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全国に印刷会社はいくつ?

2001年4月1日


●印刷会社数は前年より7.9%減少

 日本経済不振から企業とうたが始まり,生き残りをかけて多くの産業で,企業再編が起こっています。経済産業省「平成11年工業統計表 産業編」(概要版)によれば,1999年の全製造業(従業員4人以上)の事業所数は34万5454社で,前年比7.6%の減少となりました。89年は42万1757社ですから,この10年間で18.1%減少しました。これは,低コストを求めての海外進出や,現地生産へのシフトなどが要因です。一方,規模の小さいところや十分な資金力をもたない企業では,環境変化に対応できずに事業継続が困難になり,倒産や廃業が相次ぎました。
 印刷業(従業員4人以上)をみると,99年は1万6694社で前年比で7.9%の減少となっています。この10年をみると,89年が1万8881社ですから,1割以上(11.6%)減少したことになります。不況による売り上げの減少と競争の激化,デジタル化の進展で印刷需要が他メディアへシフトしたことによる売り上げの減少,ビジネス環境の変化や技術革新への対応の遅れによる廃業や倒産などが,要因と考えられます。全製造業に占める印刷業(従業員4人以上)の割合は,89年の4.5%から99年は4.8%へと微増しています。

●製版会社は10年間で激減

 製版業(従業員4人以上)の企業数をみると,99年は2756社で前年比9.7%の減少となりました。89年が3718社ですから,10年で25.9%減と,大幅に減少しました。DTP制作の定着が原因と考えられ,デジタル化の影響をまともに受けた結果といえます。製本業(同)は,99年は1801社で,同7.2%減少しました。10年前と比較すると10.8%の減少となります。デジタル技術の影響は少ない分野ですが,印刷産業の不振を受けた形になりました。
 出版・印刷・同関連産業のうち新聞業(同)は,99年は824社で同6.2%の減少,10年前と比較すると14.2%減少しています。出版業(同)は,99年は1794社で同5.0%の減少ですが,10年前と比較すると10.5%の増加となります。印刷産業全体では99年は2万2657社で,同8.1%減少しました。
 印刷業の規模別構成比(98年)をみると,10人未満が77.9%,50人以上は3.6%で,中小主体となっています。


(プリンターズサークル 2001年4月号より)

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2001/04/06 00:00:00


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