
最近,XMLの話題ばかりで,SGMLの話題が少なくなりました。最早SGMLは不要なのでしょうか。私(岸 和孝)には,SGMLは不要どころか,ますます重要になってきているとしか思えないのですが。ウェブはともかく,印刷の場面でもXML→XSLの流れでいいのでしょうか。XSLの組版がどこまでできるのかは,いまだによく見えないせいもあります。もしかしたら,XML→SGML→DSSSLの流れが必要になる場面が生じるかもしれないと思っています。
調べてみると,SGMLの経験が不足したままでXMLの応用に飛び込んだような感じです。下図は,ここ10年間におけるSGML/XML関連の記事件数と論文件数の推移を表したものです(1995年以前はデータを持っていませんので,想像してください)。CALSの話題が次第に減るにつれてSGMLの話題も減ってきたことや,EC(電子商取引)の話題が次第に増えるにつれてXMLの話題も増えてきたことが分かります。

| SGML | XML | CALS | EC | |
|---|---|---|---|---|
| 1995年 | 5 | 0 | 26 | 7 |
| 1996年 | 14 | 0 | 28 | 14 |
| 1997年 | 14 | 9 | 15 | 7 |
| 1998年 | 13 | 16 | 8 | 5 |
| 1999年 | 1 | 24 | 11 | 26 |
| 2000年 | 3 | 29 | 4 | 26 |
| 2001年 | 1 | 28 | 1 | 28 |
| 2002年 | 1 | 33 | 0 | 16 |
参考資料)日本経済新聞,日経産業新聞,日刊工業新聞,朝日新聞
| SGML | XML | |
|---|---|---|
| 1995年 | 14 | 0 |
| 1996年 | 17 | 0 |
| 1997年 | 18 | 1 |
| 1998年 | 16 | 6 |
| 1999年 | 15 | 13 |
| 2000年 | 6 | 25 |
| 2001年 | 0 | 18 |
| 2002年 | 0 | 22 |
参考資料)日本印刷技術協会 Text&Graphics研究会会報
SGMLの経験が不足していることは,XMLを応用するだけの下地ができていないということになります。実際に,XSLより高度な組版が可能なDSSSLがほとんど話題になっていません。わが国に米国のDocBookのようなSGML/DSSSL実践活動がないことは致命的な問題かもしれません。ウェブが急速に普及する一方で,DSSSLの規格が遅れて制定されたことが,SGMLへの関心を一層減らす結果になったようです。XSLもDSSSLも組版プログラムですから,それを習得し活用するには,それなりの人材と時間が必要です。
現在の私にはこれといった解決策は浮かびません。ともかくツールとソリューションの必要性だけを指摘しておきます。

(2003年2月記)