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デバイスの多様化が、コンテンツを独立させる

NEXPO2001の最初のセッションのひとつが、ワイヤレスをテーマにしたもので、日本でいうなら携帯・iモード・PDAというところであるが、集まってきた人は少なかった。アメリカでは携帯電話などのWEBユーザは500万人ほどで、日本に比べてまだ立ちあがっていない感がある。しかしこういったデバイスをこれからどのように使っていくかについては、しっかりした取組み姿勢があって、少々驚いた。

ひとつはクロスメディア環境である。ワイヤレスといっても機能的にはさまざまなものがあり、さらにこれからもどんどん機能は変わっていくであろうから、それら「動く標的」を個々に考慮しても、技術的にもビジネス的にも効率的には対処できない。そこでコンテンツと、デバイスと、サービスを切り離してそれらが任意に複合できるような枠組みを考えるようになる。今回NEXPOで出てきたのはそれらのためのミドルウェア類である。

比較的うまく取り組む方向がまとまっている理由として、アメリカの新聞界には2つの背景がある。第1は、Audiotexなどすでにボイスサービスで広告収入を得られるようになっていることと、第2は、広告というものが科学的統計的に扱われる風土である。広告はその対象に関するさまざまな数字やデータが鍵になるからである。これらの延長の必然として、主催者のNAA自身もワイヤレス・パイロット・プロジェクトというのを始めているのだが、皆だいたいは広告のパーソナライズを考えている。

システムを考えるときは、新たな広告システムでどのようなデータがとれるか、どれだけパーソナルに食い込めるかという点と、デバイス類が不安定で多様なことから、それらの差をツール・ユーティリティで補うべくサーバスクリプトでなるべくかたずける、というところが特徴のようだ。WindWire社のツールの紹介があったが、若干コンテントへのタグの埋め込みが必要ではあるが、emailなどPushモデル、Pullモデルではテキストオンリー、WEBのようなリッチ、さらにインタラクティブまで、一つの広告コンテンツをどれからもアクセスできるもの(OSに近いような雰囲気がある)があった。

この話を聞いて、今日無線・有線/Push・Pull/テキスト・画像、のようにさまざまな要素が組み合わされて、メディアは入り乱れているように見えても、実は整然と整理されるのは目前ではないかという気がしてきた。今使っているワイヤレス(携帯)は周波数が高く、ゆえに遠くまでは飛ばない代わりに帯域は広く取れる。これは単にラストワンマイルを無線化するのにはちょうどよい。ワイヤレスがあってもそれを中継するところからは有線の広帯域が使われる。

ワイヤレスなどの電話会社の領域はIPではないものもあるが、有線はIPの世界である。これからIPを主体にするものが増えるであろうが、それにより今は電話会社の内部でコントロールされている部分もツール化され、そのツールが進めば、例えば中古車情報というコンテンツをどこかにいれておけば、PushもPullも、テキストもグラフィックス表現も、またどこからでもアクセスできるようなモデルはできるであろう。

果てしないデバイスの多様化が、コンテンツの独立性を高めつつあり、それが次世代のメディアのモデルであるといえるのではないだろうか。

この項続く

関連報告 広告が先導する新聞システムの展開 ― NEXPO 2001 より ―

小笠原 治

2001/07/01 00:00:00


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