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用途広がるICタグ


ひとつひとつを識別できるのが強み

ICタグはJANコード・バーコードと常に対比されるが、ICタグの強みは単品管理ができることである。
例えば洋服などに使われているJANコードには、メーカーコードと商品コードが表示されている。同じJANコードであれば、同じ洋服が2つあってもバーコードとしては同じ商品としか判定しない。しかし、ICタグは中にシリアルナンバーをつけて完全にひとつひとつを識別できる。

アパレルの場合、店頭の棚卸しでバーコードでは1個1個に読み取り装置をあてていかなければならない。もし2回読んだとしても「2回読んだか、1回か」などと読み取りの数まで心配しなければいけない。それに対しICタグは、同じものを数回読んでも、シリアルナンバーが入っているので重複することはなく読んだものを確実にカウントする。同じものを1回読んだ、2回読んだという心配は一切要らない。バーコードだと、同じ品番が10個あると全く同じ商品としか認識されないが、ICタグの場合は10個あるとそれぞれ違う個別のものと認識できることはあまり理解されていないが重要なことだ。

消費者を満足させる用途で利用

百貨店で実際に使われている例としては靴売り場での事例がある。靴は同じ品番でもサイズ、カラーでたくさん種類がある。そうしたものをバックヤードまで在庫があるか確認に行かなくても、ICタグが付いた靴を端末にかざすと、「これだけのサイズがあります」とか、サイズがない場合は似たようなデザインを出して、「この靴はないが、似たようなデザインのこの靴はどうか」ということを表示してくれる。また店員がバックヤードに確認に行く必要がなくなったため、売上が20%くらい上がったという報告がある。

ある百貨店の化粧品仮想リアルタイムメークアップシステムは顧客が自分の顔を写して、化粧品の瓶を置くと、瓶の下のほうにICタグが付いていて、この化粧品を使って化粧したらこんな感じになるというのがバーチャルに出てくるという仕組みである。これは経済産業省の中の実証実験に入っている。

新しい利用技術

最近ではUHF帯(日本では952〜954MHz)のICタグの運用が開始された。UHFタグの特徴は読み取り距離が長いことである。条件により一概にはいえないが、約5mは飛ばせるため、物流にも使えるようになったということが大きい。また、相対的にコストが安いことも大きな強みだ。国際標準であるEPC Globalの、Class1 Generation2という通信プロトコルに則っていることからUHFタグは世界標準にもなりつつある。

顧客の購買行動パターンをチェックする目的で、棚を全面的にアンテナにしてICタグを付けた品物を置いておく。顧客が手に取ったり戻したりすると「この品物は何回手に取られて何回戻された」とか、「2つ一遍に取ってどちらを置いた」とかいうことがわかる。POSの情報は、完全に「何が売れた」しかわからないが、売れる前の、顧客が何に迷ったというようなことがわかる。
DVDやビデオの棚に付けておき、どの棚に置いたら顧客が一番手に取ってくれるか、7段ある中で、どの高さが一番よく売れるか、何回手に取って戻されたら売れるかとか、そういった実験も行われた。これは商品にICタグをつけ、棚全面にアンテナを張っておき、リアルタイムで物を監視することで把握できる。


ICタグは、これからいろいろな分野に伸びていくだろう。バーコードの不便な部分もICタグを使えば完全に単品管理できる。バーコードと違ってICは向きは関係ないので近くへ行けば読める。そういった面では普及することが予想される。
もう1つ言うと、QRコードと併用できる。QRコードは媒体としては非常に安い。しかも、携帯で読めるので、QRコードを使った識別とうまく組み合わせるなど、いろいろ出てくるのではないか。


関連リンク: 経済産業省 やさしいICタグ入門

2007/04/01 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会