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大判UVインクジェットプリンタの運用事例

インクジェットプリンタはデジタル印刷機の中でも大きなシェアを占めるようになってきた。通常、印刷会社で色校正などに使うプリンタはロール式で水性インキが使用され、大判の垂れ幕などには溶剤系のインキが使用されている。壁や木材、石材など特殊な被印刷体に印字するものは平面型のプリンタでUVインキが使用されサイズも大判である。今回はUVインキを使用した大判サイズの印刷機を導入したある印刷会社の運用事例を紹介する。

導入の経緯

UVインキ対応の大判プリンタを導入した経緯は、商業印刷市場において規模が減少する中で、受注価格の下落、材料費の高騰により益々厳しい環境下にあり、新たな事業領域を創出するために、サイン&ディスプレイ事業に進出した。 従来からこのような特殊素材への印刷はスクリーン印刷、グラビヤ印刷、フレキソ印刷の分野であった。特に大判インキジェットプリンタはスクリーン印刷との競合になることが多い。

スクリーン印刷とインクジェットプリンタとの品質面での違いはグラデーションの再現と画像品質である。但し、機種にもよるが大ロットの仕事にはコスト面では不利である。インクジェットプリンタはロットが少なく装飾性のある分野に向いているといえる。 こうしたプロモーションの分野は、今まで商業印刷会社では経験が浅い分野であるが、逆に専門会社と同じ手法で、この分野に新規参入しても差別化が難しいので全く発想を変え印刷会社としての営業ノウハウや印刷ノウハウを生かしながら取り組むことが重要である。

出力時の注意点

UVインキは濃度によっても変動するが標準で約15ミクロンの厚みで印字する。UVによるアクリレートの硬化での乾燥であることから、環境に配慮したノンVOCインキである。 印刷できる素材はいろいろなものがある。特に表面が凸凹状のものに文字を印字する場合、インキノズルと素材の距離によって鮮明であったりぼやけたりすることがある。標準はノズルと素材の距離を約1.5mmの位置で印字するが、素材の表面に凸凹があるものに印刷する場合は適切な距離を調整して出力する。こういうことは導入している印刷会社のノウハウになる。

営業展開

印刷会社が大判UVインクジェットプリンタを装備することは新しい分野に進出するための考え方の一つだ。逆に大判のプリンタを多くの印刷会社がもっても市場規模を考えると経営は成り立たない。 こうしたプリンタを活用するために印刷営業マンが走り回って受注活動するよりは、いろいろな会社と組んでやることをベースに考えたほうが良い。このような営業活動の具体例として、最初は紙媒体を使い、主要なところは電話でフォローする。先方からいい反応であれば営業マンが訪問する。ある印刷会社でもDMから始めて受注に繋げたところがある。

(『Jagat Info』4月号より抜粋)

2008/05/03 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会