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あと3年でブロードバンド花盛り?

かつて電電公社時代のINS計画は、「Ittai Nanio Suruno」と陰口をいわれたほどコンテンツ抜きに技術論が先行していたが、今日のブロードバンド指向は、すでに一般化したWEBやmailなどの経験の上に建てられている分だけ、現実味が強くなっている。
(株) 情報通信総合研究所は,日本のインターネットの今後の普及についての調査研究を行い,その結果をまとめた。この調査研究は,今後のインターネット利用世帯数,および利用人口の予測を行ったもので、以下のような指摘をしている。

(1)インターネット利用世帯の予測
●高速でのインターネット利用世帯が,2004年度には利用世帯の80%を占める。
インターネットの利用世帯は,2000年度,約1,600万世帯(世帯普及率35%)から,2004年度には,約4,000万世帯(同83%)に増加する。
特に,高速(光ファイバー,ADSL,CATV等)でのインターネットの利用世帯は,2004年度で約3,300万世帯となり,インターネット利用世帯の80%を占める。

高速インターネット利用世帯増加の要因は,
1. 高速インターネットサービスの認知率,利用意向率が,ともに高い。
特に光ファイバーの認知率は,インターネットユーザ,非ユーザ共に高い。
2. 利用希望理由として,「快適に利用したい」が77%と最も高く,「高速を必要とするコンテンツを利用したい」は,6%と低い。

(2)インターネットの利用人口の予測
●インターネットの利用人口は,2004年度で1億人を超える。そのうち,固定網と携帯電話でのインターネットの併用者が70%を占める。
インターネットの利用人口は,2000年度,約4,500万人(人口普及率35%)から,2004年度で,約1億人(同79%)に増加する。
そのうち,固定網・携帯電話の両方でインターネットを利用するユーザが,2004年度で,約7,000万人となり,インターネット利用人口の70%を占める。

併用ユーザ増加の要因 は,
1. 携帯電話インターネットユーザは,固定網でのインターネット利用意向が高く(約60%),「携帯電話でインターネット開始」→「固定網でも利用」という流れが形成されるものと考えられる。
2. 固定網と携帯電話でのインターネットは利用場所・利用シーンに応じた使い分けがなされ,また,1度併用すると,どちらかの利用をやめることが少ないことも要因の1つと考えられる。

(3)米国との比較
●2002年度には,高速のインターネット世帯普及率で,米国を越える。
インターネット全体の世帯普及率は,2001年度に米国を超え,さらに,高速でのインターネット世帯普及率も,2002年度に超える。

米国の状況は,
1. すでに,米国では市内定額制によるダイヤルアップでの利用に満足している層が厚く,費用負担が増える高速への移行が必ずしも早くは進まない。
2. 米国ユーザの高速希望理由は,「高速向けコンテンツの利用」が40%と最も高い(日本は6%)が,ユーザの要望を満たす魅力ある高速コンテンツが未整備であることも,高速への移行が促されない要因の1つと考えられる。
◆以上ニュースリリースより要約。

なるほど、やはりコンテンツか。あと3年のうちに、デジタルコンテンツのオーサリング環境の整備と共に、デジタルアセットマネジメントやデジタルアーカイブが構築できるところはどれくらいあるのだろうかと考えてしまう。もしデータ管理ができなけば、TVのような垂れ流しコンテンツしかできなくなってしまう。それでは通信回線を使うにはもったいないのではないか。

★関連セミナーのお知らせ:
通信&メディア研究会では,きたる5/22(火)に「2001年の通信インフラ動向 −モバイルとブロードバンドを中心にして−」を行います。講師は,(株)情報通信総合研究所の小澤 隆弘氏です。 IT革命の進展を展望しつつ,通信インフラは今後どのように変化するのか,ユーザやサービスプロバイダーに何をもたらすのかを予測します。奮ってご参加ください。

2001/05/17 00:00:00


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