■ DTPエキスパート

企業の受験サポートに関するアンケート報告

●調査方法等
  1. 時期:1999年5月25日〜6月11日
  2. 対象:第11期DTPエキスパート認証試験合格者 802人
  3. 方法:合格証に同封しての郵送によるアンケート
  4. 回答数:554人(回収率 69.1%)

●集計結果

 まず,回答者が所属する企業の業種を聞いて「印刷業界関連」か「それ以外」の二つに分けた。

    所属業種
     回答数 
    A・・・印刷・関連企業(メーカー・ディーラー等含む)  315 
    B・・・非印刷企業(個人含む)  239 

 57%が印刷関連企業に属し(以後このグループを「A」とする),残りの43%が非印刷(同様に「B」とする)であった。3月の受験時点での業種比率では,反対にBグループの方が上回っていた。合格後に晴れて印刷関連業界に就職したために比率が逆転したということもあるであろうし,あるいは業界の人の方がアンケートに協力的であった結果か?

【設問1】本資格取得の動機は?(複数選択可)

    選択肢
       A     B  
    ・自己啓発・実力試し  200    108  
    ・実質的な勉強になる  168     98  
    ・資格の将来性をみて   85    104  
    ・会社の業務命令   64     13  
    ・転職の準備のため   46    141  
    ・社内の資格制度,昇進・昇格のため   33      6  
    ・知人等からのすすめ   14      9  
    ・印刷物の内製化に取り組むため    6      4  
    ・その他    6     16  

 Aでは以前の調査でも「自己啓発」や「勉強のため」に受験する人が圧倒的多数を占めていたが,約3割の人が「業務命令」や「社内の制度」により受験しているのは,かなり高い比率だと言えよう。先頃行われた第12期試験においても,全受験者(1836人)中,341人(41社)が“企業受験申請”での受験であった。
 Bグループで「転職準備のため」に「資格の将来性をみて」受験する人が多いのは,当然であろう。

・「その他」の回答

    ・営業ツール
    ・出向先がオンデマンド印刷をやっているところだったので実務で必要だった
    ・フリーランスで仕事をしているので、自分の能力を客観的に示せるものが欲しかったので
    ・業務の幅を広げる何らかのきっかけにするため
    ・外注デザイナーのクォリティ・コントロールのため
【設問2】受験に際しての会社からのサポートは?(複数選択可)
    選択肢
       A     B  
    ・受験料の全額負担  162     28  
    ・特になし   98    148  
    ・社内勉強会の開催   69      3  
    ・試験会場までの交通費負担   48     12  
    ・受験参考書等の購入費負担   43     10  
    ・社外(指定講座など)講習会の受講料負担   40     12  
    ・直前模擬試験または通信添削模擬試験の受験料負担   20      8  
    ・受験料の一部負担   10      1  
    ・受験のための宿泊費負担め    7      4  
    ・その他   30     18  

 少なくとも何らかの援助をしている企業がAで7割,Bで4割であった。「受験料一部負担」では,50%という回答が6名,80%が1名,不明が4名であった。「すべてを負担する」という回答も3名あった。
 「社内勉強会」は,社内の現役DTPエキスパート有資格者が中心になって,週末や就業時間後に行われているものが多いと聞く。

・「その他」の回答

    ・合格者に対して受験料及び,交通費全額負担 (同様回答8)
    ・受験時は就職が決まっていなかった (同様回答4)
    ・1回目は受験料全額負担,2回目以降は自己負担 (同様回答4)
    ・取引先にいる現役DTPエキスパートの方をまじえた座談会
    ・会社には内緒である/報告していない (同様回答6)
    ・合格後受験料を負担してほしいと申し出たところ,個人に帰属する資格なのでダメと断わられた。
    ・金額的には特にないが,勤務時間中に講習会に行かせてもらった
【設問3】資格取得後の会社の対応(複数選択可)
    選択肢
       A     B  
    ・特になし  176    156  
    ・資格手当の支給   52      3  
    ・社内報等への掲載   39      7  
    ・一時金の支給   30      3  
    ・社内表彰   12      2  
    ・希望部署への異動    1      0  
    ・昇進    1      0  
    ・その他    2     14  

 「DTPエキスパートの知識は,デジタル時代にこの業界で生きるための共通のベースであり,関わる社員全員が持つべきである。資格を持っていて当たり前,スタートラインに立っただけである」との認識に立てば,取得後は「特になし」でも妥当であろう。即「希望部署への異動」や「昇進」がほとんど無いのも当たり前の話である。
 「資格手当」は,月額で最低1,000円〜最高20,000円で,平均すると5,742円であったが,5,000円という回答が最も多かった。「一時金」では,最低5,000円で最高10,000円という回答もあったが,だいたい10,000円〜30,000円が多かった。

・「その他」の回答

    ・年齢が上の人達は,興味なしといった感じです
    ・出版社の広告部なので,資格の存在さえ知らない人がほとんどだが,仕事にもずいぶん役に立つ資格であることは分かるようだ
    ・学生なので分からないが,就職活動中,筆記試験がなくなったりして,優先してくれました
    ・“実務経験”が無い。ということであいかわらず面接すら受けられません
    ・名刺への記入
    ・資格手当申請中
【設問4】本制度への今後の期待(複数選択可)
    選択肢
       A     B  
    ・知名度がもっと上がり,受験者が増えて欲しい  210    155  
    ・試験をもっと難しくして難関資格であって欲しい   66     39  
    ・もっと上位のクラスの資格を作って欲しい   56     40  

