ブックファンドから誕生した作家に聞く
『女子大生会計士の事件簿』の作家・山田真哉氏

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英治出版の「ブックファンド」で一番ヒットしたのが、現役会計士である山田真哉氏の『女子大生会計士の事件簿』。全額自分で出資し、2002年12月の発売以来2巻合わせて5万部の売れ行きだ。

古典や架空歴史物を読むのが好きだという山田氏は、大学時代の4年間予備校の講師をし、卒業後、予備校職員となるも、会計士を目指して猛勉強の末、1年で合格。会計士を目指している受験生向けに監査の世界をわかりやすく教えたいとの思いが、小説を書くきっかけとなった。

資格試験学校TACに企画を持ち込み、「TACNEWS」に連載が始まった。読者の受験生から「バックナンバーも読みたい」との声があがったので、過去の作品も含めて本にしたいと思うようになった。そこで、10社以上の出版社にアプローチしたが、全滅…。
「受験生の数から考えると、最低でも5,000部くらいは売れるんじゃないかという読みはあった。損はしないんだけどなーと思っていたんですけどね」と振り返る。

そんなとき、英治出版と出会い、ブックファンドでの出版にこぎつけた。自らも書店営業でかけ回るという努力の末、あれよあれよという間にベストセラーとなった。マンガ化の話が持ち上がり雑誌の連載もスタート。また、20社ほどの出版社から小説の依頼がきているという。

『女子大生会計士の事件簿』は、新米会計士補・柿本一麻と現役女子大生会計士の藤原萌美が、監査で次々と起こる難問を解決していくストーリーで、ビジネス書でもあり、ミステリーでもあり、笑いあり涙ありの小説。神戸のルミナリエを舞台にし大震災のことを織り交ぜた作品もある。神戸出身の山田氏は自らも震災を体験したことから「物書きをするなら、絶対、大震災のことは書かないとと思っていた。これは使命感でもあります。運良く、人に発表できる機会を得た1人の人間として、亡くなった同世代の人の分まで震災のことを伝えていきたい」と語る。

自ら作家への道を切り開いた山田氏は、出版界を次のように展望している。
「出版業に限らず、今までになかったものを作ると、どこかで評価されると思います。出版形態についても、2000年の紙の歴史は重みがあるけど、紙よりネットの方が向いている小説がきっと登場すると思う。ネット作家というのもありでしょう。そういう意味で、作品の発表の機会は増えてくるでしょうね」

2004年春には『事件簿』第3巻を出版、「ネタが切れるまで書き続け、会計を面白く描き、役立つ本を出していきたい」と抱負を語っていた。

★後日談・・・
2004年4月、『事件簿3』(英治出版)、『<女子大生会計士の事件簿>世界一やさしい会計の本です』(日本実業出版社)が出版されました。雑誌の連載『公認会計士萌ちゃん』(集英社)のコミックス第1巻も19日にリリース。乞うご期待!!

(文・写真 岡 千奈美/2004年1月)

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