DTPやCTPなどデジタル化が進展したことにより、中間工程が省かれ生産性向上を実現した。しかし、効率化の裏には印刷事故防止や品質管理などの大きな課題がある。
例えば、印刷会社ではクライアントから入稿するデータを加工して、印刷用データとして出力することが大幅に増加した。入稿するデータには、不備や不具合もあり、それが現場に渡ってから発見されると大きなロスになってしまう。また、気づかず印刷事故になる可能性もある。これらを防止するためには、データのチェックポイントを明確にして、検査のルール化、自動化を確立する必要がある。
デジタルワークフローにおける入稿データの検査から、プリプレスのデジタル検版など印刷会社の品質検査のポイントや事故防止について、三浦印刷の森澤威氏にお話を伺った。
■入稿ルームを活用した品質管理体制
三浦印刷は、東京都墨田区にある総合印刷会社である。カタログ、パンフレットなど主に商業印刷物を扱っている。
当社では、入稿データが現場に渡る前に事前に検査する入稿ルームを設けている。製造工程における品質管理体制は、以下のとおりである。
1.入稿ルーム
入稿したデータや指定紙を事前にチェックする部門であり、チェック完了後製造現場に流れる。
入稿仕様書と照合しながらデータチェックを行ない、診断結果をデータチェック票に記入する。データチェックの段階で実画像がない、ハードコピーとデータが一致しないなどの大きな問題や、営業や進行担当者の判断で現場対応できる問題点等をフィードバックする。
2.DTP課(作業前)
入稿仕様書、データチェック票により内容を把握する。オペレーションで作業すべき内容を把握するためデータチェックをする。
3.DTP課(作業後)
オペレータが自ら作業した内容が出力で問題がないか、出力前に事前にデータチェックする。
4.検査室
文字校正や検版の専門人員が、主に責了案件に対応する。クライアントの責了紙(指定紙)と作業したプルーフ、インクジェット紙、ポジフィルムなどの照合作業をする。
5.CTP室
画面確認用TIFF、対向面付けPDF(インクジェット紙)、刷版面付、CTP版をチェックする。
6.校正、印刷
刷り出し時のチェックをする。
■入稿ルームのデータチェック項目
1.サイズ、仕様
データや指図書のサイズ、塗り足し、トンボ、当社最終データの使用など
2.先方出力紙との照合
データ内容との差異など
3.フォント
使用フォント、欧文フォント添付、アウトライン文字の修正など
4.画像/色
画像有無、RGB、解像度(150dpi以下)、インキ総量300%以上など
クライアントとのデータのやり取りで、出校のたびに修正データ(当社最終修正データ)をクライアントに渡している。しかし、クライアント側でその当社最終データを使用せず、ハードディスクなどにあるデータ(当社の修正が反映されていないデータ)から手直しをすることがある。
すると当社側で前校時に修正した内容が反映されずに作業が進みトラブルになるケースがある。したがって、再校以降のデータ入稿では必ず当社最終修正データを使用したデータか否かをチェックしている。
また、FLIGHTCHECKなどの検査ツールを用いて、バージョン、画像リンク・形式・解像度、使用フォント、プロファイル有無などをチェックする。当社仕様のチェック項目をテーブルで保存し、それに基づきチェックをかける。画像をチェックするソフト等は補足的に使用している。
(続きはJagat Info 2007年7号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報 Text & Graphics No.259に掲載しています)
2007/07/20 00:00:00