以前は電子写真などトナーによるDry印刷と、粘性のインキを使う有版のWet印刷を比較するとか、トラディショナルな印刷と電子印刷をどう使い分けるかという技術的な視点での議論が行われた。それは凸版・オフセット・グラビアなど有版の印刷は従来は全く独立した技術体系のように思われていたからである。
当然写真の技術と印刷の技術は丸で別物として扱われていたので、学会も業界も分かれていた。つまり使う材料やプロセスの違いが根本的な分野の違いになっていた。しかしデジタルの画像処理は材料やプロセスの特性や変動要因をも補正してしまうので、イメージングの技術が何であっても最終的にはそんな違いがないようになった。
だから電子写真であってもインクジェットであっても応用分野としては同じ土俵で戦うようになったのであり、トラディショナルな印刷のプルーフにもイメージング技術が異なるプリンタがどんどん使われ、校正印刷機が駆逐されていった。プルーフだけでなくPDFによる入稿、印刷機上の色管理など、オフセット印刷の効率化にデジタル画像処理の恩恵を多く受けてはいる。
結果として異なるイメージング方式が同じ印刷の仕事で競合する割合は増えていき、裏返していくと設備の側からふさわしい仕事を特定することはやりにくくなる。オフセット印刷機のセットアップ時間短縮、高速化するデジタル印刷機、オフセットとインクジェットのハイブリッド印刷などの最近の傾向を見ても、設備の選択はますます難しくなって来ているように思える。
来る12月13日に開催されるJAGAT トピック技術セミナー 2007でも近年の恒例行事のように、コンベンショナル印刷機のさらなる高生産性の実現と、高速の新たなカラーデジタル印刷機の技術が、しのぎを削るだろう。いずれにせよ印刷のパフォーマンスが向上するに従って、従事する作業者が減っていくが、そのことによって人間のチェック機能が不足するので、印刷品質を確保するために検査の全・半自動化が今日の大きなテーマになりつつある。
今年の印刷界のトピックスを集めたこのセミナーは1日のスケジュールの中で新たな印刷関連の開発の動きを改めて眺めてみる絶好の機会であり、印刷現場も技術面においてだけでなく、コンプライアンスやマネジメントシステムなど経営面の対応において、また顧客に対するサービス面の変化も含め、総合的に情報に接することで、個々の企業にとって今後取り組むべき新たな課題が見いだされるだろう。
関連情報
JAGAT トピック技術セミナー 2007 12月13日(木)開催!!。(社)日本印刷技術協会会員とプリンターズサークルご購読の皆様は,参加費無料です。
定員になり次第締め切らせていただきますので,お早めにお申込下さい。
参考記事
生産現場のコンプライアンスと統合マネジメント
生産データ管理は次ステップへの道標
設備をサービスの視点で考える
2007/12/06 00:00:00