PAGE98のみどころ

全般的な状況

今日パソコンは広範に普及しただけではなく、オフィスの机にあるものでも、かつてのトータルスキャナ以上の能力を持つものとなった。それでグラフィックアーツ産業は、より価値の高い仕事をして、売り上げを上げることができるようになったのだろうか。

道具がそのようにすばらしい能力を持つようになっても、やっている仕事の価値が過去と同じであれば、相対的には優位性は薄れる。

DTPが広まったことにより、ハードウェアの購入価格が下がるとか、中間生成物が削減されるとか、統合的な処理ができるとかのメリットが明らかになった。一方で昨今料金問題が叫ばれるようになったのは、合理化の成果があらわれたことや、作業のボーダレス化で競争が増加したことによる。

従来のプリプレス業界は、制作機器の独占性がなくなり、売価が下がり、競争が激しくなったので、出力側の装置産業化へと向かった。しかしそこはオフ輪と同じく集中処理能力が競争となるところで、勝者はわずかしかいない。

そこでDTPでデジタル化した先の展開として、オンデマンド印刷やマルチメディアへの取り組みが叫ばれたが、マルチメディアはコンピュータ化そのものであり、強みを発揮できるところはやはり少しの業者しかない。

オンデマンド印刷は、ショートランという面ではクイックマスターDIのようなオフセット印刷に戻り、ジャストインタイムの面ではDocuTechを越えることはなく、バリアブルページの面ではBFから発展したコンピュータ出力を越えることはない状態である。つまりどの業者にもあてはまり、しかも手軽に取り組めて、新しい価値をもたらす技術ネタが無いことがわかりはじめた。

PAGE98の出品傾向

DTP関連はソフトのバージョンが零コンマいくつ増えたような変化しかないが、機器開発という点では、デジタルカメラやカラープリンタ/プロッタなど、昨年と出品物が大きく入れ替わる分野がある。

また話だけであまり取り組まれていなかった平台校正に代わるカラープリンタのプルーフや、それを実現するためのインフラでもあるカラーマネジメントも、にわかにリアリティをもちだした。

従来Macのネットワークで作業していたDTPは、UNIXやWindowsNTサーバと高速LANが必須のインフラとして認識されるようになった。デジタルデータは印刷原稿に使うだけではなく、有効活用を考えてデータベース化することも真剣に考えられるようになった。

文字原稿のデータベース化のためにSGMLを使うことや、SGMLによってデータ加工を効率化するためのツールが身近なものとなりつつある。

コンファレンスのテーマでは、PDF開発、OpenType、多言語処理、データベース出版、デジタル資産管理、文書管理など、従来のプリプレスの日常作業とは少し離れたテーマが、今後の基礎的テーマとして取り上げられるようになった。

こういった展示と会議の一連の傾向を、プリプレス離れと感じるか、プリプレスという枠を乗り越えた新しい価値の追求と感じるか、意見が分かれるかもしれない。フルデジタル化の先にどのようなビジネスを描くのかによって、新しい技術の評価も分かれるだろう。今まで一つの船に乗っていたプリプレスの人々が、岐路に立つようになった。

(テキスト&グラフィックス研究会会報 1998年1月23日号より)

プレゼント

展示みどころの詳細は、T&G研究会会報の特別号として、展示会場である文化会館2fの受け付け後入った右手のJAGATのブースで配布しています。ぜひお立ち寄りください。

またコンファレンスやセミナーの各部屋においても、T&G研究会会報の見本誌を進呈します。場所については、コンファレンスの情報をご覧ください。

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