現状の多くの印刷会社の仕事の流し方は「バケツリレー方式のシリアル処理型」といえる。各工程ごとにエキスパートがいて、細かな指示情報がなくても、知識と経験で補いながらつつがなく仕事を進めることができる。また、仕様情報の不備を指摘するなどのチェック機能も果たしている。
このスタイルは、仕事のスタート時点では製品仕様があいまいで、変更を繰り返しながら仕事が流れていくようなパターンに非常に適している。また人間のスキルが前提となるので、システムではあまり細々した指示情報は扱わない。
それに対しJDFワークフローは「集中コントロール型」といえる。最初に指示を出す段階で、かなり緻密な指示を行う。その時点で、仕様情報が確定していることが前提条件となる。「頭」のところで大きな負荷はかかるが、その分、後ろの作業工程では自動化ないし、相当なレベルのスキルレスが実現できる。また情報システムに求められる機能はかなり高度化する。
ただし「自動化」とは言い換えると、「それしかできない」「例外に弱く融通が利かない」ことでもある。若干でも例外処理が残る限り、自動化の効果は薄い。あえて自動化の道を選ぶのであれば、「自動化できる仕事しかとらない」という選択となるだろう。各種テンプレートを用意したWebToPrintの仕組みなどがそれにあてはまる。しかし、この選択肢を選ぶ印刷会社はわずかであろう。
一方で「分散処理型」の弱点として、
PAGE2008コンファレンス E2セッション「ユーザーから見たJDFの理想と現実」では、東和印刷(大阪)と水上印刷(東京)の二社のユーザ事例を取り上げる。
東和印刷
輪転機を保有し、チラシを中心とした定型/標準的な仕事が多い。厳しい単価競争のなか徹底した生産管理により利益を生み出している。JDF導入により古い体質から若返りができた。
水上印刷
枚葉機のみ。非定型で他社ではできない手間ひまかかる仕事が得意(=高付加価値指向)。そうはいっても環境が厳しくなるなか、定型的な仕事をいかに安く、効率良く仕上げるかがカギ。そのための手段としてJDFを導入。
標準化/自動化と個別対応のバランスをどうとりながらどう効率化をすすめて来たか、あるいは今後進めて行くのかが大きな聞き所となるだろう。
また、JDF非対応MIS、あるいはJDF非対応生産設備に対してのJDFインタフェースを提供し、JDF導入の敷居を大幅に下げるメタテクノのソリューション「JDF PrintStreetシリーズ」を紹介する。
2008/01/23 00:00:00