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目標は「現場100回!」 印刷のエキスパートを目指して

◆後藤 忍

印刷業界に入ったのは、1年半前。私は、主に化粧品や美術館の媒体を扱う印刷会社で働いています。新卒採用で印刷は素人。そんな私が配属されたのは業務部でした。
業務部の仕事は、印刷発注と生産工程の管理。紙の発注から印刷・加工の手配、工程内の品質チェック、納品指示など多岐にわたります。社内の営業や工場、紙屋さんや協力会社などプロを相手にすることが多く、印刷についてはもちろん、紙、加工、特殊印刷などさまざまな知識と経験が不可欠です。
最初は、新人に務まる仕事なのか不安で仕方ありませんでした。実際、仕事が立て込んでいても自分には何もできない。そんな自分のふがいなさに悔しい思いをしていました。
そんな中、持ち掛けられたのがDTPエキスパート認証試験でした。経験のない新人がこの資格にチャレンジすることに戸惑いはありましたが、当社では新人教育の一環としてDTPエキスパート認証試験が奨励されていることから、受験することになりました。

大学在学中、DTP関係の会社でアルバイトをしていた経験があったものの、幅広い内容と膨大な問題数に悪戦苦闘。しかし、DTPエキスパートを受験しなければ知ることはなかったことを学べる貴重な経験となりました。
毎週土曜の講習と、毎日の問題集の反復学習。課題製作では、社内の受験者が休日に集まって、互いにアドバイスをし合いながら同じ目標に向かって取り組みました。結果、諸先輩方の支えもあって、何とか合格することができました。

仕事に対する考え方が変わり始めたのもちょうどこの時期。
入社当初、私は上司からよく「仕事をしろ!」と言われていました。自分の中では特に怠っていた認識はなく、何を言われているのかよく分かりませんでしたが、最近その意味が分かるようになってきたと思います。
私の仕事は、デスク上での手配がほとんどです。印刷枠を取って、紙を手配する。後は細かい調整をすれば済んでしまいます。しかし、それは「作業」であり「仕事」とは言えません。私は、「仕事」とは本質を理解し、考えて、初めて成り立つものだと学びました。
品質、コスト、納期などニーズをしっかり把握して、それに合った方法を考え、お客様に満足していただける製品作りができて始めて「仕事」として認められる。こういったことを意識していくうちに徐々に仕事にも慣れて、面白さや大変さを感じられるようになりました。

正直なところ、DTPエキスパートは取得できましたが、私の仕事で普段Macを使うことはめったにありません。即戦力でDTPを使いこなせるかといえばできません。しかし、JAGATのホームページに「DTPエキスパートはゴールではなくスタート」と書いてあるように、これからたくさんの生きた知識と経験を養って「真のエキスパート」として活躍できるようになれればよいと思います。
私は、「印刷のエキスパート」になるため「現場100回!」を今の目標にしています。1回でも多く現場へ赴いて知識を吸収することは、印刷について理解するためのチャンスであり、私の楽しみです。
また、将来の自分がどうありたいのか?そのためにはどんなスキルアップが必要なのか?を模索しています。

「印刷のエキスパート」であるためには、印刷物ができるまでの企画、デザイン、編集、製版、印刷、加工という工程をしっかりと把握することも大切ではないかと思います。今はまだトータルに印刷物を作っていけるだけの知識も経験もありませんが、もっと自分のレベルが上がった時に、がんばって取得したDTPエキスパートが必ず生きてくると確信しています。
まだまだ、失敗も多いし、勉強不足ではありますが、社内、社外を問わず多くの人の力を借りながら成長していきたいと思っています。

 

月刊プリンターズサークル連載 「DTPエキスパート仕事の現場」2006年11月号


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2006/10/30 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会