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業績向上のキーワードは業態変革、業務革新

〜印刷後継者・経営幹部ゼミナールOB会より〜

JAGATでは1年に1回、印刷後継者・経営幹部ゼミナールを行っている。昭和59年(1984年)の開始から昨年で23回を数え、修了者は501人となっている。当ゼミは、経営幹部となるための知識体系を学んでいただくとともに、全国から集まる受講者とネットワークを作ることを目的としている。その修了者の方々の懇親,情報交換を図るOB会を、PAGE2007の会期に合わせて行った。そこで行われた事例発表から,ここでは二つの発表を紹介する。キーワードは業態変革、業務革新である。


地域ブランディング情報誌の発刊
渕上印刷 柳 昌子様鹿児島の渕上印刷は、創業60年を機に出版部を設立、2005年9月からフリーペーパー情報誌「Region(リージョン)」を季刊で発刊している。同社のマーケティングディレクター柳晶子氏から、情報誌発刊の意図、ソリューション展開を紹介していただいた。

フリーペーパーといえば、地域の店舗紹介や求人情報を扱うものが多いが、当誌は読者対象を鹿児島メインで活動するビジネスパーソンとし、鹿児島のビジネス・文化に焦点を当てている。


編集理念は「鹿児島の意欲的なヒト・モノ・企業情報を多角的に発信」とし、他の雑誌や新聞ではできないような内容を企画立案、鹿児島の魅力を発掘し、鹿児島を活性化していくとしている。その意味で「Region」を地域ブランディング情報誌と位置づけている。

印刷会社の営業は、企画力や提案力が不足している。自社で出版部を設けて、企画、編集、デザインから情報誌発行のすべてを担当することによって、ソリューションというマインドが培われてくる。情報誌を企画・編集・出版することが、従来は受注したものをただ刷るだけという印刷営業の体質を変革するための最良の自己啓発になるとしている。

渕上印刷のスローガンは「情報をデザインする」。「Region」の発刊を核に、自社企画の書籍、写真集などの発刊と事業機会の幅を広げてきている。読者とのネットによる双方向のコミュニケーションの展開も視野に入れている。

「Region」はクオリティの高い情報誌という認識が拡がり、それが会社の信用力につながり、事業の基盤そのものを広げることになる。顧客への企画提案による新たな需要の掘り起こしやクロスメディア展開による事業領域の拡大に結びついていくことになる。

情報誌発刊の取り組み、情報誌を核にした様々な展開が、同社の業態変革の一翼を担うものとなっている。

高収益企業への変革
東銀座印刷出版 内藤文夫 様 東銀座印刷出版 取締役相談役 内藤文夫氏からは、高収益を実現するためにどのような変革を積み重ねてこられたのかを語っていただいた。タイトルは「なぜ、失血死の淵から高収益企業に変身できたのか」。

内藤氏が社長に就任されたのは1984年。その期は、2億5,600万円の債務超過という状態で、そこから経常利益率15%を実現する会社へと変革されてこられた。2007年3月期は、経常利益率15.1%を見込む。

採算性を高めるために、はじめに行ったことは薄利多売との決別である。ボリューム売上を追うことをやめ、同社のシステムに合った仕事に切り替えるということを徹底して行った。売上志向から利益志向への転換である。

次は、自己資本を充実させるということで、競争時代の「原価企画」を打ち出した。売値は市場価格、競争の中で決まる。それに対して経常利益率15%を目標に設定し、原価をどのように押さえ込むか、原価を企画するのか。そのための施策を講じた。

まず、工数管理を徹底的に行った。すべての物件、どんな小さな物件でも、1時間当たりどれだけ利益を上げているのかをきっちりと把握できるような工数管理、社内仕切値体系を構築された。また派遣社員を使っても仕事になるという仕組み、派遣社員がチームの一員として仕事ができる仕組みもつくりあげられた。

利益志向の中で貫かれている考え方が「一対一の対応を崩さない」ということである。一つ一つの作業、一つ一つの材料で適正な利益を得られているのか。撮影なら撮影で、デザインならデザインで、用紙なら用紙できちんと利益を取れているのか。グロスで何%儲かっているからいいということでは、この原則が崩れ、利益率を押し下げてしまう。

経常利益率15%を出すための基本的な考え方として「小額物件は宝の山」という営業のあり方も徹底されている。それは93,000円と98,000円の差を考えるということである。その差額の5,000円は、経常利益に換算すれば5%を超えている。お客様にただ単に調達コストぎりぎりの売価を示すのではなく、付加価値を認めていただく営業をするということである。

また、印刷業は製造業であることの強みを活かす、メーカーとしての強みとして「限界利益」を見るということである。内部生産を徹底的に重視することによって、固定費を利益に変えるという考え方である。それによって40%を超える製造利益率を実現している。

様々な改革によって高収益体質となった同社であるが、更なる飛躍を目指されて、外部からの資本を受け、新たなステージに進もうとされている。

トップの経営思想があり、その実現に向けての行動が、社員の意識改革/人材育成となり、その集積が事業領域の拡大、収益向上に結びついていく。社員一人ひとりの仕事のあり方が、相乗効果としてより大きな成果を得られる仕組みになっている。




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【開催要項】
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第24期 5月11日(金)開講
印刷後継者・経営幹部ゼミナール
〜後継者・経営幹部の総合力upを約束する〜

JAGATの印刷後継者・経営幹部ゼミナールは、経営幹部として必要な知識体系を学ぶとともに、参加企業各社の強みを共有できるネットワーク/パートナーをつくることを目的としています。

次回の第24期印刷後継者・経営幹部ゼミナールは,5月11日から開講される。明日の印刷経営を担う人材を養成します。


●本セミナーの詳細と資料請求、お申込みはこちらにてご覧いただけます。

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