最大の注目点は、マス4媒体が揃って3年連続のマイナス成長になったことである。新聞、雑誌、ラジオはいずれも5%強のマイナス、テレビも0.7%減になった。マス4媒体以外では、SP広告の牽引役であった折込・ダイレクトメールが2.9%減になったことが注目点である。JAGATでは、2007年単年度では、折込はマイナス、ダイレクトメールは伸び率の鈍化を予想していた。
伸びた分野のひとつは交通広告で、その前年比は2.3%増であった。5年連続で前年を上回り安定した推移になっている。大きく伸びたのが、SP/PR/催事企画で2007年の対前年比は7.6%増であった。屋外広告は、2006年の前年比△8.7%から一転、0.9%増のプラス成長になった。この分野は、元々、年々の上下変動が大きいのが特徴である。
屋外広告、催事企画は、いずれもバブル期前後で傾向的な大きな変動をしたが、この数年はある定位置を確保している。

図は、電通の日本の広告費の2006年までのデータと上記2007年の広告業の売上データを使って、各種広告媒体を、「電波媒体」、「紙媒体」、「インターネット」、「その他」にグループ分けして1985年以降の市場規模推移を見たものである。
各種媒体グループの動きを見ると、この20年強は3つの時期に分けることができる。最初は、バブルが膨らみ、そして崩壊した時期である。この時点ではまだインターネット広告はない時期で、それ以外の3グループはいずれもバブルの膨らみとともに伸びて、その崩壊とともに減少した。その動きが顕著だったのが「その他」だが、特に「展示映像」がこの時期に60%伸びて、その後ほぼ同じ分減少した。まさに、バブルのあだ花であった。
二番目の時期は1996年以降2004年までで、景気に沿って3グループは上下した。ただし、紙媒体については2003年以降、他が上向く中で減少に向かった。最大の理由は新聞広告の減少で、雑誌も下降し始めた時期である。ただし、折込、DMは伸びていた。
そして、この頃からインターネット広告市場が本格的に拡大、2005年以降はその影響で電波媒体もマイナスに向かい始めた。インターネットの影響が本格化した時期で、折込市場に陰りが見え始めた。ネットの普及との関連で見ると不動産関係の減少が大きい。そのマイナスを遊戯娯楽の伸びが補っていた。しかし、その牽引役が2005年からマイナス成長に入りDMの大幅な伸びの鈍化も加わって、2007年は図のように紙媒体の減少が急角度になった。
この間、「その他」は、屋外広告と展示映像の回復とPOPの着実な拡大で1997年水準にまで戻している。
以上、各種広告媒体市場の動きを、「電波媒体」「紙媒体」、「その他」そしてインターネットに分けて見た。この数年では、4000億円市場とも言われるフリーペーパーが登場した。それぞれの動きには、それぞれに固有の要員があることは確かだが、インターネットの普及によって、従来の市場構造が大きく揺り動かされている状況が明確に出てきている。
(2008年2月)
2008/02/15 00:00:00