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印刷業界で実績を上げるモノクロ検版システム

株式会社サングループにおける検版システム導入と事業の取り組みについて、同社専務取締役 田中歩武氏にお話を伺った。

色校正業務から一貫サービス体制へ

株式会社サングループは、1987年に設立された新宿区早稲田にある印刷会社である。DTP制作、編集からオフセット印刷まで、主にカタログ、パンフレットなど商業印刷物を扱っている。
クライアントのニーズに即応できる生産体制と情報を速く、確実に、気持ち良くをモットーに加工し、品質とサービスを限りなく追及することを経営目標としている。

設立当初は、オフセット色校正業務を中心におこなっていたが、その後DTP編集、CTP、オフセット印刷機を導入し、トータルサポート体制を強化している。
主要設備は、スキャナ(ドラム、フラットベッド)、各種プリンタ、DDCP、CTP、平台校正機、オフセット印刷機である。
同社は、オフセット印刷はもちろん、オンデマンド印刷から、インクジェット大判プリントサービス、Webパブリッシングサービスまで幅広く手がけている。

CTPワークフローに不可欠な検版システム

色校正業務からスタートした同社は、1996年にDTP事業部を設立し、2003年にはCTPや印刷機を導入した。CTP導入によって、フイルムからプレートに移行したため、長年培ってきた検版のノウハウが活かせなくなった。また、DTPソフトウエアのバージョンやPDF入稿などの変化も重なり、印刷事故も増加してしまったという。

CTP導入当初は、DDCPではコストが高いこと、インクジェットプリンタでは出力時間がかかることから、A3サイズの汎用レーザプリンタから出力したものを、校正用プルーフとして検版に使用することもあった。しかし、汎用レーザプリンタは、原寸ではなく縮小出力のため検査効率が十分ではなく、とくに文字の確認などに課題を残していた。

そのような状況のなか、2006年に関連会社の方からセイコーアイ・インフォテック社製大判モノクロプリンタ(Teriostar LP-1010)を紹介された。田中専務は「大判プリンタによるCTPデータの原寸出力によって、事故撲滅はもちろん検版作業の合理化、効率化につながる」と考えた。

導入による最大の目的は、印刷事故の撲滅であった。印刷会社が印刷事故を起こしてしまうことは、クライアントへ迷惑をかけるだけではなく、信頼を失うことである。また、企業として金銭的な損失にもつながってしまう。 このシステムを利用して、検査・検版の精度が向上し、印刷事故をゼロに近づけられると判断し、導入に踏み切った。

印刷業界で認められる高い運用性能

検版システム導入後の効果について、「印刷事故について、社内オペレータによる編集ミスやケアレスミス撲滅は、ほぼ達成できた」という。
また、「原寸で出力できること、文字精度が向上したことで現場はもとよりクライアントにも大きな満足を得ていただき、たいへん気に入っていただいている」と話している。

導入の際に、懸念していた網点出力ができない点については、「デザイナーやクライアント側は網点へのこだわりが薄れ、クレームは1件もなかった。逆に文字品質が向上したことへのメリットが大きかった」という。
導入後の感想は、出力のスピードが大きな魅力であるという。処理スピードが早く、しかも故障のないメンテナンス容易なシステムが現場でいちばん喜ばれるという。

田中専務は「早く、安く、文字品質がよいと三拍子揃ったシステムである」と感想を語った。
また運用面では、1bit Tiffデータを扱うことができるため、最終出力用CTPデータの検版ができることも大きなメリットである。同社では、CTPのワークフローにおいて、必ずこのプリンタから出力したものを検版用として確認することを徹底している。

さらに、「このシステムの機能には、タテ・ヨコ自動切り替え出力がある。現場にとって、多様なシステムが混在するなか、この機能は思った以上に便利である」という。
また、RIP済みCMYK版を重ねて出力することもできるため、重ね検版による確実なチェックが可能になっている。 実際の仕事では、カラー印刷物においても、面付けやレイアウト、文字確認など、モノクロプリンタの利用範囲は意外と多いものである。

今回のケースのように、用途を見極め、その用途にマッチした最適な生産設備を導入したことが効率化のポイントであろう。
田中専務は「このシステムは、単にモノクロしかできないと考えていたが、予想以上のモノクロの使い道と効果を発揮している。現在ではなくてはならない縁の下の力持ちという存在である」と話している。
校正の手段は、平台校正機や本機校正からDDCPやプリンタに大きく移行するなか、ますます低コストのプリンタベースによる出力が重要な位置付けになるだろう。

高精細印刷への取り組み

田中専務は「現在では、どの印刷会社でもある程度の技術を持っており、印刷物の差別化を行わないと今後の受注が困難である」と考えている。
そこで同社は、プリプレスのデジタル化、CTPの可能性を最大限に発揮する新世代スクリーニングテクノロジー(AM/FMハイブリッドスクリーン)を使用した高精細オフセット印刷サービスを開始した。

ハイブリッド方式によるスクリーンは、AMスクリーンとFMスクリーンの長所を取り出した印刷品質を向上させる技術である。AMスクリーン換算350線相当の高精細印刷によって、モアレの発生防止や中間調の鮮やかな発色を実現し、コート紙、マット紙、上質紙にも印刷可能という。
田中専務は「モニターやプリンタなど広色域できれいな発色を実現する装置が増加してきた。印刷だけが色域の狭い現状のままというわけにはいかない」と話す。同社では、高品質印刷の提供による差別化、および生産体制の低コスト化を実現し、印刷料金は据え置いたまま高精細印刷サービスに取り組んでいる。

また、今後の抱負として「お客さまは、品質向上を望んでいるが、それによって高い料金は支払いたくないものである。したがって、印刷料金は据え置いたまま、ハイブリッド網点などを利用した高精細印刷、高付加価値印刷にシフトさせていき、当社の標準としていきたい」と締めくくった。

■月刊プリンターズサークル 2007年7月号掲載記事から

2007/07/31 00:00:00


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