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一人でも多くのお客様に信頼していただくために

◆野村 早香

私がDTPに出合ったきっかけは、大学時代のクラブ活動でした。
学内スポーツ新聞の取材・編集・発行をしており、入部したばかりのころは、アナログの版下作成をして、それを印刷会社へ渡して印刷してもらっていました。その翌年に部の予算削減のため、思い切ってMacを購入し、Illustratorで作成をして、データ支給に切り替えました。印刷会社の方に講習会を開いてもらい勉強しましたが、そう簡単にはいかず……。みんなでパソコンとにらめっこしながら試行錯誤でデータを作っていました。初めて自分たちで作った新聞ができ上がった時はうれしかったものです(データ自体は恐らく不備だらけで、今思うと、とても迷惑な客だったと思います……)。
この経験から、今度は客としてではなく、印刷のプロとして印刷会社でモノ作りをしたいと思い、入社したのが今から約4年前になります。

私は営業部に配属され、1年目は先輩に同行させてもらい、印刷全般やお客様とのやり取りなど、勉強しながら過ごしてきました。2年目から独り立ちすることになったのですが、自分の知識不足にいつもふがいなく感じることが多々ありました。そこで印刷知識を身に着け、自分に自信を着けるために、DTPエキスパート認証試験に挑戦してみようと決心しました。
奈良県印刷工業組合では毎年夏(6月〜9月)に、DTPエキスパート認証試験対策セミナーが開かれているので参加しました。毎週日曜日の午前10時から午後13時まで、講義と練習問題による学習です。もちろん自宅での復習もした上です。社内にプリプレス部・プレス部があるので、分からなければ現場へ入り、直接、目で見て、教えてもらいながら勉強しました。
この結果、コンピュータ環境部門が数点足りず不合格でした。しかしこの受験を通じて、一から印刷について勉強ができたので、結果は否でも、あまり悔しさを感じませんでした(特に制作課題のガイドの作成は自分の自信につながりました)。

その翌年、私は総務部経理課へ異動になりました。主な仕事内容は電話応対と経理事務です。通常の仕事で印刷と関わることはありません。この時点で私は再受験するつもりはありませんでした。しかし、せっかく自分が好きで入った印刷業界。自己満足なのかもしれませんが、自らが印刷に関わるよう勉強していこうと思い、2度目の挑戦で無事合格できました。
再受験するまでの1年間で、試験内容が変化していたことに驚きました。技術が日々進歩するように、DTPのエキスパートとして情報収集を怠らないことは大切です。そういった意味で、2年ごとの更新試験を受けなければならないということはとても重要だと実感しました。

現在、この資格が実務で大いに役立っているというわけではありません。
しかし、電話応対では新規のお客様や急ぎの用件のお客様などいろいろな方から、印刷についての問い合わせがあります。営業の方は不在の時が多いのですが、そういった場合、答えられる範囲で代わりに応対したりしています。特に新規のお客様などは、最初の応対一つでも変わってくると思います。
一人でも多くのお客様に「この会社は印刷のプロである」「この会社に任せれば安心だ」と信頼してもらえるような電話応対ができるようがんばります。

さて、印刷業界は、お客様の内製化による受注減少や短納期・低価格が当たり前という条件の中で、いかに付加価値のある印刷物を作成・提案できるかということが重視されています。この『プリンターズサークル』でも、ユニバーサルデザイン印刷などが掲載されていて、とても興味深く読ませてもらっています。ユニバーサルデザイン印刷は付加価値だけでなく、印刷をとおした社会貢献にもつながるので、この分野にはこれからも注目していきたいです。

 

月刊プリンターズサークル連載 「DTPエキスパート仕事の現場」2007年2月号


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2007/02/02 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会