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印刷における広色域再現への取り組み

デジタルカメラ、AdobeRGBデータの流通、インクジェットプリンタなど、従来のプロセス4色印刷の色域を超えるデジタルカラーが数多く使用されるようになった。オフセット印刷でも、これらの色域をカバーする手法として、広色域インキや6〜7色インキを使用した印刷の実用化が進んでいる。
より色域の広いオフセット印刷への取り組みについて、株式会社ダイムの安平健一氏にテキスト&グラフィックス研究会でお話を伺った。

プロの印刷品質を目指して

株式会社ダイムは、1968年写真製版業社として大阪で創業し、2004年から高精細印刷や広色域印刷にも取り組んでいる。
広色域印刷に取り組み出したきっかけは、個人的な印刷品質への思いが一番大きなものであった。電器店に行くと、非常にきれいなモニタがあり、安価なプリンタでも鮮やかな色が出る。それらを見ていると、印刷製版に携わっている立場として、非常に悔しい、辛いということがあり、戦略や計画などより、まずは「さすがプロの印刷屋、製版屋」というものを手がけたいということが、もともとの始まりであった。

また、長年にわたり製版を行ってきたので、スキャナや画像処理はもともと生業として行い、RGBからCMYK変換や色校正などを得意にしていたので取り組みやすかった。カラーマネジメントに取り組むなか、HexachromeやBASFという特殊な広色域インキの存在を知ることになった。また、広色域に取り組む理由の1つとして、品質にこだわる仕事が多かったこともある。

色校正を行う中で問題になるのが、「色が出ていない」という話である。再度色校を入れても、出るはずのない色は出ないということを繰り返し、さらに出る方法はないかと考えていた。
また、同じ環境、同じモデル、同じ日に撮影したデータが、4色(FMスクリーニング)では、1回色校正、2回目本機立ち会いで刷ることができた。しかし、7色では4回色校正を入れても満足がいかないこともある。やはり、プロファイルなどに課題が残った。変換して仕上がってみると、やけどのような痕が目立ち、首の周りにトーンジャンプを起こすなど問題があった。

色校正の回数を減らす目的もあって取り組みを始めたが、多色にすることにより、校正回数が増え困ることもあった。
さらに、製版会社はCTPを印刷会社から受注して、出力するという商売になりつつある。そのような商売に少し限界を感じていたことも印刷をはじめ、高精細や多色に取り組んだきっかけになったのである。

そういった環境や背景から、製版技術と印刷技術を融合させ、何か新しい価値を作り出すことができないかという考えの中、高精細や多色への取り組みをスタートした。現在、4色広色域ではNovaspaceというインキを採用している。多色では、大日本スクリーンの7色分版システム(Spektacolor)、また6色分版システム(Hexachrome)も行っている。

広色域印刷への取り組み

初めて取り組んだ4色のNovaspaceというインキセットは、正しい刷り物も手元になく、ターゲットとすべき濃度もわからない状態の暗中模索で多数のテストをした。どのデータが適正かもわからず、それで刷った美しい印刷物も見られない状態で行っていたので情報不足で苦労した。
最近の4色広色域印刷では、KaleidやWakimizuなど、明確に数値データが出て取り組みやすいが、当初それらがない時代は、プロファイル運用もよくわからない状態であった。

当初、印刷物を見て「写真はツヤ、深みが出て鮮やかに出ている」という評価をもらったが、ロゴの色はどうするのか、コーポレートカラーはどうやって合わせるのか等が問題になった。
現在取り組んでいる7色広色域印刷は、やはりプロファイルが難しい。プロセス+3色の部分がグレーの中に入ってこないように設定するなど、他にも課題はあるのではないだろうか。


(続きはJagat Info 2008年4月号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報 Text & Graphics No.265に掲載しています)

(テキスト&グラフィックス研究会)

2008/04/27 00:00:00


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