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フリーペーパー編集制作と自動組版

角川ジェイコム・メディアは、角川書店とケーブルテレビ大手のジェイコムが共同出資した会社で、「Clippie(クリッピー)」というフリーマガジン事業を行っている。ジェイコムは、ケーブルテレビ会員向けに番組表マガジンを毎月発行している。「Clippie」は、番組表に同封されて届けられるクーポン付きフリーマガジンである。ジャスコや西友などスーパーマーケットでも配布している。

フリーペーパー事業は、飲食店などの店舗から広告料金をいただき、コマ広告を作って収入を得るという事業である。角川ジェイコム・メディアでは、フリーペーパーだけでなく、Webサイトとテレビを含めたクロスメディアとして広告を販売することを、事業のキーポイントとしている。

ローカルメディアとしてのフリーペーパー

紙、Web、テレビには広告効果の違いがある。
クーポンマガジンは、読者に印刷物を届けクーポンを切って使ってもらう。Webは検索性に優れており、直接的にクーポンを使うのではなく、店舗を探す読者に情報が届けられる。ケーブルテレビ局のコミュニティチャンネルを使って、店舗の広告を放映し成果を上げる。テレビCMは、ユーザーにとって受動的な広告だが、店舗の内容や質感、親しみやすさなどを伝えることができる。
3つの媒体を持っていることで、一つの店舗を多面的に紹介することができ、それぞれの店舗が強調したいところにすぐ応えられる。

フリーペーパー編集の課題

このようなフリーペーパー事業では、編集コストを下げるため、広告のフォーマット化と自動組版が求められる。フリーペーパーでは、媒体作りの主力は営業担当者である。編集の素人が店舗から広告契約を取った上で取材に行き、写真を撮影し、原稿を書き、それをページ(誌面)にするというビジネスモデルである。
これは「ホットペッパー」が始めたことだが、その後、業界のスタンダードになっている。そういう構造でないと儲からない。編集者が何人も関わるのではなく、営業直結でそのまま媒体になるという形が条件である。

そのためには、編集スキルの低い人間でも使いやすいシステムが求められる。印刷所に原稿を入稿し指示を出すのではなく、Web上で組版システムが動き、編集の素人が原稿を入力するとそれがプレビューでき、顧客に持って行けることが絶対条件となる。

(この続きはJagat Info 2007年2月号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報 Text & Graphics No.251に掲載しています)

2007/02/17 00:00:00


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