
MacOS版JADEは,James Clark氏が開発し,配布しているJADEをMacOS環境で動作するように私(岸 和孝)が移植したものです。
MacOS版JADEは,現在広く利用されているUNIX版やWin32版のJADEとほぼ同じ機能を実現します。
▼注:
|
▲図1 コマンドライン入力ダイアログ
|
▲図2 ファイル保存ダイアログ
コマンドラインでは,UNIX版やWin32版のJADEと同じ指定(ただし,“-trtf”を除く)ができます。MacOS版では,先頭にプログラム名“JADE”を入力する必要はありません。
[ -BCdeglprsuvG ] [ -alinktype ] [ -bbctf | -bencoding ] [ -csysid ] [ -Ddirectory ] [ -Emax_errors ] [ -ferrorfile ] [ -iname ] [ -ooutputfile ] [ -wwarning_type ] [ -ddsssl_spec ] [ -t ( fot | tex | sgml | xml | html | mif ) ] [ -Vvariable ] [ sysid... ]
コマンドライン入力例:
-fMyDisk:MyDoc:SAMPLE.ERR -dMyDisk:MyDoc:BOOK.DSL -ttex -oMyDisk:MyDoc:SAMPLE.TEX MyDisk:MyDoc:HTML32.DTD MyDisk:MyDoc:SAMPLE.HTM
このコマンドラインは,次のような指示になります。
| 入出力 | ファイル名(フルパス) | 内容 |
|---|---|---|
| 出力 | MyDisk:MyDoc:SAMPLE.ERR | エラー出力結果 |
| MyDisk:MyDoc:SAMPLE.TEX | TeX形式へ変換された結果 | |
| 入力 | MyDisk:MyDoc:BOOK.DSL | HTML 3.2型のためのDSSSLスタイルシート |
| MyDisk:MyDoc:HTML32.DTD | HTML 3.2型の文書型宣言および定義 | |
| MyDisk:MyDoc:SAMPLE.HTM | HTML 3.2型で書かれた文書インスタンス |
次のコマンドライン入力は,JADEが置かれているフォルダーと同じ場所(カレントフォルダー)で入出力する意味になります。
-fSAMPLE.ERR -dBOOK.DSL -ttex -oSAMPLE.TEX HTML32.DTD SAMPLE.HTM
MacOSでは環境変数の概念がありませんので,実現方法はUNIXやWin32などと異なります。JADEが置かれているフォルダーと同じ場所(カレントフォルダー)に“%SP%”という名前(注:JADEの環境変数と共有するため,NSGMLS 1.3.3b2より“%NSGMLS%”から変更しました)のテキストファイルにおいて,次のように定義します。この環境変数ファイルが存在しない時は,すべての環境変数が指定されなかったとみなされます。
環境変数名=値 改行 : :
ここで,環境変数名と値は正しいものでなければなりません。1行に複数の定義は書けません。同じ環境変数名に対する定義が複数行ある場合は,先の記述が有効になります。環境変数名,“=”,値の前後に余分な空白は置けません。環境変数名だけの行は注釈にみなされます。先頭が“#”の行は注釈とみなされます。改行だけの行は意味を持ちません。
| 環境変数名 | 意味 |
|---|---|
| SP_CHARSET_FIXED | 固定的文字集合モードの指定(JADEでは常にYESと解釈されます) |
| SP_SYSTEM_CHARSET | 固定的文字集合モード時の内部文字集合(JADEでは常にUnicodeと解釈されます) |
| SP_ENCODING | 固定的文字集合モード時の省略時エンコーディングの指定 |
| SP_BCTF | 固定的文字集合モードでない時の省略時エンコーディングの指定 |
| SP_USE_DOCUMENT_CATALOG | “-C”オプションと同じ指定 |
| SP_CATALOG_FILES | カタログファイルのリスト |
| SP_SEARCH_PATH | 探索フォルダーのリスト |
例:
#シフトJIS文書のための環境変数 SP_ENCODING=sjis
現在,JADEのバージョンは,1.2.1です。これに対してMacOS版JADEのバージョンはそのベータ2です。すなわち,表1において,○印のオプション機能は確認してありますが,無印のオプション機能はまだ確認していません。これらの確認ができた場合は,お手数ですが,お知らせください。
| 確認 | オプション | 機能 |
|---|---|---|
| -alinktype | 連結型linktypeの活性化 | |
| -bencoding -bbctf | 出力エンコーディングの指定 | |
| -B | バッチモード | |
| -csysid | カタログ記述ファイルの指定 | |
| -C | カタログファイルの指定 | |
| -Ddirectory | 探索フォルダーの指定 | |
| -e | 開いている実体の表示 | |
| -Emax_errors | エラーの許容数 | |
| ○ | -ferrorfile | エラーの出力先ファイル名 |
| -g | 開いている要素の表示 | |
| -iname | マーク区間の制御 | |
| ○ | -ooutputfile | 変換結果の出力先ファイル名 |
| -p | 前書きだけの解析 | |
| -s | 出力の抑制 | |
| ○ | -v | バージョン番号の表示 |
| -wwarning_type | 次のwarning_typeによる警告とエラーの制御 | |
| xml | XMLで許されない構造体 | |
| mixed | #PCDATAを許さない混合内容モデル | |
