シーボルトSFより 離陸したCTP

報告 その6

イギリスのVantage Strategic Marketingという会社がCTPの調査をしていて、世界に850台のプレートセッタがあり、年300台の増加をしたという。これによる予測として、2001年にはCTP率は13%になろうという。シーボルトスタッフのアンディトリビュートは、コンピュータ・ツー・プレート(CTP)は次第に多くの一般印刷会社で導入され、世界で900台、そのうち600台が北米と予想している。

CTPで先行しているアメリカ大手印刷会社は、1台のCTPあたり50万ドルの投資でも可能で、ダネリーは完全CTPに移行中である。客もCTPを指定してくるようになったという。CTPは印刷品質の信頼性向上/安定化に役立ち、同じ紙面をどの印刷工場で刷っても同じ結果になる。CTPで刷版に起因する印刷のトラブルが解消されることで、工場管理で時間コスト$1000かかっているのを半減させられるという話もあったが、何が$1000なのかはわからなかった。

今は8ページのCTPが主流であり、その市場のリーダーはクレオで、大判のカタログ、通販あるいは雑誌、オフ輪を使うようなところで強い。雑誌印刷の市場では、クレオでサーマルプレートという組み合わせ以外ではほとんど仕事ができないという。枚葉の比較的高品質が求められるカラー物に関しては、ガーバーのクレセント42が一番多く導入されている。

アメリカはサーマル一色であり、既存CTP設備に対して、サーマルアップグレードを提供するベンダーもでている。アンディ氏は富士写真フィルムも北米の大印刷会社ケベッカーと契約をするためには、品質の高いサーマルプレートを出さざるをえなくなったといった。しかしプレート技術はまだ発展途上段階で、後処理も要らなくするものがデュポンやプレステックで出ている。サーマルの無処理化には、まだ2年はかかりそうである。

まだ多数の印刷会社にとってはCTPはコストがあわない。ことしの傾向としては、B2サイズのCTP機の出現であり、価格も下がって15万ドル(1800万円)くらいになった。さらにアイリスのインクジェット方式のように、感材がコートされていない陽極酸化アルミプレートの上に画像を作る方式により、さらに半額のものが出るとみられている。CTPの参入は多く、価格は急に下がりつつある。

結局アメリカでは印刷会社がMacとRIPとCTPを持つことで、デザイナのデータを直接受ける営業形態にシフトしつつある。今までのCTPはCEPS経由でTIFF/ITのデータを受けることが多いが、デザイナからPostScriptやPDFのデータで受ければコストダウンになり、顧客から好まれる。

製版側からみればTIFF/ITの方が今まで通りであるから好まれる。デザイナがRGB画像で作って校正したものを直接CTPに出すのは品質的に信用できない気運がまだ残っている。CTPがさらに普及するかどうかは、CEPSヌキでコストダウンをするか、品質の冒険を嫌ってCEPS出力を使うかにかかっているようだ。

技術進歩は緩やかだが、皆が楽観している。品質/校正へのこだわりなど商習慣も緩やかな変化のようである。その穏やかな時代が2001年までいっても、その時点での普及率は臨界点になるであろうから、その先は導入が一挙に加速するのだろう。 次回は、気が向いたらオンデマンドビジネスについてとりあげる。

1997.11.20 小笠原 治

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