発展し続ける中国の印刷業界
中国の印刷産業は、中国経済の急激な拡大を背景に市場を拡大し続けている。2005年時点の印刷会社数は前年より約18%増で実に10万社を超えている。
中国人にとって印刷会社は成長産業であり、儲かる業界と見る人が少なくないようだ。印刷会社の増加は不法印刷の温床化や、社会主義国家として政府の監視が行き届かなくなる恐れもあるため、時おり政府主導によって印刷会社再編が進められることもあるが、それでも参入企業が後を絶たない。
技術的には決して高いと言える水準になく、高品質な製品は輸入印刷機に依存することが多いようだ。インキ、洋紙、印刷機なども国産化が進んではいるものの、中国人の間でも輸入品や外資との合弁メーカー製品の定評が高い。
計画経済時代は政府が印刷価格を定めてきたが、現在は価格形成が市場に委ねられたため、価格低下が進んでいるのは印刷先進国と同様だ。対策として政府に対し、日本での消費税に相当する印刷物の高い増値税(17%)の引き下げ要請を検討している。
統合的知識やノウハウ共有が不足
例えば印刷機の研究開発やデジタル印刷機の導入、組版などにおいて、常に日本人から見たときに問題と思われるのは、全体を俯瞰して組織的に最大利益や最大効率を求めようとする力が弱いことだ。
印刷機の開発においても、印刷工程すべてを理解した上で一つ一つの部品を最適化する視点の人材がいない。
デジタル印刷機の導入においても、どのようにメリットを訴求するのか、オフセット印刷と使い分けるのかを立案できる人材が不足する。
組版オペレータも各々の向上心は非常に高いが、全体視点から最大効率を追求たり、チームで仕事を進めようとする意識は薄い。
研究開発者も自分の専門分野に関しては非常に高い水準にあるが、印刷工程すべてを理解し、開発者すべての英知を結集して合理的で効率の高い製品を生み出すためのノウハウや人材が不足気味である。
進むDTP人材育成と中国活用ノウハウ
特に大連市はIT企業の誘致に熱心で、小規模企業も含めれば40社前後が日本語組版に対応できると見られている。
高い品質の組版会社では、中国人がローマ字入力でなくタッチ数の少なくて済む日本語入力で文字入力を進める。
中国はスキルを持ってから就職することが一般的であり、そのための日本語教育やDTP教育などの専門学校も充実しているほか、大連などは日本との関わりが昔から強いので、日本語も決して未知の言葉ではない。
中国で作業すればコストが安いこともあるが、低コストを生かした2人同一同時入力によるベリファイ方式でのチェックで、誤植を減らせる点は注目される。
このような二国間作業において、さらにコスト低減を進めるには、標準化とマニュアル化が不可欠だという。誰が見ても理解できる作業指示書でなければ、結局は回線を通したやり取りが増加してコスト高や納期遅れになってしまうからである。
2007年1月12日
プリンティング・マーケティング研究会
「中国印刷の最新事情」より
2007/03/27 00:00:00