![]() 欧州機材展報告 |
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IMPRINTA97に見る最新CTP技術5年に1回,DRUPAの合間に開催されるプリプレス分野の機材展「IMPRINTA97」が,ドイツのデュッセルドルフで6月4〜10日に開催された。DsRUPA95で各社から発表されたCTPも集約の時にさしかかっていた。 −エントリーモデルのCTPとサーマルプレート −加速されたメーカーの連合と集約 IMPRINTA97に見る最新CTP(外面ドラム方式) IMPRINTA97に見る最新CTP(内面ドラム方式) IMPRINTA97に見る最新CTP(平面方式) −主要なCTPプレート −CTPプレートによる新デジタル印刷機/74Karat
エントリーモデルのCTPとサーマルプレート ◆DRUPA95ではプリプレス関連の各ベンダーからCTP関連のプレートセッタやPS版が一斉に出展され、その後の2年間で650台ほどのプレートセッタが設備され、現在は世界中で850台前後が稼動していると言われている。 ◆プレートセッタはイメージセッタと違って出力方式、特に光源の種類の選択と適合するPS版版の特性の相性が強い。光源には488nm(青色)のアルゴン−イオンレーザ、532nm(緑色)のフリークエントダブルYAGレーザ、633nmまたは670nm(赤色)LED、780nm(赤外)LED、830nmまたは1064nmのIR−YAGレーザなどが用いられている。 ◆PS版の画線部形成方式も感光性樹脂(フォトポリマー)、銀塩、転写、さらにインキジェット方式による直描などがあり、プレートセッタの光源などにマッチするように設計されている。 ◆1995年当時に発表されたモデルは総じて大サイズ・全自動の大型モデルであった。これらの機種では、生板は予め暗室でカセットに装填しておくことになる。最近は暗室が全く無いか、あっても小さいところがほとんどだろうが、CTPでまた暗室を作ることにもなってしまった。 ◆1997年になって新たに発表されたモデルの多くは、大型全自動を開発したメーカーが中心になって、エントリーモデルというべき半裁・手差しモデルを開発してきた。これらは機械サイズも小さいので、中規模の企業でも導入しやすいといえる。しかし、生板のセットを手作業にしたモデルでは、作業性の点から明室タイプのPS版へのニーズが出てくる。これに真っ先に対応したのがコダックで、同社は1995年からサーマルタイプのPS版をクレオに対応して供給してきた。今回はサーマルPS版の改良型を参考出品するなど、大きなブースを構えての出展であった。他に明室型としては直描(インキジェット)があるが、低解像度であり新聞印刷用である。 ◆CTP用PS版の明室化を可能にするサーマルプレートの露光には、フィルム用の数ミリワットに対して、1000倍程度の数ワット〜数十ワットという強力なIR(赤外線)の熱効果が必要である。外面ドラム方式のプレートセッタであれば1チャンネル$500ほどのLEDレーザが光源として利用できる。しかし、LEDは照射距離を長くできないので、内面ドラム方式や平面方式ののプレートセッタでは,1本で$3万ほどもの高価なIR-YAGレーザーを採用することで,サーマルPS版が使用できるように改良されてきた。
加速されたメーカーの連合と集約
◆「プリプレスメーカーが開発するものがなくなってきた。ワークステーションは標準プラットフォームにソフトを載せるだけなので,旧来メーカーの出番はほとんどない。残された分野は,デジタルカメラ,小型スキャナ,出力関連製品。メーカー間の協力関係が拡大したのも特徴である」。これは2年前のDRUPA 95でJAGAT会員向け月刊誌『プリンティング インフォメーション』に掲載した記事の書き出しである。このときの協力関係が2年のあいだに企業の生き残りをかけた合併や印刷関連部門の売買など,さらにダイナミックな動きになってきた。
◆初日にまず入った展示1号館では,ライノタイプ・ヘルのブースにハイデルベルグの看板とともに,カナダのクレオ製CTP(コンピュータtoプレート)の新製品がいくつも並んでいるのに驚いた。ハイデルベルグはライノタイプ・ヘルを買収後,初めての出展となったが,IMPRITAの開催前日と当日に矢継ぎ早に記者発表を行っている。ひとつはクレオとの「全面的パートナーシップ」の締結,もうひとつはサーマルPS版に力を入れているコダックとの新たなデジタルソリューション提供における提携の発表で,これによりバックエンド・プリプレス分野への本格参入を明確にしてきた。ハイデルベルグとクレオとの“幅広い提携”には,ライノタイプ・ヘルの工場でのクレオ製CTP生産までが含まれ,今後はさらに密着した両社の関係に発展するかもしれない。
このような動きの中で,ドイツと日本を除いてはライノタイプ・ヘルの名前が消えてしまった。
◆文字の名門ライノタイプとスキャナの名門ヘルの名前は,オパール,サファイアなどの小型スキャナとライノカラーを扱うライノタイプCPS社,フォント関係のライノタイプライブラリー社,ヘリオクリショグラフ(グラビア彫刻製版機)のヘルグラビアシステムズ社の3子会社に残るのみとなった。
◆デュポンは,クロスフィールドの株式の半分を所有していたが,これをパートナーの富士写真フイルムに売却し,さらにシルバーデジタルプレートなどはアグフアに売った。これによって,アグフアのPS版は,自社製のレゾスターとセットプリント(銀塩),へキストから買収したオザゾールのPS版ラインナップ,そしてシルバーデジプレート(銀塩)と3系統のPS版を持つことになった。また3Mは,簡易校正システムのマッチプリントやPostScriptカラー出力機のレインボー,フィルム,PS版などを扱う印刷部門を子会社のイメーションに移している。
◆ヨーロッパでは,ピューラップ・エスコフォトという,2社の社名をつなげた名前の会社ができた。前者はモノクロ専用インナータイプスキャナをはじめ,イメージセッタなどを手掛けてきた企業で,後者はデスクリーニング(欧州ではグラビア製版用に,オフセット製版された網点を消す用途がある)機能のある平面スキャナ(半裁〜全判クラス)を得意としている。
◆協力関係ではサイテックス,KBA(コルブス・アルバート;印刷機メーカー2社が合併したもの),CTPのプレステック,インキメーカーのK+Eが共同で,B2サイズのデジタル印刷機「74Karat」を開発し,参考出品していた。
◆これらの状況を目の当たりにして,デジタル化の進展で製品の種類が整理縮小される中,シェアを獲得した製品だけが生き残り,ユーザーにとっては選択の余地が小さくなっていくことを強く感じる。DTPソフトについては,ほとんど1社の製品の,わずか数種類を世界中のプリプレス工程で使うはめになったが,ハードや資材にも同様のことが起こりつつある。ユーザーにとって「使い物になるオープンシステム」は,メーカー同士が開発レベルからより深く協力し合わなければできなくなっているので,このような傾向はよいとも言えるが,競争原理が働かなくなるという悪い面も出てこよう。
高感度フォトポリマー
銀塩
(日本印刷技術協会 相馬 謙一)
(C)Japan Association of Graphic Arts Technology
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