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企業価値を高める投資案件の立案と採択(2)


2007年2月27日


キャッシュの時間的価値を考慮する

  結論から言えば、投資すれば企業価値を減じてしまう。まず、10ヵ年のキャッシュフローを単純に合計することが間違っている。例えば、3年度目の+46と7年度目の+46のキャッシュフローの価値は等しいだろうか。
 キャッシュには時間的価値がある。適正な割引率で時間的価値を割り戻して同基準にしたのち積算する必要がある。この時点の利子率を3%とするなら、3年度目の+46の現在価値は約+42であり、7年度目の+46の現在価値は約+37に過ぎない。

 3年度目の+46の現在価値=46×(0.97の3乗)=41.98≒+42
 7年度目の+46の現在価値=46×(0.97の7乗)=37.17≒+37


正味現在価値で判断する

 このように割り戻した現在価値の積算(正味現在価値)がプラスになる計画への投資によってのみ、将来的な企業価値は高まっていく。
 下表の例で算出した1〜10年度のキャッシュフローの正味現在価値は+419に過ぎず、投資額の△500を下回って差し引きは△81になる。0を下回ってマイナスだから、この投資案は採択されてはならない。単純な10ヵ年の合計は+500で投資額と同額だったが、キャッシュの時間的価値を考慮すれば、より正確な投資判断ができるのである。


損益だけでの判断は避けて正確に

 例えばソフトバンクはボーダフォンを約2兆円で買収したのだが、買収後に同社への投資格付けが大幅に引き下げられたことあった。アナリストがボーダフォン投資の正味現在価値をマイナスと評価、企業価値を損なう投資と判断したためであった。

 「この投資案件による損益は5年後に黒字転換、10年後に損益でいくら儲かる」のような論理展開だけの投資計画は、時間経過や企業価値の増減が考慮されておらず、近代的な判断がなされているとは言いがたい。
 企業価値の向上する投資計画が厳選されるよう、採算性評価は正確かつ慎重を期したい。




2007/02/28 00:00:00