DTP豆知識(199902)


第11期DTPエキスパート認証試験は1999年3月14日に行われます。本コーナーでは試験に向けての対策講座として,DTPエキスパート 岸本正治氏に問題を解くうえでのポイントなどを解説していただきます。試験勉強の参考にご活用ください。
   

問1 CIE L*a*b*


次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
 国際照明委員会の略称を[1.(1)ISO (2)CIE (3)LCH (4)IOC]と言い,そこでは色や光に関するするさまざまな取り決めを行っている。
 産業用の色の計測を行う分野では,色のずれが問題になる。このずれを[2.(1)色度 (2)明度 (3)収差 (4)色差]と呼び,その値を[3.(1) °K (2)xy (3)θ (4)ΔE]で表す。これを扱う表色系は知覚色度が均等な表現が必要になり,1976年にL*a*b*表色系が制定された。日本でもJIS(JIS Z8729)で採用され,各分野でもっとも広く用いられている。
 L*a*b*表色系はL*で[4.(1)色度 (2)明度 (3)収差 (4)色差]を表し,色相と彩度を示す[5.(1)色度 (2)明度 (3)収差 (4)色差]をa*とb*で表す。a*とb*は色の方向を示し,+a*は赤に向かい,-a*は[6.(1)黄 (2)青 (3)緑 (4)紫]に向かう。+b*は黄に,-b*は[7.(1)白 (2)青 (3)緑 (4)黒]に向かうことを示している。数値が大きくなるにしたがって色が鮮やかになる。
 L*a*b*はシステムやデバイスに依存しないこと,またRGBやCMYBkに比べて色再現領域が広いことなどから,カラーマネジメントシステムやソフトウェアの標準カラースペースとして用いられている。  
    【出題の分析】
     CIE L*a*b*はCIE XYZとともにカラーマネジメントの標準色空間となっている。
     DTPが普及するにつれて,制作側のモニターと最終印刷物とのカラーマッチングが問題となった。当然,画像入力部分のスキャナや途中生成物のためのプルーフ出力機なども,カラーマッチングの範囲となる。

    【解法のポイント】
     CIE L*a*b*については模式図を頭に入れておくとよい。CIE XYZと違って分かりやすい構図をとっている。

    【問題解説】
    1. CIEというのは,測光とか測色の標準を決める国際委員会のことである。
    2〜3. L*a*b*においてAとB2つの色差を数字で表すと,L*の差,a*の差,b*の差になるが,それは三次元においてはAとBの距離ということになる。これをΔE(デルタE)という。これだと簡単な数字で色の差を表すことができる。特に製造業において同じ色の製品を出荷するとき,有効な検査指標となる。
    3〜7. L*a*b*は知覚色度を均等間隔の数字で表すことを目的として作られたもので,L*は明度の数値を表し,+a*は赤,-a*は緑,+b*は黄,-b*は青を表す。

    【解答】
    1.(2) 2.(4) 3.(4) 4.(2) 5.(1) 6.(3) 7(2)

    【重要用語】
    国際照明委員会,色差,ΔE,L*,a*,b*, カラーマネジメントシステム


問2 OS

次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
 OSは,コンピュータで処理を行ううえで共通して必要となる入出力機の制御やファイルの管理を行うもので,[1.(1)アプリケーション (2)基本 (3)ユーティリティ]ソフトウェアとも呼ばれる。画面を見ながらマウスでメニューを選択して命令を出す[2.(1)GUI (2)CUI (3)プロンプト]はOSの機能であり,漢字を入力するための[3.(1)GUI (2)GDI (3)FEP],colorsyncなどの[4.(1)CMS (2)SMC (3)GDI],あるいはフォントの描画など,共通に使うモジュールを持っていたり,組み込むことができる。
 GUIについては,同じOS上で動くアプリケーションの間ではアイコンやプルダウンメニューなどが[5.(1)統一されている (2)それぞれ異なる]。OSが異なるアプリケーションソフトはOSごとに個別に対応しなければならない。例えば,MacintoshのOSのGUIの描画ルーチンは[6.(1)GDI (2)PDF (3)QuickDraw]であり,Windowsでは[7.(1)GDI (2)PDF (3)QuickDraw]である。

    【出題の分析】
     DTPになってコンピュータを使った制作が日常的になってきた。それとともにコンピュータの機能を知っておくことが,より重要となってきた。

    【解法のポイント】
     制作に使うアプリケーションは毎年機能がアップしてきているが,これはOSというソフトの発展に負うところが大きい。おもだったOSの機能を整理しておくとよい。