 下記の自由意見でも,資格の「知名度を上げる」ことを望む声が非常に大きい。社会的な認知度を上げ,資格の価値を高らしめていくのは,われわれ事務局サイドの使命であると共に,現役の有資格者自身によるところも大である。おかげさまで制度立ち上げ以来受験者は増える一方であるが,いずれにしても資格のみが一人歩きをして形骸化し,“資格のための資格”になってしまうことだけは避けなければならない。

●その他自由意見

・試験勉強,本試験,全てが自分の力となった。広報課でパンフを作る仕事をしているが,経験が少ない為自分の力を形にしたかった
・印刷関連企業に勤めていても,知名度は実際まだまだです。価値ある資格なので,もっとみんなに知ってもらいたい
・制作部分以外は,デジタル化が遅れている。業界中での改革意識をもっと高めて欲しい。理論に欠くし,情報のマルチユース,デジタルコミュニケーション等クライアント主導になっている
・パソコン環境の変化に伴い,DTPに関する知識,技術も変化していますが,その情報もどんどん公開してほしい
・他の資格試験に比べて,受験料が高いように思う。課題の採点はかなり労力がいるとは思いますが
・印刷・広告業界以外の(一般企業,学生)受験者の合格率が高いと聞くが,「課題・手順書提出」の様に,実務経験や業務上の知識が有効な問題をもっと増やし(暗記すれば出来る問題以外),よりこの業界でのステータスを確立させたい
・ソフト操作も盛り込んだ上位クラスの資格を作って欲しい
・Windows環境におけるDTPへの資格を作ってほしい
・試験の内容については,時代に即応した問題のいれかえ等もおこなっているようなので, 問題ないと思いますが,回を重ねて知名度・認知度も上がってきているので,もう少しハクをつける時期に来ていると思う。国家試験にするとか…
・まだDTPエキスパートの認知度は低いと思いますので,もっと告知等でアピールして下さい。(自分もアピールしますので…)
・仕事をしているとデザイナー等,コスト意識が少ない人が多くいる。良い印刷物を作るのが目的ではあるが,お金をいくらかけてもいいというのではおのずとない。DTPエキスパート試験にも少し見受けられたが,もう少しコストに関して強調されるべきでは
・試験問題のなかで,出力に対するトラブル,対策などをもっと出した方が仕事の中でも役にたつような気がします
・資格のための資格試験(特にカラーコーディネーターなど)が多い中で,本試験は実務にそった内容であるのが魅力だった
・過去に出た問題と同じものを出題するのは,内容理解せずにただ暗記にのみ受試者を走らせてしまうと思う
・問題数が多く,暗記に頼るものが多いので,本質的な知識や理解度を試すものになっているのかという疑問が残ります。(試験というものがそうなので仕方ないですね)反射神経や体力が衰えていくので年輩者に不利で気の毒です。(私もきつかった)
・下位クラス資格を作り,広く出版社の方に受験して頂き,デジタルワークフローや製版知識を中心に底上げする目的で利用させたい
・やみくもに問題の難易度を上げるのではなく,経験にもとづいた出題もふやして欲しい
・自ら合格しての意見だが,各教科の合格ラインより平均点の方が高いというのは,資格試験としては問題がある
・常に時代と共にあって欲しいです。又,PCの普及の仕方次第では,部門の細分化もあってよいと思います
・地方では,印刷関連企業の方でも,DTPエキスパートのことをよく知らない人が多い。地方試験を行うなどし認知度を高めて欲しい
・この資格はあくまでも基礎なので,次のステップとしては,各々分野を極めるような資格(分野別に特化したも)をつくっては
・印刷関連業界に比べてデザイン業界での知名度が低いように思います。デザイナーにとっても有益な資格である事を広めて欲しい
・業界内では評価されているが,産業界(一般)での認知度が低い
・マークシート方式を見直し,障害者の方でも受験できるような手法を。バリアフリーな試験制度をつくる
・課題制作で不合格になった者へはどの部分が不足していたかをアドバイスして欲しい(僅差で落ちたものは納得しない)
・課題試験の後日提出は,受験者の“本当の”能力が分からないのではないでしょうか?筆記試験と同じく会場試験がよいのでは
・客観的に見て十分に難かしい試験だと思うので,知名度があがり,権威が上がると良い
・非印刷(Web,Office文書のPDF化など)の姉妹資格の創設
・DTPシステム,印刷業務の基本を系統的に学べたことはたいへん有意義でした
・参考にする過去の問題が少なかったので,いままで出題された試験の問題集を出版して欲しかったです
・大企業は有利という不公平感があるため,集中講座(¥70000)を廃止して欲しいです
・知識のみでない学ぶことが人生に豊かな実りをもたらす(内面的な意味で)資格であってほしい
・試験は問題数が多く,知識が優先されていませんか。参考書をまる暗記する方が合格しやすいのは,本当のDTPエキスパートの実力を試すことになるのか疑問です
・資格をいただいた後,色々と情報をいただけたり(メール等で)生きたものになればと思います(そのためにDTPエキスパートクラブがあるのですね)
・JAGAT主催の講演会や情報交換の場をいろいろもうけてほしい。(DTPエキスパートクラブの他に)
・受験会場の増設
・印刷以外のメーカー,ディーラーなど従来「顧客」だった人たちにもっとDTPやJAGATのことをアピールしてほしい
・将来的に「国家資格」となるとよいですね
・更新試験等の情報は早めに知らせてほしい。又,印刷業界の情報もできれば公開してほしい
・具体的な能力水準を,会社側などが分かる様になると良いと思う

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