いまさら言うまでもないが企業経営においてマネジメントの重要性は高まるばかりである。マネジメントすべきもには、品質/コスト/納期(工程)の製造業としての三大要素に加え、人・組織/顧客/環境/情報セキュリティとその対象は広がる一方である。
これらのテーマにばらばらに取り組んでいては企業のリソースがいくらあっても足りない。より統合的、包括的、そして効率的にマネジメントすることが求められる。そして、何か問題が起こってから処置を講じるという対症療法で受身的な姿勢ではなく、主体的に意志を持ってコントロールすることが重要であろう。
これらを実現するためのキーワードが「情報技術(IT)の活用」と「標準化」の二つと考える。「MIS」や「JDF」というと基幹システムと現場の自動化というように非常に限定されたイメージを抱きやすいが、実は経営と密接な関わりがある。
PAGE2008コンファレンス「MIS/JDF」トラックのセッション構成にはこうした広義の意味も込められている。
■【E1 原価管理/生産性評価とJDF】
印刷企業におけるJDFなどに代表されるデジタルネットワークによる情報の共有、連携を実現するためには、業務や管理における標準化が避けて通れない。標準資料を整備するに当り、標準原価及びそれによる生産性評価がコアをなす。
実際の印刷企業における、これまでの重層なる積み重ねと先進的な取組みにより、あるべき姿に着実に進みつつある最前線の管理者から、標準の考え方や原価の見方と活用手法について、生産性評価の観点で縦横無尽に議論する。
・印刷機ベンダーから印刷コンサルティングを手掛けるワールドワイドの先進企業において、印刷企業への豊富なサポート経験から、標準原価の重要性と考え方、さらに異なる立場の管理者による生産性評価の視点を鋭く読み解く。
■【E2 ユーザから見たJDFの理想と現実】
今後の印刷業は、非定型で手間のかかる仕事にも柔軟に対応しつつ、標準化された定型的な仕事は、徹底的に省力化/自動化を図るという両極端を同時に実現することが求められるだろう。
JDFワークフローを導入したからといって完全自動化が実現できるわけがないが、そうかといって標準化を全く無視するのもナンセンスである。どこを手がかりに始めるか、当面の目標をどう設定するかユーザに伺う。また、JDF導入の敷居を下げるソリューションを紹介する。
■【E3 現実味を増す自動スケジューリング】
個別受注生産である印刷業において、スケジューリングソフトの導入は困難と思われていたが、短納期/小ロット、そして複雑化する印刷後加工への対応などスケジューリングソフトへの期待は大きい。
自動スケジューリングソフト「Joyscheduler」を使用して日程計画業務負荷を80%以上短縮、さらにその計画と実績との差異分析等から生産現場の合理化を図っている。その使用実績に基づいて、効果、課題を紹介する。
PrintSapiensは日本の印刷業向けMISとして始めてスケジューラーとの連携を実現した。その優れた機能、性能を紹介する。また、海外のスケジューラーであるPressSense社の「OMNUIM」を紹介する。
■【E4 ITとデジタル印刷による新印刷ビジネスモデルの構築】
デジタル印刷機は、印刷会社の設備のひとつとしてオフセット印刷機と併存していくこととなるだろう。しかし、ビジネスとしてうまく活用するためには、ハードだけではなくソフト面の強化が要求される。デジタル印刷機を活用するためのビジネスモデルを検討する。
■【E5 ハイブリッドワークフローをつなぐ標準化技術】
CTP/オフセット印刷とデジタル印刷を一つのワークフローから出力するハイブリッドワークフローにおいて、JDFの規格はどこまで進み、製品開発はどこまで来ているのか。デジタル印刷の可変データ出力の指示はどのように生成されて扱われるのかなどを探る。
■【E6 顧客視点で問い直す印刷受発注】
欧米、特にイギリスではプリントマネジメントカンパニー(PMC)と呼ばれる業種の躍進が著しい。印刷物発注者(プリントバイヤー)と印刷会社(プリントサプライヤー)の間に入り、IT活用によるワークフロー改善や最適生産手段の提案によるコストダウン、あるいはワンストップサービス機能の提供やカラーマネジメント技術の活用による品質保証といった多種多様なサービス機能を提供することにより、その地位を確固たるものにしつつある。業態変革を目指す日本の印刷業界にとって、今すべき事は何か?顧客視点で改めて考える。
2008/01/28 00:00:00