ECとか電子調達というのは、非常に多くの取引先をもつ大手企業や、官公庁などで先行して進んでいるのは、もともとEDIやCALSの下地があったことも理由である。このような巨大クライアントのIT化は、主要なコンピュータ業者が大部隊を引き連れて支援しているので、ECのビジネスプランはあるていど否応無く進んで行く。
しかし中小企業では独自にeビジネスのプランを作る能力も、そのやり方に関連企業を乗せるリーダーシップも弱く、場合によってはIT化のインフラ作りにアップアップしている状態で、なかなか自分のビジネスプランとしてのECというのは手が出し辛かった。だが、大手企業にとっても裾野の中小企業もIT化しないことには、ECはなかなか完結しないので、ECのための技術はEDIやCALSの時のそれと違って、次第にパソコンでも扱えるものになりつつある。
世の中はよくしたもので、中小企業のEC化を助けるということ自体がビジネスの新フィールドになりつつある。その典型例がASPのようなアウトソーシングのサービス提供が、ECに関しても増えつつある。印刷で言えばアメリカのPrintCafeのようなECサイトは、その機能が中心となる。 日本では、印刷のECというのはことさら話題にはなっていないが、そのベースとなるような印刷物制作のシステム化は、大手・中堅・小企業ともそれぞれ行ってきた。またこれらのEC化もそれぞれ違った発展がありうるようだ。
例えば凸版印刷の、カタログ製作を支援するシステムである商品データベースシステム「GAMEDIOS」は有名だが、これに対して凸版印刷は、電子カタログやECへの展開を可能にするシステム環境への展開を次々に発表してきている。
ECサイト構築を支援するものでは、短期間でサイトを立ち上げることができる、「GAMEDIOS-EC」というパッケージを4月発表している。これはカタログ通販業界、小売業界を中心に展開している。(凸版印刷(株)5月のニュースリリースより)
また、カタログとWEBで商品情報を同時に提供することを可能にするために「印刷カタログデータ」を「電子カタログデータ」へ自動変換する「GAMEDIOS-XPS」を開発・販売を開始した。(凸版印刷(株)5月のニュースリリースより)
このような「GAMEDIOS」を利用した展開では、2月発表されたNTT西日本と共同で行っているサービス化の技術実験がある。これはカラーパンフレット向け大容量データを高速ネットワークを利用して製作のコラボレーションを可能にして、中小の印刷会社やデザイン会社の業務効率向上とコスト削減に役立つサービス化を目指している。(日経産業新聞2月に記事より)
JAGATの通信&メディア研究会では、これらの展開の話を6月26日の6月の研究会セミナー
「電子カタログとEC化とASP〜EC対応を求められるカタログ/電子カタログ製作とASP〜」で行います。
またEビジネスへ展開には、コンテンツの製作だけではなく、ビジネスモデルや権利などの法的な課題から、お金の流れをどうコントロールするのかと言った決済、ファイナンスの課題、そしてデジタルコンテンツのデジタル認証の課題、最後に実際のシステム化におけるインフラの課題が出てくる。EC化のさまざまな条件は、それぞれのビジネスに応じて異なっているが、商取引のインフラ部分は共通の認識が必要である。
通信&メディア研究会では並行して、これらEC化への各種課題(法律、ファイナンス、認証、インフラ)について6月21日開催のTechセミナー
「ビジネスのEC化に検討すべきことは〜電子商取引における法律・ファイナンス・認証・インフラの条件〜」で
法的な課題を弁護士の方から、銀行の方から決済ファイナンスについて、また4月から施行されている電子署名法についてを電子認証電子署名・認証調査センター の方から、さらにインフラの専門家から技術的な課題と最後に実際にコンテンツビジネスのインフラとして凸版印刷(株)が提供している「Bitway」(凸版印刷6月ニュースリリースより)事例などを紹介致します。
2001/06/12 00:00:00