DTPエキスパート認証試験・カリキュラム
第8版−2008年12月−
はじめに
1994年3月からDTPエキスパート認証試験が始まった。DTPは、合理化をすすめるとともに品質を維持、向上するための手法も重要になった。
このような環境のなか、カリキュラムも変化を続け、今日の「よいコミュニケーション」「よい制作環境」「よい印刷物」「高いパフォーマンス」というキーワードを元にしたカリキュラムに変わった。
印刷発注では、創作物がインターネットなどで簡単に流布することができるようになり、著作権問題が以前より重要性をもつようになってきた。企業のコンプライアンスもより強く叫ばれるようになり、印刷物製作と密接にかかわる知的財産権や個人情報保護法がますます重要性を増している。
DTPは、制作範囲の多様化に伴い、縦組みの組版をはじめ、デジタルカメラ入稿や印刷を考慮した画像処理、検査・検版にいたるまで、さまざまな印刷物について品質を維持して制作する責任がある。とくに、工程の中抜きや自動化によって制作途中に人間が介在することが減少するので、ワークフローを組み立てる際にチェックポイントを明確にする必要があり、検査の可視化や自動化の確立も重要になる。
今後のDTPは、RGB画像データのマルチユースはもちろん、テキストデータの合理的利用も広がりを見せるだろう。テキストデータの合理的利用とは、XMLを利用した自動レイアウト処理やサーバ上の組版などで、コンテンツの二次利用やアーカイブを重視したものになる。これらはバリアブル印刷の基盤となることもある。各データのあり方は出力からの逆算ではなく、よりニュートラルなものが必要になる。
また、受発注にまたがる分散環境のコラボレーションが重要になり、MacとWindowsに関わる作業や、ネットワークを介して素材データをやり取りするなど自由度の高い作業が求められる。
クリエイトから印刷まで一貫したワークフローを考慮して、品質検査や検版を自動化したり、リモートでおこなうことがより重要性を増してくる。エキスパートは、このような品質管理に関しても新しいルールを作る責務があるだろう。
DTPエキスパートカリキュラム第8版では、知的財産権や個人情報保護法の内容を掘り下げるとともに、基礎的なものではあるが、「印刷見積り(積算)」を新たな項目として追加している。
パソコンの古い機能に関する項目は削除してあるが、フロッピーディスク等のレガシーメディアに関しては意識的に残している。古文書がアナログ時代に入稿されるように、今後も対処する可能性がないとは言えないからだ。
DTPエキスパート認証委員会
2008年12月
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