    【問題解説】
    1. OSはオペレーティングシステムの略で,基本ソフトウェアとも言われる。
    2. OSの機能の中にGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)がある。これは命令をコマンドで打ち込まなくても,画面上のアイコンなどを選択することによって,やりたいことを選ぶことができるものである。これはMacで最初に採用されたもので,当時は画期的なものであった。現在はWindowsもよく似た環境にある。
    3. 漢字の入力,正しくは「漢字かな混じり文」はFEP(フロントエンドプロセッサ)の働きによる。
    5. OSの機能に「アプリケーションの使い勝手の共通性」がある。できるだけ統一されるようになっている。
    6〜7 画面上に文字や描いた絵をすばやく描画する機能として,Macの場合はQuickDrawが,Windowsの場合はGDIがある。
     Macの場合の描画システムは,丸とか四角といった描画のためのパーツが用意されており,それらを組み合わせてモニター上に描画する。
     ただし,Illustratorの場合は独自に描画ルーチンを持っており,ベジェ曲線などを画面に描画することができる。


    【解答】
    1.(2) 2.(1) 3.(3) 4.(1) 5.(1) 6.(3) 7.(1)

    【重要用語】
    OS,基本ソフトウェア,GUI,FEP, QuickDraw,GDI



問3 CTP

次の文の[ ]の中の正しいものを選びなさい。
 オフセット印刷機で使う版材を,イメージセッタや刷版用のレコーダのような大型[1.(1)ラスターデバイス (2)ベクターデバイス]にセットして,RIPから直接刷版を作る方法のうち,半裁以上の大きさのものをCTP(コンピュータ・トゥ・プレート)と呼んでいる。
 従来は大貼りフィルムから[2.(1)DDCP (2)校正刷り (3)CTP (4)ケミカルプルーフ]を行ってから刷版製版をしていた。ここで誤りが発見されると,フィルムに対して直接[3.(1)筆 (2)ストリップ (3)再露光 (4)マスク]で修正することもできた。フィルムの流用や大貼りは,CTPでは不可能になるので,事前に校正を済ませて,製本の仕様に合わせてページを再配置する[4.(1)殖版 (2)面付け (3)トラッピング (4)プレフライト]や,色版のズレを見込んだ補正である[5.(1)殖版 (2)面付け (3)トラッピング (4)プレフライト]を行う。
 CTPでは中間工程がなくなるため,画質の劣化が最低限にとどまり,高品質が得られるが,刷版製版で行っていた[6.(1)現像 (2)トラッピング (3)焼き度 (4)インキ]調整はできないので,前工程で[7.(1)ワークフロー (2)カラープルーフ (3)カラーマネジメント]などを行っておく必要がある。
 このようにワークフローが従来の製版と異なるので,部分的な工程変更としてCTPを導入するのは難しい。

    【出題の分析】
     最近の出力デバイスを問うもの。PSプリンタ,イメージセッタは従来からある出力デバイスだが,さらに刷版出力が可能なものとしてCTPがある。CTPはコンピュータ・トゥ・プレートという意味で,コンピュータから直接刷版(印刷版)出力することを指す。

    【解法のポイント】
     CTPによって工程が大幅に短縮されるが,フィルム出力から刷版での従来の工程では可能であった網点の調整ができなくなった。特に刷版で行っていた焼き度調整はできない。
     このように,CTPではシステム全体の工程に影響してくるという認識を持つことが,問題の理解につながる。

    【問題解説】
    1. 出力機はおしなべてドットデータである。Illustratorで作ったベジェ曲線であっても,Photoshopで加工したビットマップデータであっても,最終的にはドットのデータ(均一な点)にならないと,出力できない。このドットデータをラスターデータとも言い,PostScriptからラスターデータに変換する機能部分をRIP(ラスターイメージプロセッサ)と言う。
    2. 刷版にいたる工程で「校正刷り」という工程がある。これは本機の印刷の工程と同じように,でき上がったフィルムから刷版を作り,校正機で1枚ずつ印刷する。一方,フィルムができる前に擬似的に網点を生成し,出力するプルーフがDDCPである。
    3. 従来,訂正をするには,部分的にフィルムを削って貼り替えるという,ストリップと呼ばれる方法が行われてきた。これは訂正できる範囲が限定されるが,フィルム全体を出力し直す手間は避けることができる。
    4. CTPの場合は,このようなストリップの訂正だけでなく,旧フィルムからの部分的流用などができなくなった。
     また,面付けと言って,ページものの場合は正しい位置にページがくるように配置しなければならない。製版工程だけでなく,刷版の工程においても面付けの直しが可能であったが,CTPではそれができない。
    5. また,印刷のズレを見込んだトラッピング処理も,製版だけでなく刷版においても,焼き度を調整することで可能であったが,これもCTPではできなくなるので,制作側で処理しておく必要がある。
    6〜7. もうひとつの注意点として,カラーマネジメントがある。CTPでは,途中での微調整ができなくなるので,カラーマネジメントをしっかりやっておく必要がある。
     このように述べていくと,CTPの導入がシステム全体にかかわることであることが分かる。


    【解答】
    1.(1) 2.(2) 3.(2) 4.(2) 5.(3) 6.(3) 7.(3) 

    【重要用語】
    CTP,ラスターデバイス,RIP,DDCP, ストリップ,面付け,トラッピング,焼き度調整, カラーマネジメント



(出典:プリンターズ・サークル 1999年2月号より)

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