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Web to Print / デジタル印刷とCIM

PAGE2007コンファレンスE4セッション「Web to Print / デジタル印刷とCIM」では、デジタル印刷の受注を効率よく集める仕組みと、受注した仕事を手間をかけずに処理するためのマネジメントシステムを紹介した。


まず、モデレータの(株)プリンテクノ木村哲雄氏よりCIMとCSRについてお話いただいた。

印刷会社がJDFに取り組む意義として、CSR(企業の社会的責任)という観点から説明する。CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略称で、企業のステークホルダー(利害関係者)に対して、財務状況の公開や経営の透明性を高めるなどして、説明責任を果たすことである。コンプライアンスや環境問題への取組み、社会貢献、そして消費者/顧客重視の姿勢もCSRの一環として捉えることができる。
また、CSRと切り離せない関係にあるのが企業のサステナビリティ(sustainability:持続可能性)であり、社会的責任を果たしつつ利益を上げ、将来においても顧客に製品を供給し続けるられるような持続的な成長が求められる。

そしてCIM(Comuputer Integrated Manufacturing)についても再定義が必要である。CIMのもともとの意味は、製造現場で発生する各種情報をコンピュータを活用して管理、統括して生産性を向上させること、また製造と販売との間の情報の共有化により効率向上を図ることである。製造関連情報、技術関連情報、生産管理情報の3つの情報を主に扱う。
これに対して、近年求められているのは、間接部門全体の連携を視野に入れたシステムによる企業活動の効率化、全業務プロセスの管理、情報共有化による各部門間の連携である。調達部門、開発部門、流通部門など上流から下流まですべての部門が関わってくる。CSRに対応したモデルでもある。

現状の印刷業界は、編集・制作/プリプレス/印刷/製本/後加工といった業務内容別に専門化、細分化されており、情報の伝達には必ず人が介在し、必ずしも最適なタイミングで正確に伝達されているとは限らない。また、情報の管理も不十分で、有効活用されているとは言い難い。そして、各社(各工程)ごとに生産計画、工程管理が行われており、工程間の連携はうまくとれていない。それから、各社(各工程)間でのデータ互換性は無いが、特に不自由はしておらず、限定された範囲で自動化/省力化が図られている。

しかしながら、CSR対応あるいは、日本版SOX法の施行に伴う内部統制強化の動きなど外注を含めた企業のあらゆる業務プロセスの透明化が求められつつあり、これは印刷業界にとっても無縁ではない。JDFワークフローは、企業・工程の垣根を越えたデータ互換性、進捗状況のリアルタイムな情報共有、あるいは作業後のトレーサビリティなどこのような社会的要請に十分応えられる仕組みとなっている。

また、厳しい価格競争にさらされ、なかなか明確な将来展望が描けない印刷業界にとっては、JDF投資によるインフラ整備での業務効率向上、その効果を人材の育成・再教育による最適配置や新規事業の開拓に向け、その結果、売上/利益が向上しさらなる投資を行うという企業の持続的成長に向けたループをまわすことも可能であろう。


(有)ゲイン杉山伸一氏からは、印刷産業のBFAプラットフォームを考えると題して、Press-sense社のiWayシステムについてお話いただいた。

印刷業界の技術革新は、CTSやCEPSなど印刷会社内を効率化するものから、DTPやデジタル印刷など発注者にも関わるものにシフトしつつあり、今後はWebToPrintなど発注者とさらに深く関わるようになるだろう。それに伴い、印刷産業は製造・加工業から情報・サービス業へ、設備投資はハード中心からハード+ソフトへ、紙メディアはデジタルメディアとの共存へ、そして、顧客との関係の再構築が迫られるようになる。つまり、印刷産業は大変革期へ突入しつつあるといえる。
このような環境変化に対応するには、印刷会社の仕事のやり方を変革する仕組みが求められる。この仕組みを「BFAプラットフォーム(Business Flow Automation for the Print Industry)」と名付けている。BFAを提唱しているのがイスラエルに本社を置くPress-sense社である。Press-sense社は、BFAプラットフォームの提供を通して印刷物制作のワークフロー(受注から納品まで)を高度に自動化し、印刷会社を競争力のあるプリント・サービス・プロバイダーへ導くことを使命としている。
印刷ビジネスを高度に自動化、最適化、超効率化するためのキーワードとして以下の6点が挙げられる。

これらのキーワードを具現化したシステムの1つにWebToPrintシステムの「Press-sense iWay」があり、全世界で800社以上の導入実績がある。

また、オフセット印刷のワークフローを自動化、最適化するシステムとして、「Press-sense Omnium」の販売を予定している。


イー・エフ・アイ(株)田中和宏氏からは、デジタルプリントで発揮されるFieryを使ったオンデマンド印刷の効率化についてお話いただいた。

デジタル印刷市場が伸びる一方で、デジタル印刷から撤退する印刷業も見られる。その理由として、受注金額が小さいため営業が小ロット印刷物の仕事を取りたがらない、色校正の提出を求める、あるいはオフセット印刷並みの1部単価を求めるなど顧客が従来の印刷物と同じ感覚で発注するといったことがあるようだ。印刷会社としては小ロットのジョブに営業費をかけられないという事情もある。
そこで、イー・エフ・アイでは、Digital Store Front によるWeb To Print のソリューションを提供している。これは、印刷物制作者向けのサーバソフトウェアで、Web上に印刷データ入稿のための店舗を開設する。クライアントは、印刷データをWebブラウザないし、ドキュメントを作成したアプリケーションからプリンタドライバを使って送信する。
これにより、制作サイドでは

などのメリットがある。さらにデジタル印刷機用のコントローラにFieryを使用すれば、印刷作業も省力化することができる。将来的にはDigital Store FrontのJDF対応を予定している。

一方で発注サイドでは

などのメリットがある。

イー・エフ・アイ社では、JDFを今後の印刷業界の重要な基盤技術と認識している。JDF対応機器の価格低減、改良を加速化するためには、JDF技術の幅広い普及が不可欠であり、それに向けたユーザへの認知、底辺の拡大が急務だと考えている。
イー・エフ・アイ社では、ユーザへのJDFワークフローに対する認知度をアップさせるために「EFI Fiery JDF Connector v1.0(英語版)」の無償ダウンロードサービスを提供している。このソフトウェアはJDFを解釈し、JDFに記述されている印刷指示をFieryのジョブチケットに変換する。また、印刷ジョブの処理結果をMISにフィードバックすることもできる。まずはデジタル印刷でJDFワークフローを実践することでJDFを知る第一歩としてもらいたい。


ベイツボ(株)の清水透氏からは、MISからの用紙EDIについてお話いただいた。

ベイツボ(株)は、用紙の受発注をインターネットを通じて仲介する、いわゆるWeb-EDIのサービスを提供している会社である。
Web-EDIは、端末にWebブラウザを利用するので、ユーザはシステムの初期投資を抑えることができる。一方で、社内の管理システムとの二重入力、二重管理となる。
そこでベイツボでは、印刷業向けMISのオリーブ社PrintSapiensからインターネット経由で紙の注文データを直接送信することも可能にしている。

MISからの用紙EDIのメリットとして以下のような点がある。

2007/03/06 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会