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凸版印刷の次世代CTSとクロスメディア展開

<InDesignを利用したバッチ処理組版システム>

凸版印刷は、1970年代からコンピュータを使った自動組版システム、CTS(Computerized Typesetting System)を開発・運用し、主として文庫、単行本等の書籍、年鑑、辞書辞典、月刊誌・週刊誌等に対応してきた。当初はメインフレームを使用し、ワークステーションなどさまざまな変遷を経て、InDesignをベースにした第4世代CTSを構築した。印刷物とWeb、携帯サイトなどのクロスメディア対応にも柔軟に応えられるものとなっている。
テキスト&グラフィックス研究会では、同社ソリューション開発部課長の田原恭二氏に、次世代CTSとクロスメディア展開についてお話を伺った。

次世代CTSに取り組んだ背景

凸版印刷ではCTSをどうするかという議論を約2年前に開始した。その頃の状況として、CTSの市場競争力が落ちていた。新刊書籍の発刊点数が年間7万点強と増えているにも関わらず、CTS品目は減少傾向にあった。また、QuarkXPressやInDesign等、DTPが高性能になり、出版社も内製化に向かうなどの事態が起きていた。さらに、出版社は携帯電話やWeb、紙の書籍と、出版コンテンツをクロスメディア展開することでコンテンツの価値を上げたいと考えるようになった。

これらの要因として、高機能なDTPの出現による書籍制作のDTP化、Webの影響による定期出版物市場の縮小、電子辞書の普及による紙の辞書の減少などが挙げられる。また、XMLやInDesignなどのオープン技術により、印刷会社の競合が増えている。さらに、技術のオープン化志向が強まり、従来型のレガシーシステム(独自システム)は敬遠されるようになった。これらの要因によってCTSの競争力が落ちたという分析をした。

そして、独自システムからの脱却を基本方針とした次世代CTSを開発することを決定した。CTSの強みをInDesignやXMLといった汎用的な枠組みで実現する。また、コンテンツをクロスメディア展開したいという顧客ニーズに応えるようにする。具体的には、CTSの強みの部分をInDesignのプラグインとして使用する。そして、汎用的にクロスメディア展開ができる仕組みをその中に確立する。さらに、凸版のオリジナルフォントをOpenType化し、利用シーンを拡げていく。こうして、次世代CTSの開発に着手した。

次世代CTSの概要

このシステムはInDesignと凸版CTSの技術を合体させた、InDesign版CTSである。
機能的な特徴として組版機能の自動化の例がある。本文中にインラインで画像がレイアウトされる場合、通常のInDesignでは行間が空いてしまうため、オペレータが手作業で行間を調整している。次世代CTSの独自コンポーザでは、そのような場合も、自動で配置することができる。

2つ目に判断組みの例がある。判断組みとは、プログラムで何か条件に適合した時に、組み方を変更するというものである。
例えば、人名がテキストボックスの中に入らない場合、あるいは会社名が入らない場合、通常は赤字で指示をもらい、手作業で対応している。人名が入らなければ「巻末」という表現に変えて、入らない人は巻末に掲載する。あるいは、会社名が入らなければ、省略するということをプログラムで判断し、自動的に仕上げる。

文庫・単行本の場合、柱の文字列の自動発生や図版の自動配置、索引語とするキーワードと本文ノンブルの自動抽出と索引の自動生成も可能である。
このように、InDesignの標準機能だけでは困難な作業を吸収し、可能にしたシステムである。

(この続きはJagat Info 2007年3月号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報 Text & Graphics No.252に掲載しています)

2007/03/15 00:00:00


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