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クロスメディア時代の仕事の進め方

クロスメディア時代の仕事のポイント

 何でも相談に乗れますと言ったメッセージをわかり易くビジュアルの見せていくと言った営業の仕方も必要になってくる。
またクロスメディアにおいては、他の業界の人と一緒に仕事をすることが必要になるので、共通したコミュニケーションのための言葉が必要になる。業界や会社が異なれば常識が違うためである。

 メディアには、今まで印刷媒体、放送、音楽、映画などがあり、そこにインターネット、携帯電話、DVD、携行型プレーヤー、カーナビなどが出てきた。今後はワンセグ、デジタルラジオ、次世代DVDなどにシフトすると言われている。
 これからメディア関係の事業展開を行う場合、何が便利で浸透するのか、何が広がっていくのかの両方を押さえて戦略を練る必要がある。
 顧客への個別対応では、「デジタルコンテンツに強い」という印象をいかにクライアントに持たせるかで受注増への影響が大きい。

今後のビジネスについて

 今後、5年、10年を考えた場合、情報リテラシーの高い高年齢層が出てくる。また、PCと家電の融合がある。パソコンとテレビの境目が曖昧になる。既に大画面の液晶を搭載したパソコンが多く出ているが、このような動きは注目すべきである。
 会社の大小は関係なく、この辺の需要をキャッチアップをどうするのかが重要である。制作は、常にどこに対してアプローチしていけば仕事がたくさんあるかを考える必要がある。

ワンストップで提供

 ホームページが作れるだけでは、すぐ仕事がなくなる時代である。全体的な、トータルなプロモーションに対してのコンテンツ提供をワンストップで行えないと生き残れない。
 クロスメディアでは、印刷業界、広告業界、ソフトウェア業界、通信業界、放送業界との付き合いが必要になる。このためある程度は知識や制作スキルが必要である。外注処理では、互いの業界の常識が噛み合わないケースもあり、進め方に関してのすり合わせが必要である。各業界の人たちの特徴を押さえる。
 しかし言葉の定義が難しく常識が違う。常識は各個人の常識で言葉にも表さないが、他社では常識ではない。 外注先との付き合いも、クライアントと付き合いも同じである。要望を汲み上げて形にしていく中で、顧客が話しているこの言葉の意味は何かをきちんと定義する。きちんとくみ取って形にしていかないと、仕様が食い違って仕事がうまくいかなくなる。

営業機会の確保

 今、「画面」全てでFLASHが動く時代である。このためできることを、クライアントにポートフォリオとして見せることで、「CD-ROMに入るのか」「DVDに入るのか」という追加発注にもつながる。
 売り込みのタイミングや、相手が欲している形を見せることで接点が生まれる。また接点を生むような営業マンのアンテナの張り方があれば、仕事は簡単に進むようになる。
 Webから問い合わせがあった顧客に、1分で仕事を出す顧客が好きそうなメッセージを動画で出してしまう。1分は見てくれるであろうということで、差別化とか、ゴージャスとか、「これならお金を払ってもいい」という人に見せる。これを見て「こんなことをやってみたい」と思えば、初回の打ち合わせを、かなり内容の濃い形でできる。
 また今はデザインだけではだめである。システムが必要であり、ブログとか、Webマーケティングもできることは伝える。しかし、見てくれる確実なところでは1分くらいで、自社が一番得意なところを見せる。興味を持った人は、その後、流れとして見てくれる。(クロスメディア研究会)
出典:社団法人 日本印刷技術協会 機関誌 JAGAT info 2006年8月号

2006/08/11 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会