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印刷会社はデジタル化したのか?

デジタル営業見聞録

東海共同印刷 総合企画システム室 浅井豊彦(JAGAT認証DTPエキスパート)


クライアントは印刷会社のシステムに合わせてはくれない

 クライアントは作りたいものがマニュアル類ならFrameMakerを使うこともあるだろうし,縦組みや表組みが多かったらEDICOLORを選ぶかもしれない。
また,社内の標準ソフトだからという理由で,WordやPowerPointなどのソフトを選ぶことだってあり得る。
必ずしも,印刷会社にとって都合のいいソフトで作ってはくれるとは限らない。
印刷会社にとっては,まだ経験の少ないPDFでの入稿を,突然クライアントが提案してくることも十分にあり得るのである。

 実際に次のような例があった。あるクライアントが,EDICOLORでデータ入稿したいと,取引のある5つの印刷会社に打診したところ,1社を除いて断ってきたそうである(この5社のなかに当社は含まれていない)。
これでは,手を挙げた1社に仕事を渡してくださいと自分で言ったようなものではないか。手を挙げなかった4社は,口をそろえて「QuarkXPressならいいです」と答えたようである。
確かにQuarkXPress3.3Jのフォーマットなら,大抵の印刷会社は受け入れ可能だろう。テキストほどの汎用性はないにしろ,標準フォーマットと呼んで良いくらい,普及しているのではないか? しかし,クライアントはWindowsユーザである場合が圧倒的で,もち込まれるデータがQuarkXPressのファイルである可能性は極めて低い。
しかも,3.3JというバージョンはWindows版のQuarkXPressにはない。QuarkXPress3.3Jだけでなく,自社で普段使っていないソフトでデータ入稿したいと言われたら,みなさんはどう対応する……。

(「デジタル営業見聞録」は月刊プリンターズサークルに連載しています。詳しい内容はプリンターズサークル9月号の記事をご覧ください)

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1999/09/27 00:00:00


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