Web制作やECのためのコンテンツ管理
デジタルアセッツマネジメント(DAM)というと,デジタル化された写真データなどをデジタル資産として管理運用し,他への利用や制作のアシストなどを行う仕組みが多い。
しかし,インターネットの普及により電子出版や広告のデジタル化など,紙以外のための制作が非常に増えている。このような背景からDAMの運用にはいろいろな目的に応じたシステムが出てきている。通信&メディア研究会では,12月に「Web制作やECのためのコンテンツ管理」というタイトルで,(株)恒陽社が日本語化と販売を行うことになった「MAMBO」と,また(株)富士通ビジネスシステムが扱っているインターネット上での電子出版を支援しECまでの拡張を支援できる「WebAS for コンテンツマネージメント」について取り上げたので,その内容の一部を拾い出してみた。
Web制作やECのためのコンテンツ管理
コンテンツ管理とかデジタルアセッツマネジメントと呼ばれるようなシステムは,従来では作成された画像データなどを管理して運用するような仕組みであったかと思う。しかしデジタル化されたデータの利用という側面では,いろいろと利用する目的や方法が異なる。制作をいかに効率良く支援するかというところもポイントであり,マーケティング支援を考えると,どのような広告やキャンペーンを打つかなどのマーケティング作業の支援にもこれからはデジタルデータの利用が行われる。
このようなデジタルデータを管理する仕組みも目的によりいろいろな機能が異なり,それぞれ目的に応じたシステムが登場してきている。またこれらは,DAMという言葉では表現できないため,利用や運用面がタイトルになるようなシステムとして登場してきている。
印刷物の制作支援を行うDAMシステムでは,制作していく過程を考えると,例えば画像の利用などを考えても,画像の入稿があり,その画像にコメントを入れる編集者がいて,またその画像を利用してデザイン編集する人がいて,そしてプリプレスをして印刷を行う人がいるということだが,この制作の流れを画像データを含めて管理する。しかし,今では制作が印刷物だけとは限らず,また進行もいろいろと出てくる。このため,いろいろな別な仕組みもシステムには要求されてくる。例えば次項で取り上げているブランド資産管理という言葉が出てきている。
ブランド資産管理ツールMAMBO2.0
インターネットの普及で,印刷物の広告だけではなくインターネットやその他の媒体を利用した広告が増えてきている。このような背景の中で,Web制作を行うには,従来はデータを作成しそれにHTMLのタグをつけてサーバに上げる。または,印刷物の制作に使われたデータを,Web用に加工してサーバに上げる。このような作業を印刷会社が仕事を受けていたかと思う。このような仕事の流れでは,印刷物の制作が終わってからでないとWebでの利用ができないなど,タイミングや時間の問題がある。またカタログなどの印刷物の受注では,印刷物の部数が減るとか,またはカラープリンタやオンデマンド印刷機のほうへ仕事が流れるなど顧客の要望が変化してきている。
カタログやWebなどは,顧客にとっては商品の販売促進という面では変わりはない。さらに,インターネットを使用して情報供給ができるので,品質の低いレベルの印刷物は作らないという時代になってくる。
アメリカでは今後どういう方向に向かっていくかというと,逆にターゲットを絞った顧客相手に非常に品質の高い印刷物を届けようという傾向がある。コストも非常に高くなるが,その企業や製品がもっているイメージをすべて印刷して,それを本当に必要とする人に配るという方向性になってきている。
これは,企業イメージをどうするのか,ブランドをもっと統一するというところで,ブランドに対しての強化が重要視されている。
企業が何かを売るということは,ブランドを売ることであり,このブランドイメージを高めることがこれからのマーケティングに必要な要素となってきている。ブランド資産管理ツール「MAMBO」とは,このような企業ブランドのマーケティングに必要な部品をデジタル資産とし管理しながら,印刷物の作成,Webへの利用などをマーケティングの支援を行いながら作成を支援していくツールの位置づけである。
DAMとの違いは,いつでもどこでも使える環境であり,コミュニケーションが行え,最終的にブランド化を行うためのプロセス,ブランドを作り上げるためのプロセスを管理する。これをブランドリソースマネジメントと呼んでいる。
ブランド資産管理を活用するには
・資産となり得る情報データを保有している企業/ブランドの創出を目指している企業
・制作,印刷関連などデジタルデータを生産し,保有している企業/既存の業態にとどまらず,業務拡大を目指している企業
・クライアントに対して働きかけることによって,メリットを得られる制作・印刷関連企業
これらの企業にとって,これからマーケティング支援という立場で,ブランド資産管理を生かしたビジネス展開が期待されるという話であった。
WebAS for コンテンツマネージメント
今まで印刷会社がWeb制作を受ける場合には,オリジナルデータを受けてHTMLのタグを付けてサーバに上げるとか,印刷物の制作が終了してからHTMLデータに変換してサーバに上げるなどの工程であった。また顧客が社内で行う場合にも,原稿を書いてHTML形式のデータを作成して,サーバにアップするという手順が一般的である。原稿を作成する人が直接タグ付けを行うことができないため,原稿にHTMLのタグを付ける作業を別な専任者が行う必要があった。
印刷会社などへアウトソースする方法か社内で責任者が行うかであるが,これらの作業は,関連する情報のアップや変更などにより,リンクの張り替え作業などもあり,そのタイミングなどの管理も結構大変な作業になってくる。
またこのような作業は,原稿を作成してから行うため,その後,管理変更作業の時間が発生するため,情報のリアルタイムな更新が行えないのが今までの状況であった。
また今後は,ただ情報を発信するだけではなく,どの情報を誰が見たかとか,どのくらいアクセスされているのかなどのアクセス管理もこれからのマーケティングには必要な情報になってきている。
Web制作を支援するということでは,制作を支援する目的と,またどれだけアクセスがあるかとか,さらにはアクセスする個人により情報を変えていくなどの機能が要求されてくる。
これらを支援管理することで,インターネットパブリッシングを迅速に効率よく行い,ワンtoワンマーケティングから,ECなどへの展開などを行えることを目的としたツールがこの「WebAS for コンテンツマネージメント」ということになる。
このコンテンツマネジメントとは,e-Publishing,e-Marketingを支援するツールである。原稿を作成する人がHTMLタグなどを意識せず制作を簡単に行え,部品の管理から顧客へのパーソナライズまでのコンテンツ制作・管理が,e-Publishing支援の仕組みである。さらに広告配信,マーケティング,電子決済はe-Marketingのための機能になっている。
(通信&メディア研究会)
出典:社団法人 日本印刷技術協会 機関誌 JAGAT info 2001年2月号
2001/02/06 00:00:00