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Web入力と自動組版を活用したXMLパブリッシング

Webブラウザから、誰でも簡単に原稿入力や修正がおこなえ、リアルタイムに組版結果を確認することができ、さらに印刷物制作やWeb配信もおこなえるというXMLパブリッシングが、普及しつつある。
エクスイズム代表取締役の徳江一義氏に、Web入力と自動組版によるXMLパブリッシングについて、お話を伺った。

エクスイズム・ベースモデル

エクスイズムは、2003年にXSL Formatterの開発元であるアンテナハウスを母体とし、さらに印刷会社のニシカワ、セザックスの資本参加を得て設立した会社である。さまざまな文書のXML化、XML自動組版による印刷媒体制作、XMLデータからWeb配信の開発を行っている。

エクスイズム・ベースモデルとは、Webブラウザから入力されたデータをリアルタイムにXML化してサーバに登録し、コンテンツを頻繁に更新、表示、高速検索する基本モジュールセットである。この基本セットは、短期間でのカスタマイズが可能であり、以下はこの基本セットによって構築した事例である。

六法全書編集システム

従来、ある出版社での六法全書は、原稿や赤字校正をやり取りしながらフルDTPによって編集し出版していた。また、Web上の法令サイトを運営しているが、そのデータはDTPとは別に用意していた。
データをXML化し、Web環境で編集と組版をおこない、編集部内で校正をおこないたいということであった。

これを実現するため、Web入稿したデータをすべてXMLデータとして保管し、自動組版をおこない、印刷にもWebにも使うシステムを構築した。成果物として、PDFによる組版結果とWeb用のHTMLが生成され、ダウンロードすることができる。

このシステムによって、編集部内のPCでの検索・閲覧と改定・編集作業が、必要なときにすぐできるようになった。データを修正し、組版結果をPDFで取り出せる。六法なので、全部で4,800ページくらいある。この仕組みは2005年11月に稼働し、2006年春には詳細六法シリーズとして3冊出版された。

(概要はJagat Info 2006年7月号,詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報 Text & Graphics No.244に掲載しています)

2006/07/06 00:00:00


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