「CTP」

(Page98 コンファレンス 内容要旨)

モデレータ

・社団法人 日本印刷技術協会
常務理事 山内亮一

スピーカー

・VMS-JAPAN
代表 久米正次 氏
・富士写真フイルム株式会社 営業本部
印刷システム部技術 担当課長 矢沢 宏巳 氏
・カシヨ株式会社 生産本部
常務取締役 荒井 義朗 氏

現在,日本におけるプレートセッタ導入は43社,51台である。世界の普及状況に比べると導入率は非常に低いが,それはデジタル化の遅れによるところが大きい。欧米における経験から,CTP普及のインフラは,デジタルデータでの入稿率が50%を越えることだが,日本におけるその状況は2000年あたりという見方が示された。

現時点のCTP関連の技術的状況は,「迷わずに導入できるシステムはないが,迷っていたら導入できない」という,デジタル技術そのものの状況と同じである。

まず,フルデジタル化については,無理に全行程をPSデータで通す必要はなく,顧客のデジタル化の状況,自社の技術力およびデジタル化の目的(プリプレスの合理化なのか,ワンソースマルチユースを目指すのか)によって選択すればよい。

版材は,サーマル版の可能性への期待が高いが,すぐに導入するなら,品質,システムの安定性の面で銀塩タイプが安全な選択肢である。

日本語対応のプレフライトチェッカーは使える。ただし,当面,欧米と同じ仕掛けにはならないから,フォントの管理をきちっと行う方法を決めて対応することだ。RIPについては,2段階RIPの登場で,処理時間,フォントへの投資コスト,RIP―ONCEの環境などの問題はクリアされつつある。ただし,現時点では,専用フォーマットであるという点を承知して使うことになる。

色校正の問題は,技術的にはΔEで議論をし,標準化を進めてきたような会社にとってはクリアされている。ただし,顧客の要望に沿って「印刷」の校正をしなければならないならば,なにもDDCPにこだわることはない。さらに平台校正のような不安定な方式も棄てて本機校正を採用することも,戦略的な視点から見れば現実的な選択肢であることが,コストシミュレーションによって示された。

CTPの導入は,現場のひとつの改善というレベルの課題ではない。中ロット以上の印刷市場におけるし烈な短納期,低価格競争に勝ち抜くために工場全体をリエンジニアリングするという経営戦略の一翼を担うものである。「迷わずに導入できるシステムはないが,迷っていたら導入できない」という状況の中では,このような視点からの検討,決断がなされなければ,結局は導入・運用もできないし目的も果たせないだろう。

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