの外側で機能拡張するものであるが,TrueTypeがモニターやプリンタに対して行う処理は[13:(1)ドライバ (2)OS (3)アプリケーション (4)ファインダ]内で行われる。
【出題の分析】
フォントもデジタル化され,その利用は飛躍的に向上した。デジタルフォントの種類とその特徴を答えさせる問題である。
【解法のポイント】
フォントについては個別ではなく,全体像をつかんでおくことが重要。特にPostScriptに対応するType1フォントの出力にいたる仕組み,またType3との違いを整理しておく。
【問題解説】
デジタルフォントは,最終的にはドットの形でしか出力できないが,最初からドットで構成された形でコンピュータに格納している場合は,モニターやプリンタなど,出力デバイスの解像度への対応が問題となる。
また,制作に際しては,さまざまなサイズのフォントを使うため,あらかじめあらゆるサイズのドットフォント(ビットマップフォント)を用意しておかなければならない。
こういった問題を解消するのがアウトラインフォントである。これは文字形状のアウトラインを数式で持つため,文字のサイズに合わせたフォントを用意する必要がない。
この中でもType1フォントは実際の出力機の解像度であるグリッド上にアウトラインデータが展開され,ビットマップに変換されるので,出力機の解像度を最大限に生かすことができる。
1. ドットの集まりで文字を形成しているので,ここはビットマップフォントを選択する。
2. 文字の線分情報を記憶しているのが,ベクトルフォントである。
3. CADでは文字の骨格線だけを表したストロークフォントがよく用いられる。
4. 文字の形状の輪郭線をすべてデータとして持たせているのが,アウトラインフォントである。
5.6. アウトラインフォントにはType1やTrueTypeがある。アウトラインと言っても,Type1は3次ベジェ曲線を用い,TrueTypeは2次Bスプライン曲線を用いるという,表現方法の違いがある。
7. アウトラインの中を塗りつぶしてビットマップデータとすることをラスタライズと言う。
8〜13. Type1はDTPの標準フォントとして使われている。Type1は低解像度のモニターやプリンタ出力に際し,文字のつぶれを防ぐためのデータが付加されている。これをヒント情報と言う。
Type3はType1に比べてデータが大きく,ラスタライジングも遅く,ヒント情報が含まれていない。そのため,現在ではあまり使われていない。
Type1のプリンタ出力はRIPでラスタライズされるが,それをパソコンのOSレベルで行うものとしてATM(Adobe Type Manager)がある。
【解答】
1.(3) 2.(1) 3.(1) 4.(3) 5.(1) 6.(3) 7.(4) 8.(3)
9.(1) 10.(2) 11.(2) 12.(3) 13.(2)
【重要用語】
デジタルフォント,ビットマップフォント,
ストロークフォント,アウトラインフォント
(出典:プリンターズ・サークル 1999年1月号より)
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