| sgmldecl | SGML宣言における種々の曖昧な構造体 | |
| should | ISO 8879の勧告に従っていない文書 | |
| default | 省略された参照 | |
| duplicate | 重複した実体宣言 | |
| undefined | 定義されていない要素 | |
| unclosed | 閉じていない開始タグと終了タグ | |
| empty | 空の開始タグと終了タグ | |
| net | net可能な開始タグと無効の終了タグ | |
| min-tag | 最小化された開始タグと終了タグ | |
| unused-map | 使用していない短縮参照対応表 | |
| unused-param | 使用されていないパラメーター実体 | |
| notation-sysid | 引き起こせない記法 | |
| all | 通常避けるべき条件 | |
| no-idref | どんな要素もそのIDとして持たないID参照値でもよい | |
| no-significant | 意味のある文字でないとした文字が生じてもよい | |
| no-valid | type-validであることを文書に要求しない | |
| ○ | -ddsssl_spec | DSSSLスタイルシート |
| ○ | -ttype | 出力形式 |
| ○ | -tfot | 流し込みオブジェクト木のSGML表現 |
| ○ | -tsgml | 別のSGML形式への変換 |
| ○ | -ttex | TeX形式への変換 |
| ○ | -txml | XML形式への変換 |
| ○ | -thtml | HTML/CSS形式への変換 |
| ○ | -tmif | MIF形式への変換 |
| -Vvariable | 変数 |
ベータ版では,変換出力とエラー出力で生成されるファイルの内容はテキストですが,ファイルタイプは'TEXT'ではなく,'BINA'です。従って,それはエディターで開けないかもしれません。
それらが生成された後,File Buddyなどユーティリティを使ってファイルのファイルタイプを'TEXT'へ変更してください。あるいは,生成前に「受け皿」としてファイルタイプが'TEXT'のファイルを用意しておいてもいいでしょう。つまり,出力されると,その内容が書き換えられます。出力ファイルのファイルタイプの設定は,次の強化項目の一つです。
ベータ版では,プログラムのバイナリーは68K用になっています。もちろんPPCでも動作します。PPC用(兼用のFATも)は次の強化項目の一つです。また,Win32版におけるダイナミックリンクライブラリーに相当するシェアドライブラリーはバイナリーに一本化されています。今後,SPの他のプログラムを移植する際に,ライブラリーの共用を行うためにWin32版のように分離するかもしれません。
ベータ版では,処理はかなり早いのですが,処理中状態を表わすウォッチのようなカーソルは表示されません。従って,処理時は,フリーズしたような画面になります。進行表示は次の強化項目の一つです。
ベータ版では,日本語を処理する場合,コンソール画面へ表示される文字が字化けすることがあります。しかし,これはバグではありません。
プログラムの説明については,SP説明書として,できる限り日本語化をしていますが,まだ訳していない文書(カタログやシステム識別子などに関する説明)があります。必要に応じてJames Clark氏の説明を参照してください。
メニュー,ドラッグアンドドロップ,日本語メッセージ,AppleScript対応機能を備えたJADEを開発する予定はありません。
MacOS版JADEを次のパッケージで配布します。皆さんの協力を得て,バグを無くしていきたいと思います。プログラム上の問題が生じましたら,ぜひお知らせください。なお,エラー報告では,使用環境条件の説明に加えて,問題を起こしたデータも添付してお送りください。
MacOS版JADE
|
パッケージの内訳:
| ファイル名 | 内容 |
|---|---|
| JADE | MacOS版JADE |
| README | MacOS版JADEについての説明(英文) |
| jadem.htm | MacOS版JADEについての説明(この文書) |
| jadem1.gif | 同,図1 |
| jadem2.gif | 同,図2 |
| jade.htm | JADEについての説明(バージョン1.0) |
| nsgmls2.htm | NSGMLSについての説明 |
| charset.htm | SPの文字集合の取り扱いについての説明 |
| sgmldecl.htm | SGML宣言についての説明 |
| catalog.htm | カタログについての説明 |
| sysdecl.htm | システム宣言についての説明 |
| sysid.htm | システム識別子についての説明 |
| mif.htm | MIF形式への変換についての説明 |
| tex.htm | TeX形式への変換についての説明 |
| %SP% | JADE環境変数ファイル(サンプル) |
| CATALOG | カタログファイル(サンプル,実行環境に合わせて調整してください) |
| HTML32.DTD | HTML 3.2型の文書型定義 |
| ISOLAT1.ENT | ISOラテン文字1のデータ実体宣言 |
| DSSSL.DTD | DSSSLの文書型定義 |
| FOT.DTD | 流し込みオブジェクトの文書型定義 |
| STYLE-SHEET.DTD | DSSSLスタイルシートの文書型定義 |
| BOOK.DSL | HTML 3.2型のためのDSSSLスタイルシート |
| SAMPLE.HTM | HTML 3.2型の文書インスタンス(英文,サンプル) |
| SAMPLE.GIF | SAMPLE.HTMが参照する画像データ(サンプル) |
(2000年5月記,6月改訂,7月増補)